富岡保育園へようこそ!「伸びる。成る。子どもも大人も互いに伸び合い、成長し合う『大きな家』でありたいと願い、社会福祉を支えています。

富岡保育園

副園長ブログ

保育雑誌『遊育』編集部とのご縁

Policy(政策)、Information &Date(情報)、Vision(未来像)をキーワードに、幼児教育・保育に関する様々な情報提供を行うことにより、この分野の発展・充実・振興に資することを目指しておられる、雑誌『遊育』の編集部の方から先日のこと連絡がありました。

なんでも、その編集部の方は昨年度2月に開催された「社会福祉ヒーローズ」を取材して下さっていたそうで‥それに加えて、その方は全国の若手園長先生たちと定期的に交流しているそうなんです。

でもって、その交流会の時に話題にのぼったのが、この「副園長ブログ」みたいなんです。「このブログを綴っている副園長と交流してみよう」と、その交流会のメンバーの言葉のあや、又は少々アルコールが入ってのことかもしれません。熟慮して会うより、間違いなく勢いで会わないと、会いづらそうな、そんなブログ内容を綴っている副園長ですしね。

さっそくその勢いのままに、編集部の方が代表して連絡を下さいました。はじめはオンラインミーティングへの参加依頼だったのですが、副園長のあやで、さっそく来月に都内某所に集合する予定になりました。僕自身は、やっぱり直接会ったり、直接園に足を運んで、その空気感いっぱいに交流したいんです。(直接、乾杯したいという欲望も先立っています。)

いかんせん、この編集部の方のスピード感ある連絡のやりとり、大好きなんです。鉄は熱いうちに打て、と言いますが‥僕の場合は「鉄は熱いうちに打って打って打ち壊せ」タイプなんですね。

たった数日でチョンマゲを切った幕末なんて変革期には、間違いなく歴史に残っていない“人と人との直接の交流”があったはずなんです。その積み重ねで、何かを生み出すことができるんです。(量より質、以前に「まずは圧倒的な量」が大事。)

編集部の方、また交流会メンバーの園長先生方、このたびのご縁、誠にありがとうございます。楽しみに駆けつけたいと思います。宜しくお願い致します。


~おまけ~

ブログなんて、要は書き手の書き様で、どのようにでもなりそうですよね。幼児教育や保育について知ったかぶっている様でもある、書き手の副園長の、その人柄を知れた方がいいんじゃないか。

今では(37歳)ウイスキーのロックを片手にレコードを聴きながら司馬遼太郎の小説を読んでいる、僕ではありますが‥小学3年生の頃には担任の先生から「おしゃべり大魔王」と称されていました。先生の授業に、その都度、口を挟むものですから煙たがられていたはずです。例えば算数の重さを計算する授業では、「問題文の、その重さを計算する直前に、もしも何かの生き物が秤の上に止まったりしたら、答え変わるんじゃないんですか」なんて、かなり面倒な奴ですよ。中学生の頃には、禿げた理科の先生の頭めがけて、窓から差し込む日差しをアルミタイプの定規などを利用して屈折させては命中させて、叱れられていました。そんな人柄です。

なので、この副園長ブログを読んで「おもしろいな」と思えば、全国どこからでも気軽にお呼びください。乾杯しながらお話ししましょう。

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長時間に及でいます、この姿
2023-04-18
ダムダム、ダムダム‥

ダムダム、ダムダム‥

ダムダム、ダムダム‥

ある少年漫画好きの方であれば、聞き覚えのある音ではないでしょうか。

近頃は映画化もされた「スラムダンク」というバスケットボール漫画での、あるシーンの音です。あれですよ、バスケットボールの基本中の基本の“ドリブル”というテクニックです。手の平を広げて、ボールを地面に押しつけるようにバウンドさせるんです、それも連続的に。

昔あそびに出てくるような、まりつきなどとは、どうも音が違うように思います。まりつきは、トントン、トントンくらいの音だと思うんです。でもドリブルとなると、ダムダム、ダムダムと力強くこだまするように聞こえるんです。


お昼ごろだったでしょうか、その力強くこだまする音、ダムダム、ダムダムが前庭のあたりから聞こえてきました。ひとりの男の子が熱心にドリブルしています。ダムダム、ダムダムの音が途切れずに連続的に聞こえるあたり、かなりの上達ぶりを感じました。

バスケットボール好きの小学生が春休みに、とみほ村へやって来て、よくドリブルをしていたんです。ダムダム、ダムダムとね。そのテクニックに、園児は憧れて、見たり真似たりしていました。ただ案外、見た感じより難しいんですよ、ドリブルって。地面にバウンドさせた後に、また自分の手の平に吸いつけるようにして、そしてまたバウンドさせることを連続的にしなきゃなんです。

実は筆者はバスケットボール部に所属していたこともあり、よく分かるんです。ドリブルはやればやるほど上達するんです。(反面、やらなきゃ上達しないんです。)


もうお分かりの通り、お昼ごろに熱心にダムダム、ダムダムさせていた男の子は、バスケットボール好きの小学生に憧れていた園児のうちの1人です。

その男の子が、ダムダム、ダムダムさせながら、突然に近くの友だちに呼びかけたんです。「ちょっと、見て!!!」

あまりに威勢の良い声に、つい筆者も見てしまいました。すると、男の子は、ダムダムした後、華麗にそして軽やかにフィギアスケートの選手のように体を一回転させ、そしてまたダムダムとドリブルをしていたんです。熱心な努力の賜物でしょう、アレンジしたテクニックを習得していました。


子ども同士の“好き”の連鎖、影響を、まざまざと見せつけられた、昼下がり。

PS ダムダム、ダムダムの音って、特別な青春を感じてしまうんですよね。

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2023-04-17
ファンレターは富岡保育園宛てで

ローカルテレビ局「ゆめネット笠岡放送」さんが手がける、エンターテイメント番組『コドモのホンネ』の、裏話について言及してみたいと思います。

まず、そもそもの始まりのキッカケですね。笠岡放送スタッフさんと僕がゴロつく保育LABOで珈琲をすすっていた時のこと‥「子どもの“リアルな姿”が届く番組があったらいいのにな〜。」と、つぶやいてみたんですね。すると、スタッフさんがノッてきて下さって、市内の保育園や幼稚園を舞台にした番組を作ろう、ってなったんです。当初はいろいろな園を回りながら、僕がなんらかを解説するような企画を考えていたのですがね。なかなかいろいろな園(園児や保護者)に許可を得ることは難しく、さらに解説なんてどこか驕っているようにも感じたので、企画を一度白紙に戻しました。

それで、まずは許可を得やすいはずである、自園(富岡保育園)の園長先生や現場保育者、園児に保護者にお願いしてみたところ。予定通り許可を得ることができ、富岡保育園を舞台にして撮影をすることになりました。

目的である“リアルな姿”を届けるには、いくつかの条件があると思っています。ひとつ目は、撮影があるから〇〇の活動をしようと、撮影用の計画を保育者がたてないことです。あくまでも“いつも通り”“普段通り”の場面を撮影してもらえる環境作りです。なので、撮影スタッフの方と予定を組む際には“だいたいの予定”しか組みません。ほとんどを撮影スタッフの予定に合わせて、1日中撮影してみたり、1時間だけ撮影してみたりしています。条件のふたつ目は、編集に保育者の意図を含めないことです。あくまでも、編集スタッフの方の感性や考えの中で「ここがリアルな姿だ」と思う場面で番組を作ってもらうことです。そして、みっつ目の条件は、後付けなのですが、撮影スタッフ(実は編集も兼ねておられます)の方が、子どもたちや先生と仲良くなることです。

みっつ目の条件についてを詳しく記しますと。子どもも先生も、大きなカメラがどこやかしこで撮影しているとなると、正直なところ意識せざるを得ないんです。でも意識し過ぎちゃうと“リアルな姿”でなくなってしまいますよね。なので、どうやってその意識を取り除くかってなると、撮影スタッフの方が子どもたちや先生と仲良くなるしかないんです。このたび関わって下さっている撮影スタッフの方は、空き時間にお昼ごはんを子どもたちと一緒に食べたり、名前を覚えてたくさんコミュニケーションをはかっておられました。するとですね、子どもや先生にとって撮影スタッフの方は、撮影スタッフとの位置付けでなくて、同じ仲間(見守る保育者)との位置付けに変わっていったんです。

この、3つの条件を克服しながら、より子どもの“リアルな姿”を撮影することができるようになり、番組はより面白くなっていきました。この4月放送(毎週第2・4水曜日)は、数えて10回目でしたが、今までで1番面白かったですし、1番リアルな姿が伝わってもきました。(お世辞でなくて、本当にめちゃくちゃ面白かったです。見るだけで幸せな気持ちになりましたし、加えて「子どもって、そんなふうに思ってたんだ〜。」と子どもの本音を知ることができました。)

ちなみに裏話ですから、つまらない情報も入れておきますと。番組名『コドモのホンネ』は、僕が考えました。富岡保育園の子どもたちだけに限らず、全世界の子どもたちの本音なんかが集約されればいいな〜との想いを込めてです。そして番組のロゴ、黄色の帽子からカラフルな帽子に色替えされるものについても、僕が注文をつけました。はじめは黄色の帽子だけだったところを、子ども“だから”とか、子ども“ぶった”番組でない、十人十色の本音が伝わるものになればいいな〜との想いを込めてです。


『コドモのホンネ』、なんと最終回まで残すところ◯回なんだそうです。なにが寂しいかって、撮影スタッフの方が定期的に来園されなくなることですよ。撮影しながら、いっつも笑ってるんです。番組内でも、よく撮影スタッフの笑い声が入ってるんですよ。たぶん努力して子どもや先生と仲良くなったんじゃないんだと思うんです。子どもや先生たちのことが好きだから自然と仲良くなったんでしょうね。

最終回までの撮影(&編集)、その溢れる愛のままに宜しくお願い致します。


~日曜日のおまけ~

エンターテイメント番組『コドモのホンネ』では、撮影スタッフの方に加えて、アナウンサー、そしてアナウンサーのフォロー役に富岡保育園現場保育者が1名付き添います。フォロー役の保育者として、主任の“なっちゃん先生”と副主任の“はすみ先生”が月ごとに交互で出演しているんですね。アナウンサーからの突然の(打ち合わせは一切ありません)質問に答えるなんて、なかなかハードルの高い役目でもあります。回を重ねるごとに、2人とも、保育についての“発信力”がどんどん身についてきてるな〜と、感心させられています。

おまけの裏話として‥先日なっちゃん先生が、プライベートで笠岡市内を散策されていた時のこと、見知らぬ方から「あ!なっちゃん先生じゃないですか!?」って声をかけられたそうなんです。なんと『コドモのホンネ』ファンなんだそうで、番組への感想ももらったそうなんです。まさにローカルタレントと言っても過言じゃなさそうです。(なっちゃん先生や、はすみ先生へのファンレターは、富岡保育園宛てで宜しくお願い致します。)


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番組ロゴ
2023-04-16
後悔しない公開保育を企画します

寿司屋が、他の寿司屋に寿司を食べに行くことって、ありますよね!?

珈琲屋が、他の珈琲屋に珈琲を飲みに行くことって、ありますよね!?

もちろん、寿司が食べたくて、珈琲を飲みたくて、行くんでしょうけど‥「何か秘伝の隠し味があるんじゃないだろうか⁉︎」なんて学ぶ気持ちで行くこともあるんだと思うんですね。

ただ、いちいち暖簾をくぐる時に、こんなことは言わないですよね。「俺、寿司屋なんだけど‥僕、珈琲屋なんだけど‥ちょっと勉強しに来ました!」なんてね、宣言はしないですよ。なんで宣言する必要がないかって、寿司屋も珈琲屋も常日頃からいろんなたくさんのお客さまだったりから“見られている”からですよ。おんなじ寿司屋、おんなじ珈琲屋に見られても、それはいろんなたくさんの大切なお客さまから見られることと同じです。もしも、その-おんなじ-つまり同業者から見られる時に意識過剰になるんだったら、常日頃からいろんなたくさんのお客さまを大切に、寿司を握ったり珈琲を淹れたりしていないってことになりますよね。


ところで、あんたは何屋なの?って問われれば、僕は保育屋と称してみましょうか。保育屋って、おかしなもので、他園に学びに行くのに、いちいち宣言しないといけない風習があるみたいなんですね。大掛かりに計画なんて立ててみたり、お伺いをたててみたりしてね。「よっ!大将!ちょっと保育園に遊びに寄らせてもらいやした!」なんて、気軽に暖簾をくぐる風習がないみたいなんです。これって、寿司屋と珈琲屋の公式からすれば、「常日頃から園児や保護者の方々を大切にして保育をしてないの!?」ってなりそうなんだけど‥見渡す限りの保育屋は、そんなことないはずなので、もっと“見られる”ことに自信をもって保育しないといけないんじゃないかってね。


さて、実はここからの情報は、まだ笠岡市内、いやむしろ富岡保育園内でも発表されていないものです。今年度、笠岡市内の保育施設で毎年開催している公開保育(他園を見て勉強する会)が、富岡保育園に決まりました!パチパチパチパチ!

なんてね、パチパチパチパチしましたが、おそらく富岡保育園の現場保育者からすると「は〜い。わかりました〜。」くらいのリアクションしか得られそうにないんですよね。なぜかって、常日頃からいろんなたくさんの人たちに“見られている”ことを意識して保育しているからです。昨年度で言えば、県外からの同業者の方々が10数名、市内の行政の方や議員の方々、さらには地域のご年配の方々や学生たち。(ワンコインランチ参加者は延べ300名以上)加えて新聞社やテレビ局の方々がカメラやビデオを回しながらの場面もありました。(※ローカルテレビ局、ゆめネット笠岡放送が毎月不定期で収録にやって来られ「コドモのホンネ」という番組を制作されています。ちなみに毎週第2・4放送です。)

ただですね、やっぱりパチパチパチパチなんです!特に僕は。笠岡市内の-おんなじ-保育屋さんと一緒に学びたいじゃないですか。ワクワクする気持ちで一緒に勉強したいじゃないですか。ブログを綴り終えたら、園長先生のところへ、公開保育の実行委員長に立候補させてもらって、企画をたてちゃおうと思っているところです。(村上の喋る尺を2時間ほど、もらおうかなと‥)


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※再度アナウンスしておきます。公開保育などの企画物でなくとも、富岡保育園はいつでも見学可能です。ピンポンを押して下されば良いですし、お電話して下さっても良いです。いつでもウエルカムなのでお気軽にお越しくださいね。(村上と話し込みたい方は、留守の場合もあるので、お電話くださると嬉しいです。)

遊び心に火がついてます
2023-04-15
マリアの摩訶不思議な冒険の時間

転園してきたマリアにとっては、摩訶不思議な感覚だったのでしょう。それは、おそるおそるでありながらも冒険するような、そんな気持ちだったのかもしれません。


先日のこと、3時のおやつ(正確には3時ごろ)での出来事。メニューは“わかめおにぎり”でありました。桜の花びらは舞い散りはじめてはいましたが、その陽射しや心地良い風は、まさに春爛漫と言えたでしょう。

“わかめおにぎり”を片手に、縁側で食べる子どももいれば、小屋の3階あたりまで登って食べる子ども、それぞれに好きな場所で、たまに誘いあっては“わかめおにぎり”を食べていました。

転園してきたマリアにとっては、この光景がどこか摩訶不思議だったのではないかと思うのです。「自分で場所を選ぶんだ〜。」と心のどこかで何度もつぶやいてみたのでしょう。その目は“わかめおにぎり”片手に、ところどころで食べる子どもたちへ向けられていました。

マリアがまず、おそるおそると“わかめおにぎり”片手に辿り着いた場所は、園庭の真ん中あたりにある大きな丸太の上でした。丸太を足ではさんで座っては“わかめおにぎり”を、ひと口ほおばります。その表情は、どこか照れくさいといった、はにかんだものでした。

つぎにマリアが辿り着いた場所は、築山でした。積まれた石垣に腰をおろすと“わかめおにぎり”を、ひと口ほおばります。ほおぼる時には、マリアは青空を見上げるような仕草をするんですね。それは照れくささから解放されたような、晴れ晴れとした表情でした。

そして、さらにマリアは腰をあげ、次の場所を目指します。そこは木陰の下の木の小さなベンチでした。そこでも、ひと口ほおばろうとするのですが、ほおばるほど“わかめおにぎり”は残ってはいませんでした。小さな、ひと口で、それは「全部食べてしまうと、この摩訶不思議な冒険の時間が終わってしまうのではないか」と、その味を噛みしめるように食べていました。


地域の八百屋さん(ヒロツネ商店)や、牛乳屋さん(坂本明乳)、お米屋さん(坂本精米所)、お肉屋さん(日山精肉店)などが、笑顔をこぼしながら足を運んで持って来て下さる食材を、太陽のように温かく見守ってくれる給食の先生たち(太陽の台所)が愛を込めて作ってくれる。それを、自分の好きな場所や、好きな仲間と一緒に食べる。幸せでしかないですよね。

マリアの噛みしめた味は“幸せの味”だったのではないでしょうか。

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おにぎり屋
2023-04-14
0と1、右と左、の、間が大事。

-わかろうとすることは大事なんだけど、わかってはいけない-

ついついね、どっちなんだい!?とツッコミたくなるフレーズじゃないですか。

早起きが過ぎますと、レコードでベートーヴェンの曲を聴き流し、珈琲をすすってみますと頭が冴えてくるものでね。わずかな出勤道中にカーラジオから耳に入ってきた、そのフレーズが気になってしょうがなかったんです。


しょうしょうかすれた、けれどもどことなく説得力のある声の、そのフレーズの持ち出し人は、養老孟司さんでした。ダンディーな声のラジオDJとの掛け合いから、そのフレーズについてツッコまれていたんですね。

「現代人は、つい“0か1”か、“右か左”か、どっちなんですか?と答えを求めちゃうんだけど‥その間があったり、そうでなかったり、両方だったりすることもあるじゃないですか。だから、それを考えないと。どっちかってなると、考えるのをやめちゃうことになるじゃないですか。」


続けて、学問やら少子化などについてラジオDJから問われると、このように応じておられました。(メモをとって聞いていたわけでないので、曖昧な記憶を元に綴っていますよ。)

「最近では“触る(さわる)”ことから、どんどん離れている。けれども“学ぶ”には全身を使わないといけないんです。だから“触る”って、とっても大事なんです。山や森に行って、自然と触って学んで欲しい。もちろん大人も子どもです。」

「でもね、無理はしたらいけないんです。山や森に行きたいな、と思ったら行けばいいんです。何事も“時(とき)”が大事なんです。野菜とかだってそうでしょ。時期をみて植えるわけですから。それを考えると、横並びの学校教育なんて、時がきていない子どもにとっては無理をさせてますよ。反対に、時が過ぎている子どもだっていますしね。難しいですよ。お稽古ごとだってそうですよ。やりたくもない“時”にしちゃうと、身体のどこかで反発しちゃってますから。学ぶには“時”が大事ですよ。」


「あとね、少子化で言えばね。少子化で困る、困るなんて意見はとぶんだけど、逆に“少子化になるから一人ひとりの子どもを丁寧に教育できるよね”って議論にはなんないでしょ。子どもが減るから学校を統廃合しましょう、なんてことはあっても、子どもが減るから、より“丁寧に”子どもをみてあげられるよね、なんてことに現代は考えがいかないじゃないですか。これはね、なんでも“効率”で考えちゃうからです。工場であればいいんですよ、従業員や生産数から統廃合すれば。」


あらためて、養老先生のフレーズから自省している本日の僕です。

現在、人生の基盤となる乳幼児期の子どもたちの保育に携わっている身として。保育とは?子どもとは?そして社会福祉とは?なんてことを、もちろんわかろうと努力しないといけないんです。けど、けれども、わかったと思ってしまったらいけないんです。それは、すでに間違いのはじまりなんですから。

特に『見守る保育』を学ぶ上で、「“見守る”って何だろうか?どうすればいいんだろうか?」と、日々自問自答を繰り返すことは大事だと認識しています。

そして、その答えが出ない自問自答を、仲間と共有することが、より大事だと思っています。

富岡保育園・クレヨンKIDSでは、保育者が綴る「ナラティブツリー」という保育記録があります。これは、その答えが出ない自問自答であったり、また「ねぇ、ねぇ、ちょっと聞いて!」と溢れる喜びであったりを、仲間と共有する保育記録です。この積み重ねが、富岡保育園・クレヨンKIDSともに、コミュニティとしての学びや育ちになるんだと思っています。

今年度も、現場保育者が綴る、心の揺れ動く人間ドラマ「ナラティブツリー」を、紹介していきたいと思っていますので、乞うご期待くださいね。

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キンキラムシ、だそうです。
2023-04-13
こども真ん中社会と絵に描いた餅

個人的な話しではあるが、先日のこと、地元の消防団を退団しました。住民票を笠岡市に移動させたことが理由ではありますが、かれこれ13年務めたようです。

すこしだけ“地元の消防団”について語りたいと思うのです。このコミュニティが、どれほど異質であるのかを。

読者の皆さまが想像するところには、「消防団って、飲んだり食べたりするコミュニティでしょ!?」となるんじゃないかと思うんです。あながち間違ってはいないのですが、正確には「飲んだり食べたり“も”するコミュニティ」です。

基本的にボランティアですので、仕事でないので強制的な参加は求められません‥と、言いたいところですがね。そう簡単に言い切ることはできないんです。

そもそも“地元の”ということは、住んでいる(もしくは住んでいた)地域であること。そしてより田舎であれば、その住んでいる場所(住所)なんてものも特定(認定)されているのです。具体的に言えば、どんな家でどんな庭か、またどんな車に乗っているかなんてものも互いに知っている仲なわけです。

そして、より田舎であればの極みと言えば、その『人間関係』にあるのです。20代から50代あたりの年齢層での集まりであるため、例えばの話し、自分の幼少期や学生時代も認知されている、さらに言えば両親やその両親、もしかすると親戚あたりも認知されている、そんな人間関係なのです。

よって、強制的でないにしろ、飲み食いでも参加しない場合が多ければ“村八分”にあいやすいようなコミュニティなんです。

もしもブログ読者で司馬遼太郎さんの「菜の花の沖」をお読みになったことがあれば、主人公の高田屋嘉兵衛の若かりし頃の境遇の中に、類似した点を見つけることができるかもしれません。


ここで、誤解を招かないように、注釈を入れて次の話題に移りたいと思います。“飲み食い”とは、ある催しの前後によく行うものだということです。地域のお祭りや運動会、また訓練の大会や、実際の火事現場への消火活動。準備や片付けなども含めて、案外と皆さまが想像するところより、地味で献身的なものなのですよ。ちなみに、その飲み食いであっても、年齢であったり、その所属年数であったり、様々な要因を考慮しながらの、振る舞いや立ち位置、会話などが求められるのです。

このあたりまで読み進められた方にとって、「消防団って、古っ!!!」と、つい吹き出したことかもしれません。現代社会が慣例や慣習を打破する潮流でありながらも、地元の消防団は打破ではなく死守することが最善である、そのような時代感とのギャップがあることを理解しなくてはならないのです。


さて、そろそろ、今日の本題に入りたいと思います。今年度から、こども家庭庁が発足し、そしてこども基本法が制定され、『こどもまんなか社会』を作ろうとの国を挙げてのスローガンが出されました。

すると、こぞって、乳幼児関連の雑誌でも取り上げるのですね。例えば「子どもを真ん中にした地域の中の園づくり」なんて題名で、それは見栄えのするイラストや写真を使いながら。

けれども、ひん曲がった僕の性格を前提にさせてもらうと、「“地域”というキーワードは見栄えのするものでない」と言ってみたいのですね。

プライバシーのあるようなないような人間関係、慣例慣習を重んじる組織運営、さらにはボランティアとも仕事とも違った参加様式などの、地味で献身的なものを受け入れたり飛び込んだりする覚悟や意志を持たなければならないのです。そうでなければ、例えば「子どもを真ん中にした地域の中の園づくり」なんてものは、絵に描いた餅です。


ある種、僕が『こどもまんなか社会』に向けて本気で取り組めるのも、13年間の異質なコミュニティである地元の消防団活動のお陰なのかもしれない、と思ってみた、今日この頃です。

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丸太の上で、おやつのオニギリを。
2023-04-12
「あ〜。ホッとするわ〜。」

「あ〜。ホッとするわ〜。」

それは、疲労困憊でマッサージをしてもらった時におもわずこぼれたり‥仕事終わりに缶ビールをプシュンと勢いよく開けて喉を潤した時におもわずこぼれたり‥などに類似するかのように、おもわずこぼれた言葉でした。

おもずこぼしちゃった人とは!?

昨日は、富岡保育園の所属する笠岡市内の小学校の入学式だったんですね。卒園式(またねの会)を終えた子どもたちが、ピカピカのランドセルと、ピカピカの制服と、ピカピカの運動靴を履いて、入学式に参加したようなんです。

その入学式終わりに、続々と、富岡保育園に「またね」のお返しのように、舞い戻ってきてくれたんです。当然、そのピカピカした身なりでですよ。

ただですね、表情は、ピカピカした弾けるようなものではありませんでした。それは、どこか安堵した、ホッとしたような表情でした。察するところでは、入学式にはよほど緊張してのぞんだのでしょう。いくらランドセルが軽量化したなんて言っても、期待や不安をのせたランドセルはズッシリしたものだったんじゃないでしょうか。


おわかりの通り、冒頭の「あ〜。ホッとするわ〜。」は、入学式後の卒園児、つまりは小学校1年生の子どもです。その他にも、おもわずこぼれた言葉を紹介しますと‥

「あ~。保育園、めっちゃ久しぶりな気がする〜。」

実際のところ、日数で言えば、約10日ぶりでしょう。けれども、たしかに、この子どもにとっては、通った0歳児から卒園する6年間までに10日も休んだことはなかったんです。“久しぶり”とおもわずこぼれて、当然ですよね。


正直なところ‥ピカピカした身なりに、もちろんのことお祝いの言葉や気持ちを伝えます、けれども。けれども、どこか寂しくも思っちゃうのですね、僕は。“久しぶり”との感情は、僕も同じくしていました。なんせその6年間で10日も、その子どもを見なかった日はなかったんですから。

しばし、寂しさと向き合いながら、春を過ごしたいと思います。そのうち、新緑の力強い緑が忘れさせてくれるでしょう。


「みんな、また“ホッと”しにおいでよ〜。またね〜。」

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2023-04-11
乳幼児健診は必ず受けて下さいね

検査をしたわけではないのだか、感覚的なもので、最近のことに、僕は目が悪くなっちゃってるんじゃないかと思うんです。以前までは見え過ぎるくらいに、暗い中でも、遠方であっても、また小さな文字であっても、くっきりて見えていたんですね。原因はいくらか有るのでしょうが、1つには、おそらく現在ブログを綴っている機械(スマホ)との関係でしょう。ブログを綴るほかに、たいてい寝る前などの暗い中、布団の中でYouTubeなどを見ちゃったりするものですから、目にとっては良くはないでしょう。また他の原因を考えると、おそらく老化もあるのでしょうか。よく-目が良い人は早く老眼になる-なんて聞きますし。ひとまず、この機械との距離感や頻度なんてものを考慮してみようじゃないかと思っています。


さて、目に関しての話題をつぶやいてみたところで‥ちょうど子どもの“目”に関してのアドバイスを先日のことに眼科医さん(笠岡市永山眼科)からいただきましたので、紹介したいと思います。

このたびのアドバイスは【弱視】についてです。

弱視とは、目に病気がないにもかかわらず、何らかの原因で視力が発達しない状態のことです。

弱視の原因としては、屈折異常、斜視、先天白内障、眼瞼下垂(がんけんかすい)などがあります。

弱視の治療方法は、眼鏡と遮蔽治療(しゃへいちりょう)があります。


ざっと説明したところで、もう少し詳しく記してみたいと思います。

再確認として、弱視とは、目に病気がないのに視力が弱いこと。眼鏡をかけたとしても視力1.0未満の状態なんですね。

子どもは生まれてすぐには明暗程度しか分からず、ものの形も見えません。そして成長とともに視力は徐々に向上していき、6歳ごろには正常の視力1.0に達します。

ちなみに視力の発達は10歳ごろに終了します。この10歳ごろまでを専門用語では『視力発達の感受性期』と言ったりします。

視力の発達には、2、3歳まで、遅くとも10歳ごろまでに、きちんと目を使っていること、目のピントがよく合っていること、長時間目をふさいだりしないこと、が重要です。


少しずつ、弱視についての知識が得られたところで、保育園や幼稚園などに通う乳幼児期のお子さまをお持ちの保護者の皆さまへの具体的なアドバイスをしたいと思います。

それは『乳幼児健診を必ず受けて下さい』です。

弱視はほとんど生まれつきですので、本人は自分が弱視であることを知らず、不自由はないのです。ですから、弱視は周囲が見つけてあげることが必要なんですね。

なので『乳幼児健診は必ず受けて下さい』と記しました。が、ただ、乳幼児健診を受けても見逃されることもあるそうなので、何かおかしいと思ったら、眼科を受診してみて下さい。

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2023-04-10
ブンブンブン、ハチがとぶ。

桜もじょじょに舞い散り、はやくも藤の花が芽吹いてきているようです。ですから当然、はやくもハチなんて虫たちもブンブンと遊びにやってくるんです。

その“ハチなんて虫”に、いち早く気づいた人たちの話しを今日はブンブンと紹介してみたい思います。


たしか、この人たち、つまりは“ハチなんて虫に、いち早く気づいた人たち”は、昨年とみほ村で、その精魂ある限りを尽くして虫捕りをしていた人たちだと記憶しています。

どれくらい精魂を尽くしたかと言えば、寝ても覚めても頭の中は“虫”のことでいっぱい。食事をとる時であっても、いかなる時でも、例えば捕まえた虫を手で愛(め)でながら気持ちを整えていたほどです。

さて、その精魂を尽くし虫捕りをしていた人たちの、ひとりは昨年のことにハチに刺されて痛い思いをしたと記憶しています。病院にも保育者が連れて行ったとも記憶しています。ハチを見つけて、手で愛でようとしたんでしょうね。

ハチに刺されたひとりと、その仲間である、つまりは精魂尽くして虫捕りをする人たちに向けて、保育者たちは、ある約束事をとりつけました。それは「ハチを見たら‥触らない、逃げる」ことです。その約束事は、昨年、ハチのブンブンする時期には守られていたと記憶はしています。


あれから、約一年。藤の花が芽吹き、そしてブンブンと集まるハチに、いち早く気づいた、あの精魂を尽くして虫捕りをする人たち。その人たちが、僕にこのように告げに来ました。

「なぁ、むらかみ先生、ハチがおるよ!」

僕も、とみほ村の保育者の端くれとして、ある問いを、その人たちに投げかけました。それは、「ハチを見たら?」と、昨年の約束事を彷彿とさせる問いです。

するとですね、その人たちは、ある種の“体験を通した学び”があることを、僕に告げたようでした。

「大丈夫!あのハチは弱っちいやつじゃけん!あれくらいなら捕まえられる!」


しょうしょう頭を抱えつつ、今年、この精魂を尽くして虫捕りをする人たちが、どのようなドラマを繰り広げるのか、不安と期待とがブンブンと混在としています。

お願いだから、刺されないようにして欲しいことだけは、粘り強く伝えようと思っています。

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2023-04-09
笠岡市のマスク着用の考え方

令和5年3月31日付で、笠岡市教育委員会ならびに笠岡市こども部から、以下のお願いがありました。

(※来週、保護者の方へは配布致します。)

1つ目。新型コロナウイルス感染症に伴う保育料の減免は、4月からは行わないこと。

2つ目。教育や保育活動において、マスク着用は求めないこと。

3つ目。家庭での健康観察は引き続きお願いするが、園への健康観察カードなどの提出は必要でないこと。

4つ目。令和4年度8月31日付の新型コロナウイルス感染症における学級閉鎖期間の目安について廃止すること。

5つ目。新学期以降におけるマスク着用の考え方として、2歳児未満のマスク着用は奨めない。そして2歳児以上もマスク着用を求めないこと。

6つ目。休園をする場合は、学校医と相談をして決定すること。また決定した場合には、こども育成課へ報告すること。


いかがでしょうか?ブログ読者の皆さま、ご理解えられますでしょうか?

いろいろなご感想があるかと思います。「ようやくかい!」なんて、ツッコミを入れた方もおられるかもしれませんし。また逆に「え!?本当に大丈夫!?」なんて、ツッコミを入れた方もおられるでしょう。

ただですね。この世界中の人々を巻き込んだ、新型コロナウイルス感染症のおかげ!?と言いましょうか、あらためて「答えがないものが世の中にはあること」を再認識したのではないでしょうか。

どのような対策や措置をとったからといって、それが本当に正しかったのか、そうでなかったのか、が分かる頃には、その時代(コロナ時代)の人々は、僕を含めていない可能性の方が大きいです。

なので、だからこそ、正解がない、分からないからこそ、あらゆる側面から本質を捉え、そして誠実に真摯に対策や措置をとらなければなりません。


笠岡市の行政機関の皆様も、新型コロナウイルス感染症への対策に、本当に本当にご尽力して下さいました。ココだけの話しではありますが、人格のなっていないような僕の場合は、その対策や措置に対して、行政の方に対して辛辣なコメントを放ったこともありました。申し訳なかったと今では反省するところであります。

世の中の風潮や、科学的根拠、また市民の声、さまざまに混同する意見から対策や措置に講じて下さったことに、感謝しています。(休日を返上しておられた方たちも多くいました。本当にお疲れ様でした。)


マスク着用についての文言が出されたことも、感染症対策や世間体よりも、それよりも、科学的根拠の示された子どもたちに対する良くない影響が勝っているのでしょう。

※詳しく知りたい方は、京都大学教授 明和政子先生の著書をあさってみて下さい。とても分かりやすいですよ。

科学的根拠なんて嫌いだって方は、シンプルに考えてみる方法もいいと僕は思います。マスクを着用して鏡を見て、そして外して鏡を見て、を比べてみて下さい。シンプルにマスクを着用した場合の方が「怖い」“印象”を受けませんかね。

案外、この“印象”というのが、保育や教育の場面、人間関係や社会性を育む場面では、大事なポイントになっているんだと思うんです。


ある種、コロナ禍緩和後の焦点となるところは、保育者や教育者が、マスク着用の場合に起こる子どもへの影響を理解して、保育や教育活動をすることができるか、だとにらんでいます。(誤解のないように記しておきますと。強制的に保育者や教育者に対して「外せ!」と言っているわけではないんです。国民病になる勢いである花粉症や、またその他さまざまな感染症流行期に予防対策として着用することだってあるでしょう。ただ、着用するとなると、さきほど述べた“印象”を与えないような努力はしなければならないでしょう。そして、もしも世間体を意識しているとなったら、そこは保育者や教育者は子どものために勇気をもたなくてはならないのかもしれません。)


~おまけ~

昨日、笠岡市定住促進センターへ「いくじもケーション」のプレ開催にあたっての反省会に参加しました。(昨年度3月に富岡保育園で育児部門が行われました。現場保育者たち、また保護者の方々、また地域の方々、ご協力本当にありがとうございました。)

反省会では、いくつか僕からも提案をしました。その1つとして「仕事と観光、そして育児をコラボした企画であれば、定住促進センターだけでなく、観光課、こども育成課の、課をまたいで協力した企画にしなければ、一過性のような、イベントのようなものになってしまわないだろうか。都心からの二拠点生活や、UターンやIターンを長期的にねらうならば、そこは絶対必要だと思います。そして、育児部門を受ける保育園や幼稚園やこども園も、富岡保育園だけでなく、複数園を確保をしなければならないと思います。そのためには、まずは他の課へのプレゼンと、そして協力を依頼する園や施設に対して、丁寧な説明をすることが大事だと僕は思います。」と、プレ開催地として責任をもって述べたつもりです。

今後、この「いくじもケーション」(育児+仕事+観光)プログラムが、笠岡市としてどのように展開されるか、楽しみでもありワクワクするところでもあります。

(余談になりますが‥反省会中に、笠岡市の市長さんが、フラリと定住促進センターへ寄って下さいました。いくじもケーションの話題を、チラリとふってみると‥知らなかったみたいでした。なので、まずはこのプラグラムの本格始動は、市の首長にしっかりプレゼンし理解してもらうことからなのかな、とも思いました。)

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鯉のぼり、目指して。
2023-04-08
実況パワフルとみほ村御台所会議

昨日、今年度初の『とみほ村御台所会議』を開催しました。

参加者は、栄養士1名、調理師2名、主任保育士1名、村上(司会)の5名でした。(一円対話)


実は昨年度後半からはじめた会議なんです。キッカケは、献立のマンネリ化などもありましたが、一番には、調理現場と保育現場と管理サイドの三者の意見の共有、そして「常に理念に向き合った食育活動になっているか」の確認を定期的にする必要を感じたからです。

ちなみに会のはじめには、会の掟を参加者で復唱します。ブログ読者もよかったら、どうぞ↓

「子どもも大人も地域も、互いに伸び合い、成長し合う“大きな家”でありたいという法人理念に基づき、園目標“遊べる子ども”実現に向け、“見守る保育”を学び、“笑顔と感謝の巡る暮らし”を実践し続けるコミュニティ運営に私たちは尽力します。」


(いかがでしょうか。お経のように毎日唱えてみると、覚えることができますよ。)


このたび、令和五年度。とみほ村の、村としての“こだわり”として【共食】を掲げました。

(“ともぐい”とも読めますが“きょうしょく”と読んで下さいね。)

なぜ【共食】にこだわるのか?それは、僕たちの心身には人類の700万年の歴史がつまっていて‥直立二足歩行を確立したり、集団を形成するめに社会性を養い、そして脳を拡大化するにあたって、【共食】の役割が非常に高かったからです。

(※詳しく知りたい方は、京都大学元総長 山極先生の著書をあさってみて下さいね。)

現代社会においては、この【共食】が非常にないがしろにされています、むしろ、どんどんと。孤食、個食、黙食。わいわいと賑やかに団欒し食事をする場面と対比するように、いかに効果よく早く必要な栄養源を補給するかに偏りつつある傾向があるのではないでしょうか。

とみほ村は「いつ、どこで、誰と、何を、どのように食べるか」に、こだわりを持ちたいと思っています。


例えば‥

夜中まで残業し、薄暗いアパートの一室で、独りで、自然栽培食品を、スマホ片手に芸能人の不倫ネタをチェックしながら食べる場合と‥

縁側で陽射しや風を浴びながら、また時には小鳥の鳴き声を聴きながら、大好きな友だちと、マク◯ナルドのハンバーガーを、わいわい賑やかにおしゃべりしながら食べる場合と‥

どちらが心身の幸せに思えますか?極端過ぎる例に戸惑いましたかね。

例えば‥

保育園で、大好きな友だちや先生と、ちゃぶ台を囲みながら、顔を合わせては挨拶する仲の地域の牛乳屋さんやお米屋さんや八百屋さんか持ってきてくれた食材を使って、抱っこもしてくれる先生が作ってくれたお昼ごはんを食べる、なんて、いかがでしょうか?

想像するだけで幸せになりませんか?

【共食】にこだわることで、ひとりひとりの幸せを守ることができ、それが社会全体の幸せにつながると思うんです。


このたびの『とみほ村御台所会議』の議題は↓

①新入園児さんと新人職員さんの状態について

②リニューアルしたガスレンジの感想

③4月の献立について留意した点

⑤5月の献立に向けての意見交換

⑥共食をより具体化するためには

などが挙げられました。

新入園児さん、新人職員さん、ともに新しい環境の中でのストレスを抱えながら、どれだけ食事をとることができているか。低年齢時であれば、食材の固さや大きさなどの調整を適宜求められます。

また、5月には「こどもの日」があるので、ささやかにお祝いするメニューや仕掛けができないだろうかと、意見も多く飛び交いました。

共食の具体化として、栄養士と調理師が、全園児の食事具合を把握しやすいような環境作りが努力ポイントとして挙げられました。また、今年度は、法人テーマである「高みを目指す」を意識して、食材や調味料などにも、よりこだわることが出来ないだろうかとの意見も出ています。


人間が人間らしく

子どもが子どもらしく

らしく育ち、らしく生きるために

とみほ村は共食にこだわります。

★ワンコインランチ(500円)ご希望の方は、なるべくご予約をお願いします。※団体の場合は、食材量の関係上、1週間前くらいにはお声かけ下さいね。

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寝転がって見ると、
より壮大に映る貝塚伊吹。
2023-04-07
老眼鏡をかけはじめた理事長から

今年度(令和5年度)に向けた、社会福祉法人伸成会スタッフ全体会議(スタートアップ会議)の中での、理事長(富岡保育園園長兼任)からのメッセージを、ブログ読者とシェアしたいと思います。


令和5年4月から、国は、こども政策に特化した「こども家庭庁」を発足させます。そして、その理念であったり、根幹部分として「こども基本法」を、これも令和5年4月から施行させます。

虐待の増加や少子化、ヤングケアラーなどの様々な問題が挙がっていることも発足の要因となっているのでしょう。

今まで、国は“大人にとってのまちづくり”をしてきました。ですが、これからは子どもの声を反映させた“こどもまんなか社会”を実現させるために、本腰を入れますよ、との意味合いもあるのでしょう。

では、「こども基本法」とは、どのようなものか?抜粋しながら学んでみましょう。

まずは、その目的です。第一条にこのように記されています。

この法律は、日本国憲法及び児童の権利に関する条約の精神にのっとり、次代の社会を担う全てのこどもが、生涯にわたる人格形成の基礎を築き、自立した個人としてひとしく健やかに成長することができ、心身の状況、置かれている環境等にかかわらず、その権利の擁護が図られ、将来にわたって幸福な生活を送ることができる社会の実現を目指して、社会全体としてこども施策に取り組むことができるよう、こども施策に関し、基本理念を定め、国の責務等を明らかにし、及びこども施策の基本となる事項を定めるとともに、こども政策推進会議を設置すること等により、こども施策を総合的に推進することを目的とする。


(※かなり小難しい文章を並べておりますが、頑張ってもう少し読み進めて下さい。fight‼︎)


続けて、その基本理念についても紹介しましょう。第三条にこのように記されています。

一 全てのこどもについて、個人として尊重され、その基本的人権が保障されるとともに、差別的取扱いを受けることがないようにすること。

二 全てのこどもについて、適切に養育されること、その生活を保障されること、愛され保護されること、その健やかな成長及び発達及びその自立が図られることその他の福祉に係る権利が等しく保障されるとともに、教育基本法(平成十八年法律第百二十号)の精神にのっとり教育を受ける機会が等しく与えられること。

三 全てのこどもについて、その年齢及び発達の程度に応じて、自己に直接関係する全ての事項に関して意見を表明する機会及び多様な社会的活動に参画する機会が確保されること。

四 全てのこどもについて、その年齢及び発達の程度に応じて、その意見が尊重され、その最善の利益が優先して考慮されること。

五 こどもの養育については、家庭を基本として行われ、父母その他の保護者が第一義的責任を有するとの認識の下、これらの者に対してこどもの養育に関し十分な支援を行うとともに、家庭での養育が困難なこどもにはできる限り家庭と同様の養育環境を確保することにより、こどもが心身ともに健やかに育成されるようにすること。

六 家庭や子育てに夢を持ち、子育てに伴う喜びを実感できる社会環境を整備すること。


(※ここまで目を通して下さった方、お疲れ様です。)


つまりは、これまで通り、伸成会は、ひとりひとりの子どもに対し、親だけでなく、わたしたちを含む社会全体で、そして乳幼児期だけでなく将来にわたるまで、責任を持って見守っていきましょう!!!


との、メッセージが、最近、老眼鏡をかけはじめた理事長から熱くスタッフ全員にとばされました。


上記の「こども基本法」に忠実に、そして責任持って取り組むための、伸成会の法人理念は以下の通りです。

『子どもも大人も地域も互いに伸び合い、成長し合う“大きな家”でありたい』です。


そして、その法人理念に対して、令和5年度、スタッフ全員のテーマとして【誠実】そして【高みを目指す】が掲げられました。

私利私欲をまじえず、真心をもって人や物事に対すること。

様々な情報を元にベストな状況を作り出そうと探求すること。

反対意見の中にも何か良いヒントがあるのではないかと思うこと。

人の意見に対して素直に耳を傾ける姿勢を持つこと。


以上、僕も含む、社会福祉法人伸成会スタッフ一同、また富岡保育園やクレヨンKIDSに関わる全ての方々と一丸となって、『こどもまんなか社会』を実現していきたいと思います。

ブログ愛読者の皆さまも引き続きご協力宜しくお願い致します。

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桜の花びらで浮力の実験
2023-04-06
45分VS揺り籠から墓場まで

昨日、笠岡市「こども育成課」と「学校教育課」が取り組もうとしている『架け橋プログラム実践研究』についての協力要請がありました。

目的は、「生涯にわたる学びや生活の基盤をつくる、5歳児から小学校一年生の架け橋期において、子どもの成長を切れ目なく支えていくために、就学前施設と小学校が共通の視点をもって取り組んでいけるよう、研修や実践に関する調査研究に取り組むこと」だ、そうです。


(※お堅い文章が、もう少し続きますが、お許しを。)

内容は、学びや育ちの継続性を意識した子ども観の共有。授業や活動を通した架け橋期の評価の観点の共有。さらには、授業等を通した子どもの交流活動の継続と発展。そして、架け橋プログラムの趣旨を生かしたカリキュラムの編成や指導計画の作成、などです。


ここまで、読み進めた下さった皆さま、ありがとうございました。なにぶん筆者自身が、プログラムだのカリキュラムだのというワードを苦手とするところがあって、なかなか文章に気持ちが入っていかないようでした。


さて、“架け橋期”って、なんだかカッチョいいワードが出ちゃっていますが‥

つまりは「保育園や幼稚園と、小学校はつながっていますよ〜。」「だから、保育園や幼稚園は、小学校入学をゴールにした保育をすることはないからね〜。」「小学校は、保育園や幼稚園での育ちを理解した上で、授業をしていこうね〜。」ってことなんだと思うんです。


ただ、言うは易しであって、架け橋にも障壁はありそうなんです。

まず、そもそもの障壁は“5歳児から小学校1年生”という期間にあるんじゃないでしょうか。やはり赤ちゃん期を理解したうえでないと、本当の切れ目のない支えは出来ないんじゃないでしょうか。

また、障壁の二番目として、いくら入学がゴールでないとしても、小学校では「45分」授業という単位が登場し、かつ、小学校の先生方は「45分」という単位に仕方がないことですが慣れてしまっているんです。「揺り籠から墓場まで」単位で、人生という大きな育ちの単位で子どもを理解して授業するのは至難の業かもしれません。

さらに、障壁と感じているところは、もしも保育園や幼稚園と小学校が相互理解することが出来たとしても‥つなげていく、保育園や幼稚園同士の相互理解が出来ていなければ、理解していこうとする小学校の先生方も戸惑いますよね。


以上の障壁と向き合いながら、架け橋プログラム実践研究が、ただの研究で終わらないように、富岡保育園・クレヨンKIDSも協働していきたいと思います。

※ひとつ、提案してみたいものとして、『夢みる学校』という、監督オオタヴィン、制作まほろばスタジオの映画を、笠岡市内の保育・教育関係者で一緒に見ることです。すると、もしかすると、障壁が緩和したり、架け橋がただのカッチョいいワードで終わらないのではないかと‥。


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2023-04-05
たくさんのご寄付に感謝

最近のことだが。ご近所さんや、そのお知り合いさんからのご寄付が、連日のように届くのです。

つぶらな瞳が印象的な愛くるしい塗り絵「きいちのぬりえ」が、幾冊かと。

笠岡市も含まれていた備中国の偉人たちが描かれた「備中先人かるた」。

シートン動物記や、グリム童話などを含む、児童文学書が、50冊ほど。

どれも、大切に扱われていた想いの込もったものであることは、一目見たら分かるのです。

引き続き大切に使わせてもらおうという気持ちは、もちろんのこと。ご寄付して下さった方々からの「園児に、文化的教養を」とのメッセージを察する気持ちと、両方をスタッフで共有したいと思っています。

ご寄付して下さった方々、誠にありがとうございました。


さて、新年度スタートを切ったところで、いつも富岡保育園に新鮮な野菜や果物を届けてくださる、富岡北地区の「ヒロツネ商店」オーナー様が、あるつぶやきを残していかれました。

「村上先生、富岡保育園は、最近は、新年度、4月って言っても、いつもとあまり変わらないですね。むかしはよく、泣いて仕方がない子どもも多かったように記憶するんじゃけど。」

このつぶやきを、考察すると‥むかし⁉︎のように、4月にどっさり、新入園児が入園しなくなったことが原因の1つに挙げられるんじゃないかと。これは、笠岡市の少子化と、産休育休制度の整備がととのいはじめたことなどが要因にあるじゃないかと推測できます。

考察の2つ目としては、むかし⁉︎のように、最近は、新年度スタートだからといって「肩肘を張らない」保育内容になっているからじゃないかと。入園式や進級式なども行いません。クラスごとに集まって新入園児の紹介なども行いません。

行わなかったら、お祝いできないか、困ったりしないか、と言われれば、そうでもないんです。

式の形式をとらずとも、入園や進級の当日には、登園すると、各家庭や園児ごとにお祝いの言葉を伝えます。クラスごとに紹介せずとも、子どもたちはいっしょに遊んだり、気になったりすると「なぁ、名前、なんていうん?」って、子ども同士で聞き合い、またそれを友だちに伝え合っています。

もしかすると、入園式や進級式などを行われなれけば、新年度のスタートをきることができないと、錯覚⁉︎誤解⁉︎思い込んでいただけでは‥。

よくよく考えてみますと、大勢の前で紹介されたりしますと、運営サイド(大人)は、「これで、喜ぶだろう」と満足するところがありますがね。紹介される身(子ども)としては、とびっきり緊張しますよね。式という形式の、あの独特な雰囲気のなかでは、逃げ出したくなることだってあるんじゃかいかと思うんです。

つまりは、そんな緊張感や雰囲気なんかを味わっちゃうと、当然、泣いて仕方がなくなるよねってことですし。味わなければ、なるべくいつもと変わらずでいられるってことです。

なるべくと付け添えたことには、理由があって。新入園児であろうと、進級園児であろうと、新しい保育園、同じ保育園であろうと、なにかしらの環境の変化を皆が感じ取っていることは確かなんです。その感じ取っている気持ちに、どれだけ丁寧に寄り添うことができるか、が保育者の務めなんだと思いんです。


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新年度、園児やご家庭だけでなく、スタッフも新しい仲間が増えています。富岡保育園・クレヨンKIDSともに、新しい風が吹いております。ブログ読者も含め、あたたかく見守ってくださいね。宜しくお願い致します。

あたらしい気持ちで
2023-04-04
子どもをわいせつ被害から守る

子どもをわいせつ被害から守るため、過去に性犯罪歴がある人は保育や教育などの仕事に就けないようにする制度づくりが進められています。

英国の取り組み(DSB)を参考にし、公的機関が発行する「無犯罪証明書」を就業先に提出することが想定されます。

ただ、まだまだ課題点はあって、職業選択の自由や、また犯罪加害者の社会復帰の妨げになるのではないかとの指摘があったり。また、証明書の提出が必要となる職業の範囲を、保育士や教諭などの国家資格者だけでなく、ベビーシッターや放課後児童クラブ指導員など多岐にわたらせるか、などが挙げられています。


富岡保育園でも、この件について、当事者中の当事者として配慮や対策をとっていきたいと思っています。

なにせ、富岡保育園では、保育園という枠から“村”というコミュニティに作りかえているところがありますから、それは様々な方々が集い合う場になっています。それによっての愛や安心感とは別に、園児を預けて下さる保護者に、不安を与えてしまってはならないんです。

そのためには、どのような対策をとることができるのか。まずは、職員と様々に集い合う方々とで『信頼関係』を築くことが絶対条件です。それは丁寧な挨拶やコミュニケーションなどでしか図ることはできないんだと思います。

また“性”について、倫理観や意識を再度改め直さなくてはならないと思っています。身体的と同じように心的な面も含めて現代の正しい知識であったり、さらには配慮や対策が必要とされています。

“子どもだから”という思考回路から、“子どもだからこそ”と、より襟を正し、具体的かつ毅然とした配慮や対策をとっていきたいと思います。


昨年度、「見守る保育」を共に学ぶ、県外の保育施設長様からも、“性”に対して考慮された保育実践のアドバイスをいただきました。ブログ読者も含め、一切の遠慮なく、さまざまなご指導ご鞭撻のほうを宜しくお願い致します。

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2023-04-03
さらばヒーローたち

年末年始といった“区切り”では、「良いお年を」そして「あけましておめでとう」なんて言葉を交わしながら、気持ちを改めたりするものですよね。

それでは、年度末、新年度といった“区切り”では、いかがでしょうか。もちろん「今年度もお世話になりました。来年も宜しくお願い致します。」なんて言葉を交わしながら、気持ちを改めたりするものですが‥学校では学年があがったり、会社では部署が移動になったりなど、“環境”が変わることで、気持ちを改めざるを得ない状況になるかもしれません。


富岡保育園にも、そのような状況になった方々が、年度替わりのタイミングで、挨拶に足を運んで下さいました。

ひとりは、富岡保育園が所属する社会福祉祉法人伸成会が、同市内の社会福祉法人天神会が運営されている小規模保育園クレヨンKIDSを委託されるにあたって、法人同士の“架け橋”となって、事務だけでなく様々な調整をして下さった、天神会本部の清水さん。このたび、退職されるということで、御礼であったり、また今後の活躍などを期待する言葉を述べて下さいました。僕たち伸成会としても、はじめての委託事業参加であったので、いくたびの失礼や迷惑をかけたのかと思いますが、そのたびに清水さんが取りはからってくれたんですね。クレヨンKIDS1年目が無事に運ぶことができたのも、まさに影のヒーローばりの清水さんのおかげでもあるんです。本当に感謝でしかありません。

そして、ふたりめ、2組目と言いましょうか。毎年、冬に富岡保育園、富岡北地区に、優しい光、イルミネーションを灯して下さる、笠岡工業高校の「笠工テクノ工房」を仕切っておられる林先生、そして校長先生のお二人。このたび異動になったそうで、今までのお礼や思い出を述べて下さいました。林先生とは、イルミネーションの打ち合わせだけでなく、笠岡市内で保幼小中高の連携などの一環としてのあいさつ運動なども含めて、お会いする機会がたくさんありました。工業の生徒たちへの熱い指導には、僕も背筋が伸びる気持ちにもなりましたが、反面、富岡保育園の園児に対しての、お茶目な接し方には、こちらも笑顔にならざるを得ないものがありました。“先生”としての学生や園児への振る舞いに、たくさん学ばせていただきました。本当にありがとうございました。

それでは、年度替わり挨拶、最後に紹介する方は‥実は、異動にあたっての諸々で、ご本人はどうしても来れない事情があって、その上司の方が代理で、わざわざ足を運んで下さったんですね。そのご本人とは‥富岡保育園ではスーパーヒーローとして、この2年間君臨しておられた、笠岡警察署の下神さんです。富岡交番勤務時代から、週に何度も、富岡保育園前の横断歩道の見守りをして下さったり‥また、交通課になられても、月に何度も見守りに足を運んでくださいました。昨年は、パトカーを富岡保育園内に乗り入れて下さり、子どもたちに試乗の機会を下さり、夢を届けても下さいました。わたくし、個人的には、村上太志が毎週生放送で届けていたラジオ番組にもゲスト出演もして下さり、これほど地域の警察官の方と真摯な距離感で仲良くさせてもらったのは初めてでもありました。下神さんの目標である、白バイの免許も無事取れたとの報告を受け、新天地でのご活躍を祈っております。本当に、子どもたちに「正義のヒーロー」のカッコよさを伝えてくださり、本当に本当にありがとうございました。


富岡保育園でも、また富岡公園や徳民於賀神社でも、桜が咲き誇っています。うれしい気持ちにもなりますが、出会いや別れへの、どこか切ない気持ちにもなる、そんな年度末、新年度でもあります。

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2023-04-02
センスのいい人が、していること

センスのいい人は、何が違うのでしょうか?

ファッションセンスやインテリアセンスのいい人というと‥美的な感覚のよさを思い浮かべますよね。

では、ビジネスセンスや野球のバッティングセンスは、どうでしょうか?

商売が上手、打撃が上手なのはもちろんですが、ただ上手なだけでなく、やはりどこかに“美しさ”を内包しているように思いませんか?

結果がいいだけではなく、その過程に“心地よさ”があるようなことかもしれませんよね。

言い方を変えれば、強引さや力ずくではない“感じのよさ”があることかと。

ファッションやインテリアに関しても、そして暮らし方や生き方に関しても、チカラを入れすぎず、さりげなく素敵なBetter Lifeを送る。

多くの人が“感じのよさ”を覚える美意識の持ち主が、センスのいい人ではないしょうか?


ある雑誌(&Premium)の、一節を抜粋させてもらったのですが‥この一節を引用させてもらいながら、『子育てセンス』であったり、『保育センス』についても考えてみたいと思うんです。

本日、4月1日は、富岡保育園では新年度スタートをきった日でもありました。現場保育者たちが新しく入園する親子や、進級する親子を祝福する環境をほどこしていました。

そのひとつに、玄関前に手作りのお祝いボードを作成していたんですね。

すると、ある親子は、玄関前で足を止め、そのお祝いボードを、じっくり丁寧に見ていました。そして、親子で感想を言い合ってもいました。

「ねぇねぇ、ここにモグラさんがいるよ。かわいいね。」

「ほんとじゃ~。ねぇねぇ、ママ。こっちにはツクシがあるよ。かわいいね。」

玄関前で、誰も聞いていないであろう場所での、さりげない、なにげない会話に、「素敵だな、感じがいいな」なんて思ってしまいました。

もしかすると、このシーンの中に『子育てセンス』のよさのヒントがあるんじゃないかと。

ちなみに、このお子さまは、進級にあたっての喜びを、僕にこのように表現してくれました。

「ねぇねぇ、むらかみ先生、ちょっと、耳かして。」

「あのな、エジソン(進級した5歳児class)になったけんな。らんらんピクニック(5歳児class限定の月一イベント)の時、いっしょに食べような。」

と、小さな小さな声ではありますが、とてもイキイキした、進級した喜びをかみしめるように伝えてくれました。


さて『保育センス』のいい人とは、どのような人を思い浮かべるでしょうか?

子どもたちの成長や発達を完ぺきに把握し、そして保護者に対しても完ぺきな伝達をすることができ‥ピアノを弾かせればピアニストのように‥子どもを楽しませるテクニックもピカイチ‥もちろん世間一般から見ると、保育上手のように思えますが、『保育センス』となると、どこか違う気がするんです。

やはりその中に、チカラを入れすぎず、さりげなく、感じのよさを覚える美意識の持ち主に、『保育センス』のよさを感じると、僕は思うんです。


ブログ読者にとっての、子育てセンスのいい人、保育センスのいい人とは、どんな人を思い浮かべますか?

ものごとへの姿勢、言葉選び、装い、立ち振る舞い、そして生き方。

また教えてくださいね。

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ガスレンジを交換しました。
2023-04-01
“見守る”のヒント

「見守る保育の“見守る”って、どうゆう風にすればいいのですかね?」なんて、質問されますと、僕なんかは、さらりと答えにくいところがあるんです。なぜかって、答えがないと思っていますし、日々“どうゆう風にすればいいのだろうか”と探究してしていくところに、見守る保育の旨味がつまっているとも思っているからです。

それでもどうしても‥「見守る保育の“見守る”について、なにかヒントが欲しいのですが?」なんて質問を重ねられると、僕は、このように答える、もしくは質問を返すかもしれません。

「例えば、あなたが行きつけにしているお店のオーナーや店員さんは、どうゆう風に振る舞われていますか?」


僕には、行きつけにしている珈琲店があります。あらゆる類の事情が重なったりしますと、無理にでも予定を空けて訪れるようにしています。

僕はたいていドリップコーヒーのホットの“ケニア”を注文します。たいていとは、ほとんどの確率でということで、稀にコロンビアだったりインドネシアなんかを注文することもあるってことです。その日の気分めいたところが理由にあるのでしょうか。

カウンターで注文する時に、僕は必ずじっと注文表と、にらめっこします。そして数秒、数十秒後に「ケニアをお願いします。」と発します。その時、行きつけの珈琲店のオーナーさんは、じっと待ってくれているんですね。せかすわけでもないですし、ケニアと聞いても、あたかも「ケニアって言うと思ってたよ」なんて素ぶりもしないんです。

そして代金を払い終えると、席に座り、店内をぐるりと見渡すんです。かなりの頻度で通っているので、店内のレイアウトなんて、そんなにしょっちゅう変わることはないんです。けれども、その店内、明治時代に建てられたものを、なるべく残しつつある店内の雰囲気が好きなのでしょう。通うたびに、ぐるりと見渡すたびに、その店内の雰囲気が好きになっているんです。

さて、その間にオーナーさんは、珈琲をドリップしているのですがね。とても集中して淹れているのが素人の僕にでも分かるんです。数えきれないくらい淹れているだろうから、その淹れ方のコツなんて分かっているだろうし、そこまで研ぎ澄ます必要があるのだろうかと思うほどにです。淹れている最中にもしも、お客さんが入って来られようと「今、珈琲を淹れているので、しょうしょうお待ち下さい」とね、丁寧に言うわけです。

それだけ神経というものを研ぎ澄ましたであろう、珈琲は、素人の僕からしては、格別に美味しく思える、感じるのです。なので、僕は格別に、あますことなく味わおうするのです。コーヒーカップを持ち上げると、まずは熱々とした蒸気に包まれた香りを、存分に鼻から身体に取り込みます。この場面をもしも目撃してしまったら、かなりの変態ぶりに驚くかもしれません。が、それだけで身体の隅々までで蘇ってくるのです。

そして、その香りを存分に取り込んだ後には、ひとすすり、ゴクリと飲むわけです。ひとすすり、ただゴクリと飲むだけで、僕は天を仰ぐようにして、目を瞑るのです。そして一切の事情なりなどが消えては整理整頓されていくのです。

この一連の、変態ぶりに、オーナーさんは、一度もチラリとコチラを見ることもなく、フランス語のラジオを聞きながら、お仕事をされているのです。が、もしも、例えば僕が「すみません。このコーヒーカップって、どこであつかっているものですか?」なんて質問すると、それは具体的に教えてくれるのです。


いかがでしょうか。見守る保育の“見守る”について、なにかヒントを得ることができたでしょうか?

行きつけのお店になるってことは、それだけ“居心地の良さ”を感じていることになりますよね。あなたにとっての居心地の良さは、どのようなものでしょうか?

例えば、もしも僕が通う珈琲店のオーナーさんが、僕が注文表とひらめっこしている時間に、間髪入れずに「ケニアにしますよね?」なんて言ってみたり‥珈琲を淹れながら、あっちゃこっちゃと他の業務をしていたり‥僕が香りを存分に身体に取り込んでいる最中に「なにしてるんですか?ハハハ」なんて、ツッコんじゃったり‥するとね、格別に思ったり、感じたり、ぐるりと見渡したり、あますことなく味わおうなんて、出来ないんじゃないかってね。


今日は、久しぶりに早朝に保育LABOにて、行きつけの珈琲店「辻珈琲」で購入したお豆を、ぐりぐりと。そしてドリップして飲んでみたところ、珈琲話しに花が咲いてしまいました。

富岡保育園が、園児や保護者、地域内外からの「行きつけ」になるには、“居心地の良さ”が大事であることは言うまでもありません。つまりは、行きつけとして通ってくれる方が多ければ、それだけ“見守る”が体現されていると言ってもいいのかもしれません。


※今年度、ワンコインランチに参加して下さった方は、延べで約300人でした。リピーターの方も増えているようで、来年度も、より“見守る”を体現し、そして“居心地の良さ”を探究していきたいと思っております。

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新年度へ向けたスタートアップ会議
2023-03-31
数奇な運命を生きる怪人物の奇跡

数奇な運命を生き抜いている怪人物の履歴書の一部を描く。

彼女は、いわゆる主婦として家庭を守りながら、ある保育園でパートタイマーとして働いていたそうです。お子さまはと言えば、幼稚園や小学校に通っていたのでしょう。

お子さまが大きくなるにつれ、少しずつ少しずつ働く時間も増えていくなか‥その持ち前の社交性であったり、バランス力を活かし、園内では、仲間たちをつなぐ潤滑剤的存在になりました。

人柄をあらわしてみると、非常に『感動屋』でありながら、それでいて他者の気持ちに気づき過ぎるほどに『繊細屋』なのでしょう。それが功を奏する時もあれば、潤滑剤としての本人の消耗になっていたこともあったのではないでしょうか。

さて、さらにお子さまが大きくなると、彼女は、ある保育園では活躍をせざるを得ない状況になっていきました。彼女が働く、ある保育園ではコミュニティとしての大改革を起こっていました。大改革とは、もっぱら大袈裟なものではなく、天地がひっくり返るんじゃないかほどのものです。

昨日までは、トラブルが起これば、両者に意見を聞き取り、そして両者で「ごめんなさい」を述べさせて「はい、チャンチャン!」と結論づけていたものが‥

突然、両者の特徴や気分や発達段階などを見極めながら、適当な距離で両者を見守り、そして「どのような展開になるだろうか!?私はその時、どのように振る舞おうか!?」と結論づけずに伴走するものになったのです。

そうなると、当然、コミュニティ内は混乱するわけです。そして、必然的に潤滑剤的存在が求められていくのです。

彼女は、持ち前の『感動屋』と『繊細屋』、その人柄で、コミュニティ内で大きな人望を得ていました。ある保育園で、主任という立場になろうとも、本人の自覚の範囲以上に、コミュニティに大きな貢献をもたらしていくのです。

大改革で、揺れ動く仲間たちの大きな受け皿になりながらも、その天地のひっくり返りようにも、ひょんに納得するんです。彼女のおもしろいところなのでしょう。ひっくり返りに、ちゃんとビックリするんです。が、けれども、一夜明けると、どこかで納得しているところがあるんです。そして気づけば、そのひっくり返り様を、すぐに実践に移そうと努力するんですね。

余談なようですが、彼女の、その大きくなっていくお子さまたちは‥ひとりは非常に聡明な青年なのです。時にその聡明さは、彼女の働く意欲にカンフル剤のように作用するのです。そして、もうひとりは、彼女に似たところがあるのでしょう、非常に仲間想いなのです。どれくらい仲間想いであるかは、例えば学生時代に部活動でマネージャーとして活躍されていた頃‥ある重要な試合前に、夜な夜な手縫いの御守りをチームの仲間全員に作るほどです。


お子さまたちの成長と、そして彼女自身の成長が、とても上手い具合に、白と赤を混ぜ合わせるとピンク色になるように、感動屋の涙と繊細屋の涙がコミュニティにあたたかいピンク色の血を巡らせていきました。

そして、彼女は、現在、ある保育園が携わるようになった、もうひとつの、ある保育園の園長先生になったのです。ここでも、本人の自覚の範囲以上に、コミュニティに大きな貢献をもたらしていくのです。


パートタイマーからピンク色の人望をもつ園長先生となっていく怪人物の物語から、すこし話しを逸らします。

社会福祉法人伸成会、富岡保育園が今年度から携わるようになった、同市内の社会福祉法人天神会の小規模保育施設「クレヨンKIDS」での話しです。

各種の事務手続きなどは、富岡保育園の事務長も行いますが、天神会の事務方とも行います。

事務手続きといっても、保育園での事務手続きなどは、パソコン内や数字だけでは推しはかれないところが非常に大きいのですね。クレヨンKIDSの園長先生は、天神会の事務方と、それはどのようにかで保育現場を見てもらい、そしてその想いを伝えたのでしょう。それはもしかすると感動屋のようで繊細屋のよう、だったかもしれません。

その想いが、もしかするとピンク色の血のように伝わったのでしょうか。その事務方のご家族が、なんとクレヨンKIDSに見学に来たんだそうです。菓子折り片手に、「素敵な保育園ですね」と、それは目を輝かせながらです。

ここで、声を大にして発しておかねばなりません。委託元の、事務方の、そのご家族が、見学に来るだなんて、こんな奇跡は、ちょっとやそっとじゃ起こらないですよ。


さて、ピンク色の人望を持つ怪人物とクレヨンKIDSの園長先生の話しが、ごっちゃになりかけ、もしかすると「同一人物!?」とツッコミたくなったところで、今日のブログを閉じたいと思います。

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2023-03-30
ご卒園おめでとうございます。

“なめたけ汁”の好きな子ども(今日無事卒園しました)との、ちょうど昨日、卒園式前日の“なめたけ汁っぽい、とろりとした甘さのある”エピソードです。

※富岡保育園では、卒園式のことを「またねの会」と称しています。


お昼ごはんを食べているところに通りかかると、その、なめたけ汁の好きな子どもから呼び止められました。「村上先生、ちょっと来て‥。」という具合にです。

普段からよく呼び止められるのですが、なんだかいつもと違ったようだったので、しっかり足を止め、腰をつけて立ち寄りました。

もちろん、「どうしたの?」と聞けばよいのですが、表情を見ると、困った風に見せては、なめたけ汁の好きな子どもは、笑みを浮かべていたのでね。僕も笑みを浮かべて隣に座るだけにしました。


隣同士で笑みを浮かべる時間というのも悪くないもので。

そんなひとときの合間に‥茶碗やお椀、お皿の中をチラリと覗くと、ほとんど空っぽだったんです。だったのですが、困った風に見せたところから察してみたところ‥加えて、なめたけ汁の好きなこのたび卒園する子どもとの、この5.6年を総じてみたところ‥

僕は、なめたけ汁っぽい言葉をかけることになりました。

「あつまれ、しようか?」

“あつまれ”とは、茶碗やお椀、お皿に残った、ご飯粒や、おかずの端くれなどを、かき集めることを意味します。つまりは、よく年少児などの箸やスプーンの扱いが不慣れな子どもたちへの補助のようなものです。

ただ、もちろん、なめたけ汁の好きなこのたび卒園する子どもは、その“あつまれ”なんて、他愛もなく自分で楽々とできるんです。

できるんです。できるんですけれども、卒園式(またねの会)前日には、「うん。あつまれ、して。」なんて、返答になるんです。


普段ならね、「自分で、あつまれしてよ。」と言うところなのですが、いろいろと察してみたところ。僕は隣同士で笑みを浮かべながら、お皿に残ったおかずの端くれを、あつめて、そして、なめたけ汁の好きなこのたび卒園する子どもに渡しました。

するとね、やっぱり、なめたけ汁が好きなだけに、さらに、とろりと甘さのある返答なんです。

「え!?“あ〜ん”してくれんのん?明日、卒園するのに?」


本日、富岡保育園、5歳児classエジソン16名、無事卒園することができました。本人たちはもちろん、日々向き合って下さった保護者様、そして、その時々で寄り添って下さった現場保育者、また地域内外の様々の方々のお陰でもあります。

僕はですね、まったく心配なんてしてないんです。すごい自信をもって、16名をおくり出しました。なぜなら、それぞれに“たくましく”“しなかやに”育っているからです。

そして、なにより、その育ちにはたくさんの味方がいるからです。重ねて言うと、僕も、その16名の一生の味方です。

あらためて、ご卒園おめでとうございます。また、なにかあった時でも、なにもない時でも、いつでも、どんなときでも、富岡保育園へ帰ってきて下さいね。待ってるよ。


~とろりとした甘さのある、おまけ~

“あ〜ん”は、しましたね。


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またね。
2023-03-29
家庭と保育園と副園長ブログ

職業を聞かれるとね、「ブロガーです。」と言ってしまうほどに、自己満足に副園長ブログを綴っている日々ですが。たまらなく嬉しくなることとして、ブログ読者が、「〇〇の回のブログの、〇〇がとても面白かったです。」なんて具体的に感想を言われちゃうと、つい頬がほころんじゃいます。


今日、ある保護者の方、付け加えると、あるブログ読者の方から、具体的な感想をもらったんです。

「うちのA君が、最近、家で保育園の友だちの名前を言うようになったんです。それで、C君の名前を言うときには、きまって“C君とおじいちゃん”って言うんです。きまって“C君”と“おじいちゃん”をセットで言うんです。」

「なんでだろうかな〜?と思ってたら‥副園長ブログを見ていると“C君とおじいちゃん”のエピソードが載ってて‥(3月11日「つかず離れずを繰り返す」)だからか〜!と、納得したんです。」

「それで、今日、園庭を見ていると、たまたま“C君とおじいちゃん”が“つかず離れずの距離”で、セットで歩いているところを見て‥このことか〜!と、つい笑ってしまったんです。」


ある保護者の方、もっと言えばブログ愛読者の方の、我が子だけでなく、とみほ村みんなのことを気にかけてくれる、その愛ある姿勢に、本当に感謝しています。

そして、うちのA君、2歳児のその的確な観察眼に、本当にビックリしました。友だちや、その周りの状況や関係性をきちんと把握しているからこその、“C君とおじいちゃん”セット呼びなんですから。


家庭と保育園とブログの連動エピソードなんて、副園長ブログのネタとしては、頰が落ちるほどに美味し過ぎるものです。大好物ですので、是非是非、連動エピソードありましたら、こっそり副園長までお教え下さい。宜しくお願い致します。

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※本日、委託事業である小規模保育園クレヨンKIDSで、園児の1年間の成長を祝う「みんなおおきくなったねの日」が、無事開催されました。参加して下さった保護者様、また協力くださった社会福祉法人天神会の皆様ありがとうございました。

2023-03-28
どっち!?でもない!?話!?

「どっちが正解とかでない話」を2つしてみたいと思います。

1つ目。今日の午前中に、市内の各小学校へ就学児の伝達をしに行ってきました。実は個人的には初めてなものだったので、どういった具合にするんだろうかなと。

学校ごとに違ったことは、対面する学校の先生の人数です。1人のところもあれば、3人、多いところで4人と向かい合いました。なんとなく雰囲気からすると、保育園の先生、つまりは僕が就学する児童の、なんやかんやを要点をつかみながら話すのでしょう。けれど、僕の場合は「なにか聞きたいことがあれば質問をお願いします。」と、質問返しのような形をとってしまいました。

学校の先生から、あらゆる視点、例えば友だち関係だとか、文字への興味だとか、さまざまに質問をしてもらったのにも関わらず、僕が出したほとんどの答えは‥「だいじょうです!なんとかやると思うので、心配ないですよ!」

これね、適当に答えた訳ではないんです。どちらかと言えば、僕は学校の先生に“先入観”を持たれないように答えたつもりなんです。

どっちが正解だとかでないんだと思うんです。あらかじめ、僕から見たその子どもの能力やら性格やらを、事細かく伝えて、学校の先生に心配なりをしてもらうパターンと。逆に、必要最低限の情報を伝えて、僕の個人的主観は伝えずに、学校の先生に新鮮に見てもらうパターンと。

どっちが子どもにとって幸せなんでしょうね。


さて、2つ目を急ぎ足で伝えますね。なぜかって、そろそろ本日22時を迎えようとしているじゃないですかね。

2つ目は、卒園式の練習についてです。富岡保育園では明後日29日に、「またねの会」と称して、卒園児をお祝いし、送り出します。

明後日に控えたとしても、今日の富岡保育園、卒園児、先生たちは、いつもといたって変わらず。ビールケースを組み合わせて秘密基地を作ったり、アトリエでなんだかんだと製作してみたり。

これも、どっちが正解だとかでないんだと思うんです。10年くらい前には、富岡保育園でも、卒園式の練習をしていました。回れ右だったり、一歩前だったり、卒園証書をもらう練習を何度もしましたし。卒園の歌の練習も何度もしていましたしね。

逆に、まったくせずに、いつも通り過ごす。そうすると、卒園までの昂る気持ち、寂しくなる気持ちが高まらないかって言えば、そうでもないんです。練習をせずとも、卒園児は、卒園をそれぞれに気にしては、会話の中で感傷に浸ってもいます。

どっちが子どもにとって幸せなんでしょうね。

ブログ読者はどっち!?


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2023-03-27
犬養毅さんと大原孫三郎さん

ドスン!

まさに、とみほ村全体が揺れました。その衝撃たるや、心の臓まで届くほどでした。

昨日、とみほ村のお庭の木々を、倉敷市で造園業を営まれている寿久園さんに剪定していただきました。木々の種類や特徴などに合わせて、それは細やかにです。散髪したての爽快感ほどに、木々たちも非常に喜んでいたように映りました。


そして、この度、剪定と合わせて、あることをお願いしていました。子どもたちの遊びに刺激が生まれるような、アクセントをお庭にほどこして欲しいと。

実はかれこれ1年前くらいには依頼していたものですが、寿久園さんの考えるアクセントは、そう並大抵のものじゃなかったようです。

造園業は、自宅などの規模から、美観地区や川沿いの土手、また大きな工場などあらゆるところでご活躍されています。そして、その活躍中にも「富岡保育園のお庭のアクセント、どんな感じがいいかな〜?」と頭の片隅に入れて下さっていたんです。

そして、このたび1年越しに、寿久園さんが考える並大抵でないアクセントがほどこされることになったのです。

そのアクセントとは‥。冒頭にも綴ったように、ドスン!と揺れるほどの、心の臓に衝撃がきたるほどのものでした。

そのドスン!との衝撃音は、歴史の重みが成せる業だったと、振り返ると思いました。

とみほ村のお庭に、ダンプカーに乗せられた巨木が投下されたのです。

この巨木、エノキという木の種類なのですが‥どこからやって来たかと言えば、倉敷市の美観地区も沿う倉敷川の土手沿いからになります。樹齢100年を超える、その巨木は役目を終え、切り倒されることになったのです。

なのですが、その切り倒された巨木に、新しい役目が与えられたようなのです。それは「笠岡市とみほ村の子どもたちを守る」ことのようです。


新しい役目を司った巨木のその歴史に、本日のまとめとして触れておきたいと思います。

その“歴史の重み”が、心の臓に響く衝撃音を成せたわけですが‥この巨木には、日本の歴史を変えた人物たちが、それは活力を得るために見上げていた姿が浸透しているのです。

倉敷中央病院や中国銀行、中国電力などの立ち上げに尽力された大原孫三郎さん。また内閣総理大臣を務め、「話せばわかる!」と五・一五事件で銃弾を浴びた犬養毅さん。それらの活力が宿った巨木なのです。

休み明け、子どもたちが、その活力を得ることで、さらにエネルギーに満ち溢れた遊びが展開されるのでしょう。

寿久園さん、並大抵でない歴史の重みのあるアクセントを誠にありがとうございました。

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お庭にアクセントを
2023-03-26
素敵な3つの学びを紹介しますね

「笠岡市定住促進センター」企画の「いくじもケーション」(育児+仕事+観光)が、この3月にプレ開催されています。富岡保育園は“育児”のところで協力させてもらっています。

都心部からの参加親子と交流することで、また新しい気付きなどが得られ、保育の質向上にまたとないチャンスとなっていることも報告しておきたいと思います。


先日参加された親子のエピソードを3つ紹介します。

1つ目。参加された親子は、見た目が外国人のようでした。園児がおもったまんまを問うのですね。「ねぇ、どこから来たん?外国人?」

すると、お父さんが非常に素敵な答えを出してくれました。「東京からだよ。何人か!?“地球人”だよ。」

このような大きく広い感覚を、園児はもちろん僕たち保育者も持ちたいと思いました。


2つ目。初日に富岡保育園からゲストハウスに帰る際の出来事です。参加してくれた2歳くらいの女の子が、帰ることをしぶっていました。そしてちょうど僕がその場面に出くわしたんですね。

すると、お父さんが、このように説明してくれました。「先生、ちょっと待ってくださいね。実はAちゃん(2歳くらいの女の子)に、保育園から帰ってゲストハウスで泊まることを、きちんと説明できていなかったんです。なので、これから、きちんと説明しようと思うので、ちょっと待ってくださいね。」

そして、数分ほど2歳くらいの女の子とお父さんが話し合うと、2歳くらいの女の子は納得した表情で帰り支度をはじめていました。

この場面って、案外と、僕たち保育者でもおろそかにしがちだと思うんです。ついつい「2歳だから詳しく説明しても分からんじゃろ」と思いがちになっちゃうところなんです。

けれどもお父さんは、2歳くらいの女の子を“2歳くらい”と区別することなく、“ひとりの人”として敬意を持って接しておられました。


3つ目。富岡保育園をあとにし、次のプログラム地点である白石島へ向かう前日のことでした。天気予報を見ると、島へ向かう当日は雨の予報でした。なので僕はこのように参加された親子に声をかけました。

「明日、雨っぽいですね。船も無事でればいいですけど。少しでも晴れたらいいですね。」

と、雨の予報を残念に、そして心配する声をかけました。すると、参加されたお父さんがまたまた素敵な答えを出してくれました。

「雨だったら、雨のときの景色を楽しみたいと思います。」

まさにその通りですし、その言葉に感動さえおぼえました。是非、またその素敵な感性で“とみほ村”にかえってきて下さいね。その時は「おかえりなさい」とお声をかけたいと思います。

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2023-03-25
今日も二層式洗濯機はフル稼働!

雨上がり、生暖かい空気に包まれ、踏み締める地面は、ぬるりと滑ってしまいかねないほどに、ぬかるんでいます。

と、言うことは‥

と、言うことは‥

重ねて答えを述べるってことは、確信があるってことです。

今日の、とみほ村は、間違いなく、えらいこっちゃになるってことです。

“えらいこっいゃ”なんて表現は、僕の個人的な感想です。子どもたちにとっては“わんだふる”なんて表現かもしれません。そして現場の先生方たちにとっては“どんとこい”なのかもしれません。

生暖かい空気に包まれ、そしてぬかるんだ地面を目の前にすると、つまりは“泥んこ”遊びが大盛況になることは必至なのです。

まず、間違いなく二層式の洗濯機は音を荒げながらフル稼働するでしょう。泥んこで汚れた衣類や靴を手洗いする現場の先生方の手捌きは愛を荒げながらフル稼働するでしょう。

“いま”しかできない体験、“ここ”でしかできない体験を、先生方は必死に守っているのです。

『子どもが子どもを生きる』ためには、“いま”と“ここ”を守る人の存在が絶対条件です。

現場の先生方、いつも“どんとこい”と、大きな愛で子どもたちを包んで下さり誠にありがとうございます。


~おまけ~

昨日の夕暮れ前。ほんの、ぬかるんだ地面を一生懸命と掘っている子どもたちがいました。

なにかを、こしらえているには、少し掘りようが違いました。それは、どこか何かを探しているような掘りようでした。

ひとりの女の子が探し物の名前を連呼していました。「ダンゴムシ、どこかな?」

ちなみに、ひとりの女の子だけでなく、2、3人の子どもが同じように連呼していました。

見かけた僕としては、さすがにダンゴムシが地面の中にいるとは思えずに、ついついと質問してしまいました。「そんなところに、ダンゴムシおるん?」

すると、ひとりの女の子が、確信を持って答えてくれました。

「きのう、ここに〇〇君が、たくさんダンゴムシを、ここに逃したんよ!だから、ここらへんにダンゴムシがたくさんおるはずなんよ!」


その確信には、間違いがなさそうです。

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ダンゴムシ、どこかな?
2023-03-24
持ち込み企画、大歓迎!

「高野山真言宗 大日如来 吉祥院」という、富岡北地区にあるお寺から、ご住職が富岡保育園にやって来られました。片手には、なにやらかが入ったカゴを携えています。

カゴの中身が気になりますよね。中身はと言いますと、いろいろな色の風船ゴムと、空気入れが入っていました。


数日前に、ご住職から、ある要望を受けました。

「コロナ渦以前には、お寺でバルーンアートをして子どもたちを喜ばせるイベントをしていたんだけど…コロナ禍に入って、なかなかイベントができなくて…風船ゴムをたくさん購入していたんだけど、何年も経つと、風船ゴムが劣化してしまうんです。」

「で、もしも、富岡保育園が良ければ、風船ゴムが劣化してしまう前に、バルーンアートのイベントを富岡保育園でさせてもらえないでしょうか?」

なんて願ったり叶ったりの、要望と言いましょうか、こちらが要望せねばならんのではないかというくらいの、ありがたいお話しでした。ブログ読者もお分かりの通り、すぐに飛びついて「宜しくお願い致します!」とね、言いましたよ。


ご住職はカゴから、いろいろな色の風船ゴムと空気入れを出すと、手際よく、職人ほどの手つきで、バルーンアートをなしていきます。

子どもたちと会話をしながら、それぞれの子どもの好きなものをつくっていきます。剣をつくってみたり、リンゴや、ハート。おしりに黒い針のあるハチさんや、かわいいお花。

もちろん、ブログ読者のご想像通り、子どもたちは大喜びなもんです。ご住職につくってもらったものを、それぞれに自慢げにかかえています。


富岡保育園では、吉祥院のご住職のような、持ち込み企画、大歓迎なんですよ!

子どもは、親だけでなく、先生だけでもなく、地域のみんなで育てることが、使命なんですから。

自分の得意技を発揮したい!自分の好きをシェアしたい!さまざまに、だれでもが子育てに関わることができるんです。

もしもブログ読書や、ご友人や知人などで、持ち込み企画にチャレンジしてみたい方がおられれば、まずはホームページTOP電話番号(もしくは09X33715648)までお問い合わせ下さい。担当は副園長村上です。いっしょに企画の実現に話し合いましょう。

なにはともあれ、吉祥院ご住職様、本日は素敵な時間をありがとうございました。今後も引き続き宜しくお願い致します。


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~追記~

本日、地域の新聞「山陽新聞」に、わたくし副園長村上の記事が掲載されました。誤解のないように、犯罪でない方の記事ですよ。先月受賞した「社会福祉ヒーローズ」の記事です。富岡保育園のご近所さんや、富岡北地区まちづくり協議会の方々、また笠岡市内外の方々から、たくさんの身にあまる祝福の御言葉を頂戴しました。これを励みに、さらに精進する所存です。今後も率直なるご指導ご鞭撻をよろしくお願い致します。

住職様プレゼンツ「バルーンフェス」
喜んでいます。
2023-03-23
兄弟、姉妹、だからこそ

かれこれ30分‥いや、1時間ほどでしょうか。もしくはそれを超えていたのかもしれませんがね。

二郎が一郎を追いかけていました。それも、二郎の表情と言ったら、それはそれは懸命なる悲壮感を漂わせているじゃないですか。かぼそい泣き声なるものをあげながら、追って、追って、追っているんです。

一郎の表情はと言えば、それは絶対なるものを感じさせるほどに口を一文字に結んで、二郎から逃げている、もしくは追わせているのです。


一郎と二郎は、実は兄弟になるのです。一郎が2つ上の兄で、二郎が2つ下の弟なのですね。

冒頭の状況からみるに、“兄弟喧嘩”の真っ最中だと言って間違いないでしょう。

まわりの先生や、友だちたちも「兄弟喧嘩だから、まぁ、どうにかなるじゃろ。」といった具合に、見守っています。

いちばん近くで、一郎と二郎の兄弟喧嘩を見守っていたのは、花子でした。花子は兄弟姉妹のいない、ひとりっ子でもあり、さらには普段から友だちと喧嘩をするたちでもありません。「なんで、そんなに喧嘩するの!?」といった具合に、花子は眉間に皺を寄せながら一朗と二郎を見守っていました。


さすがに30分、いや1時間、もしくはそれを超えて兄弟喧嘩をしたところで、一郎も二郎も疲れ果てたようでした。一郎はうなだれ、二郎は座り込みながら啜り泣き(すすりなき)をしていました。

一郎と二郎の、その姿に、「そろそろ兄弟喧嘩に入らせてもらおうかな。」といった具合に、先生がまずは二郎のところへ寄っていきました。二郎の表情はまだ悲壮感なるものはありましたが、懸命さは、寄ってきてくれた先生のあたたかさによって薄っすら薄っすらとなくなっているようでした。


この兄弟喧嘩には、一郎にも二郎にも言い分というものがありました。原因の元となったのは、一郎の手首にキラキラと飾られたビーズの腕輪でした。

このビーズの腕輪は、休み中に、一郎が自宅でこしらえたんですね。

「お父さんに、デパートに連れて行ってもらって、ビーズを買って、それで腕輪を作ったんよ!」と、兄弟喧嘩が始まる小一時間前には先生たちに知らせていました。当然、自信満々にどこか誇らしげにビーズの腕輪を装着していました。ちなみになのですが、1つではなく、3つ4つと、ジャラジャラとですね。

兄弟喧嘩のはじまりは、弟の二郎がそのジャラジャラと自信満々に誇らしげに装着していた兄の一郎のビーズの腕輪を、1つ貸して欲しかったのです。当然、二郎にとっては自宅で、こしらえる場面から見ていたわけですし、当然、一郎が装着しているところだって見ていたわけです。

「ぼくも、おれも、ぼくだって、おれだって、そのビーズの腕輪を自信満々に誇らしげに装着したいんじゃ!」と言わんばかりだったのです。


おもしろいもので、兄の一郎は、保育園では普段、どの友だちに対しても優しいのです。思いやりも非常にこめる、そんなたちなのです。そんなたちなのですが、なぜか弟の二郎に対しては、ゆずれないところがあるんです。

そして、弟の二郎も、保育園では普段、どの友だちに対しても優しいのです。思いやりも非常にこめる、そんなたちなのです。そんなたちなのですが、なぜか兄の一郎に対しては、ゆずれないところがあるんです。

兄弟、姉妹、だからこそ、ゆずれない、又はゆずれる、そんな場面の1つだったのでしょう。


ちなみに、この兄弟喧嘩の着地は、ひとまず寄っていった先生の、ひとしきりのあたたかい抱っこで、いったん落ち着いたようでした。兄弟、姉妹、だからこそ、仲裁に入る先生も気を遣いながらのようでした。

兄弟、姉妹での、だからこその喧嘩やトラブルや揉めごとって、いくつになってもあるんじゃないでしょうかね。

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2023-03-22
タヌキとキツネの化かし合い

ーSAMURAI JAPANー野球日本代表ー日の丸を背負った若武者たちが、WBC大会で躍動しています。そして、メディアの影響はないとは言えないながらも、国民は視聴率50%に迫るほどの熱狂ぶりであります。

筆者も、そのひとりとして、この熱狂ぶりに、ついある想いを馳せないわけではないのです。現代社会の中で、“世間”や“世論”などの実体のない鬱蒼としたものに巻かれながら生活をしている、してしまう鬱憤を、どこか、若武者たちを“SAMURAI”と美化しながら晴らしているところがあるのではないか。


春分の日としては、どこか花粉や黄砂にまみれたような本日のブログになりそうです。鼻水やくしゃみも、それぞれに出るのでしょうが、片手にハンカチーフや塵紙を携えておくことをお薦めしておきましょう。

ある国の、タヌキとキツネの化かし合いのような、そんな小噺です。

ある国は、人口で言えば、4万人~5万人あたりがいるような国です。他国に負けず劣らずの超少子高齢化の一途をたどっており、昨年誕生した赤ちゃんたちは200人にも満たないほどになってきました。

当然、その煽りは、保育園や小中学校、高校にいたるまでの機関に行き届くものです。ある国の高校は、県立高校が3校。私立高校1校。実のところ、筆者が通っていた県立高校で言えば、学年で100人ほど減少しているのです。小中学校も、もちろんのことであって、そして保育園もその内であります。

ある国には、保育園を含む乳幼児施設が19園と所在しています。その中には、公立施設と民間施設とが混在しています。内訳としては、利用する子どもたちの3分の2以上が民間施設へ通っている現状です。ここで、多少なりとも説明を付け加えておきますと、高校などのように民間施設へ通うことで家庭の負担が増えることは、乳幼児施設ではまったくないのです。公立施設であろうと、民間施設であろうと、どちらも国の補助金で運営されているのですからね。

超少子高齢化の影響は、乳幼児施設で言えば、園児数に、見事に影響してきました。公立や民間を問わず、ある国に所在します施設のほとんどが、定員割れの現象に陥ってきました。ある公立施設で言えば、定員が100名を超えるほどでも、実際の園児数は10名ばかりな時もありました。ちなみに、筆者が働く民間施設では、5.6年前までには130名を超える園児が通ってくれてはいましたが、現在は半減しているものです。

このような現状を踏まえ、そして、日の丸を背負った総理大臣が意思表示した「異次元の少子化対策」を受け、ある国もある対策に乗り出しました。

まずは、ある国に所在する公立施設の整理です。ある国の地域別に人口が少ない地域の、保育園や幼稚園をこども園として統合していくものです。数年後には、公立施設数は半減されるのでしょう。

そしてさらに異次元の対策は進んでいきます。公立として残したい乳幼児施設の強化です。ある国の開発ルート沿いに、一昨年5億円規模の施設を作りました。そして、あと2年後にはある国の中心地あたりに属する小学校敷地内に、一昨年を超える規模の公立施設を新たに作る計画が着々と進んでいるのです。

ここで、多少なりとも注釈を付け添えておかねばなりません。着々と計画が進む新公立施設近隣には、すでに民間施設が所在しているのです。もう少し注釈をつけると、それらの近隣民間施設は、数年前から園児数が、合わせると100名ほど減少しているのです。

ある国が、着々と進めている計画の“着々さ”といったら、これも異次元極まりないものがあります。実のところで言えば、計画段階において、近隣民間施設、また近隣だけにとどまらない民間施設は反対の要望を出していました。小学校で足し算と引き算を習得したものならば、当たり前の要望かもしれません。少子化の一途、園児数の減少の一途、定員割れの一途をたどっているなかで、新たに公立施設を建てれば、どのような現象が起きかねないか、予測はある程度たつものです。

それらの反対要望に対して、ある国の出した答えは「大丈夫です。道路の開発や、工場施設の勧誘などもすすんでいるので、これから子どもの人数は増えますから。信じて下さい。」との、ある種のデータ思考ではなく、神頼み思考とでもいいましょうか。

反対要望がある中で、神頼み思考を尊重したある国は、さらに“着々さ”に励みます。反対要望などはなかったのごとく、どんどんと計画を進めては、遂には、ある国の予算を取り決める日を迎えるわけです。

そして、ここで“異次元さ”を見事に発揮していくのです。反対要望を主として励んでいた民間施設に対して、「私たちは賛成します」と言わんばかりの署名にハンコをうつことを“促す”(うながす)のです。

“促す”といった表現を使ったことは、それは「読者の皆さま、想像してみてくださいね。」と、言わば筆者からの問いのようなものです。

もしかすると、ある国の首長の側近であったり、なにがし部長やなにがし課長が揃って、あなたのところに促しに来るやもしれません。「理解してくれますかね?」と言わんばかりにね。さらにもしかすると、ある国の議会関係者であったりなどからも、「そろそろハンコうってくれますかね。」なんてね。

ある国の異次元の促しを用いた“民意あるハンコ署名”によって、ある国の新公立施設は、今後“着々”と建設されていくのでしょう。

小噺にしては、うまい具合のオチが見当たりませんでした。もしかすると、オチは、もう少し先にあるのかもしれません。もしかすると神頼みが見事に命中し、ある国の子どもたちが爆発的に増えるのかもしれません。もしかすると“異次元の促し”を、タヌキやキツネに例えて綴った筆者に対して、なにがしからの、なにがしを受けるのかもしれません。

筆者としては、小噺としてではなく、いつぞやか、なにがしに対して、なにがしと発言できるように、今後、無私に精進していこうと、血と骨をたぎらせながら誓っているところであります。


※ハンカチーフや塵紙のご入用はありましたでしょうか。もしも、本日のブログ小噺にご意見などありましたら、村上太志(むらかみたいし)のほうまでお寄せ下さいね。

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みんなで子どもたちを見守る
2023-03-21
“人間らしい社会”の作り方

人間とチンパンジーの共通祖先から、人間の祖先が分かれたときに始まったのが“二足歩行”ですが、二足歩行になった理由は、実はまだ100%はわかっていないんですね。

諸説あって、1つはサバンナで長距離を歩いて食物を集める際のエネルギー効率の良さ。他には、手が自由に使えるようになったこと。また他には、共感力を得る“踊る身体”を手に入れたことなどがあるのですがね。

その諸説からなりで、二足歩行になったがゆえに、頭でっかちで成長の遅い赤ちゃんをたくさん産むようになった人間は、“育児”に多くの人手を要するようになりました。これが、人間の脳が大きくなり始めた200万年前以降に生じた大きな課題だったと言えます。そしてこの課題を解決するために生まれたのが『共同育児』なんです。

この『共同育児』によってつながった社会こそが、人間だけがつくりえたものだということを、僕たち現代人は忘れがちなのかもしれません。


前・京都大学総長ゴリラ研究者 山極寿一さんの著書「スマホを捨てたい子どもたち」の文章をお借りしつつ、冒頭を綴りました。『共同育児』とは、親だけでなく、あらゆる人たちが関わって子どもを育てることと言えます。つまりは、保育園の先生なり、ご近所さんなりの存在も含まれるでしょう。いつの時代からか、子どもは親だけがみるもの、生徒は担任の先生だけがみるもの、そのような育児法が定着しつつありましたが、それはいわゆる、人間を人間たらしめるようになった社会を否定することになるんじゃないでしょうか。

人間の赤ちゃんは、離乳期に食事を与えてくれたおとなに対して全幅の信頼を寄せます。離乳期の子どもたちは、お父さんやお母さんだけでなく、ほかのおとなたちとも信頼関係を結ぶことで、「この世界に自分が受け入れられている」「みんなに愛されている」という感情を抱くんです。いろいろな人が抱いたり、優しい声で語りかけることで、子どもは安心感を得るんです。

(※親以外の他者と触れ合い、世界に自分が受け入れられているという確信を深める過程で、子どもは感知する世界を自分のものにしていきます。子ども時代に、こうした様々な人との接触を通して、人々が感じている世界を自分に取れ入れていく経験がないならば、それは信頼関係が作れないおとなになってしまう可能性を多く含むのかもしれません。)


小難しい文章を羅列してしまい申し訳ありません。現代社会が分裂だの崩壊だのと、嘆く声が多い中、実は解決方法が人類の祖先たちをたどれば見つかるんじゃないかと思うんです。

それは『共同育児』ですよ。現代社会で言えば、それは保育園や幼稚園、こども園が大きく担っているところでしょう。

社会を“人間らしい社会”として改める時期になっているならば、保育園や幼稚園などを中心に社会を構築することが最善の策なのではないでしょうか。そしてそれは何も難しいことではないんです。ご近所さんや地域のご年配や学生たちが、育児に気軽に参加できる環境を作ることなんです。

また育児と称するとハードルが高くなるのならば、これも誤解を生まないようにしておかなければいけません。抱っこしたり、優しく声をかけたり、微笑んで子どもたちを見守ることを、いろいろな人で集って行うことが“人間らしい社会”なのです。


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いろいろな人で子どもを見守る社会
2023-03-20
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