富岡保育園へようこそ!「伸びる。成る。子どもも大人も互いに伸び合い、成長し合う『大きな家』でありたいと願い、社会福祉を支えています。

富岡保育園

副園長ブログ

ピカソの言葉に耳を傾けませんか

ある団体から、毎年、夏になると、ある依頼を受けます。就学前児童(5歳児)を対象に、「おおきくなったら」というテーマで絵を描いて出展して欲しい、そんな依頼です。

かれこれ、僕が現場保育者で、ブイブイいわせていた時代からあったのですがね。当時、僕は、クラスの子どもたちに、大きくなったら何になりたいかを、職種に偏って、話しをすすめていた記憶があります。そして、その職種に関しても、僕が考え得る範囲のものだった、とも記憶しています。

おもしろいもので、クラスの子どもたちが、例えば半分以上がサッカー選手を書こうとしたなら、当時の僕は、「他にも、こんな職種があるよ。」「他人のマネはしたら、いけんで。」とも、声をかけていたように記憶しています。

当時の僕に対して、現在の僕がアドバイスならびに指導するなら、「ブイブイいってんじゃねーよ!」と言いかねないです、正直。

そもそもの間違いが、「おおきくなったら」を、すぐに職種に結びつけるところだと思うんです。もちらん職種でも構いませんが、その他にもあるはずなのに、その他の想像を膨らませる機会を奪っちゃってるじゃないですか。

さらに言えば、絵を描くなどの、創造的活動は“マネ”からはじまるもの、にも関わらず、はじまる機会を奪っちゃってるじゃないですか。

だから、やっぱり、「ブイブイいってんじゃねーよ!」なんだと思うんです。


このたび、出展に向けての活動に取り組む、担当の先生には、当時の僕の、それらの機会を奪っちゃった記憶についてをお話ししました。僕のようになってほしくないからです。

担当の先生は、対象児童を、一斉に並べて描かせるのではなく、それぞれの子どもが、「描きたい!」と思ったタイミングで、描けるように心がけているようです。


ちなみに、現在読んでいる本「ピカソの言葉~山口路子~」の中に、こんな節がありました。

「高度なテクニックで描くよりも、思うまま自由に描くことのほうが難しい。」

「子どものような絵が描けるようになるまで一生かかったよ。」

美術界の誰もが知る、あのピカソが、こんなことを言っているわけですよ。

子どもの描く絵に対して、大人が指摘したり指導したりすることなんて、ない、むしろ、とんでもないですよね。

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〈おせっかいワンポイントアドバイスコーナー〉

ブログ読者の方で、お子さま、お孫さんなどがおられる場合‥何気なしに描かれた、その絵を大事にしてみませんか。「なんじゃこりゃ!?」と、大人であれば分からない絵こそ大事にしてみませんか。100均などにある額縁に入れて飾るだけでいいんです。一枚、一枚が、特別に思えてくるはずです。

2023-08-22
水やりのタイミングとポイント

今年度は、自然農法にお詳しい、僕の人生の師匠でもある鈴木さんの監修のもと、とみほ村では畑活動を行っています。夏野菜では、弾力のあるトマトや、瑞々しいキュウリ、しっかりとしたナスビなど、現場保育者と園児たちで、たくさん収穫することができています。

今までの畑活動と、比較してみると‥“水やり”へのアプローチが違ったんじゃないかと思っています。

今までは、とにかく、ほぼ毎日、枯らさないように、枯らさないように、たっぷりと水やりをしていました。

けれども、このたびの自然農法での畑活動では、ほぼ、水やりをしていません。

理由は、お詳しい鈴木さんに尋ねて下さると最もなのですが‥僕で良ければ、お答えしますとですね。定期的に水やりをしないと育たない弱い作物を作るのか、それとも、ほとんど水やりをしなくとも育つ強い作物を作るのか、そのあたりの違いなんだと思うんです。

鈴木さんによると、大事なのは“根っこ”と、その“土環境”なんですね。湿気を保つように藁(わら)をひいたり、その少ない水分を求めて、根っこが土の中でぐんぐんと強く伸びていく、そんなイメージですね。

ただ、あまりにも雨が降らない日々が続くと、水やりをする必要も出てきます。出てきますが、ここで、作物に直接、水やりをするのは、控えなきゃいけない。どこに、水やりをするかと言えば“根っこ”が伸びているであろう、つまりは作物のひとまわり離れたところです。


さて、ここで、急に話しは変わるようですが、鈴木さんとは別の、人生の師匠から、ある1冊の本をいただきました。タイトルは「思い通りにいかないから人生は面白い~曽野綾子~」です。筆者は90歳を超える戦争体験者の小説家です。

ワンフレーズだけ紹介しますと‥「戦後の高度経済成長と、島国のおかげで、局地的紛争に巻き込まれずに済みました。皮肉なことに、その結果、人生は思いのままになるかのような錯覚を人々に植えつけてしまったわけです。理想は、どんな状況になっても、現実を見据える視点を持ち続けるべきなんです。そのほうが面白く楽しいからです。」

B29による大空襲経験者の語る言葉には、相応の重みがあるものです。そして、この言葉を、ちょうど今の僕に必要だと、水やりをするかのように与えて下さった、師匠に感謝です。


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追記 “思い通りにいかない”を、面白がっている人が、よくよく考えてみると、身近にたくさんいました。とみほ村の子どもたちです。

例えばですね、5歳くらいの女の子が、アトリエで、なにかしらを作ろうと思うと。せっかく整理整頓されていたと思っていても、ちっちゃな子どもたちが散らかしていくわけです。すると、材料や用具が無作為になっていることが多分にあるんです。まさに思い通りにいってませんよね。

けれども、そんな思い通りにいっていない、散らかった環境で、その5歳くらいの女の子は、材料を見つけては考えを巡らし、無い用具は、ある用具で代用しながら、なにかしらを作ってみるわけです。

その女の子が、つい先日、作ったなにかしらを、見せにやってきました。手の平ぐらいの大きさのカラフルな鍵盤のピアノを様々な材料で作っていました。

ちなみに、このピアノは、とても精密に作られていて‥ちびっちゃいトトロの絵柄がのり付けされているんです。カラフルな鍵盤を、弾く仕草をすると、その女の子がトトロの曲をリズム良く口ずさんでくれるんです。

面白がっていないと、こんな精密なシロモノ、作れませんよね。

2023-08-21
なみなみの伸ばし棒の後ろには

呼び名について。ブログ読者は、ご家族や友人、知人に同僚に、どのように呼ばれていますか?

僕の場合‥苗字が村上、名前を太志、むらかみ、たいし、これが本名になります。ですから、例えばですね‥

家族からは、苗字ではなく、たいし、たいちゃん。

地元の友だちからは、中学生くらいから、たいぴー、と呼ばれるようになりました。ちなみに、その友だちたちのお子さまたちからも、たいぴー、になっています。齢40が近づくにつれ、たいぴー、については、そのポップさとのギャップが否めませんよね。

学校の先生で言えば、たいし、たいし君、が多かったように思います。中3の担任の先生から、怒られる時に限ってフルネームで、村上太志君、と野太く通る声で呼ばれたことは、印象に残っています。

社会人からは、保育園の先生という職種もあって、村上先生、むら先生、村上さん、たいしさん、このあたりが主流になってきました。たまに、むらぴー、と呼ばれることもありますが、やはり、こちらもポップさとのギャップは否めませんよね。


さて今日は、村上太志の、ある子どもからの呼ばれ方をご紹介したいと思います。

ある子どもとは、3歳くらいの女の子です。その呼ばれ方は、この女の子が村上太志に話しかけるようになった、2歳くらいの頃から、はじまっていました。

どんな呼ばれ方かと言いますと‥

『むらかみ〜』です。

アクセントは“み”のところにおいた感じで、“〜”なみなみの伸ばし棒の後ろには、音符かハートマークがついているだろうと思いたい、そんな呼び方を、この女の子はしてきます。

おそらくではありますが、今現在、この呼び方をする人は、この女の子だけでしょう。

「むらかみ〜、はやく、たべなさい。」

「むらかみ〜、こっちに、きて〜。」

「むらかみ〜、アーン、パーンチ!」


ちなみに、この女の子から、保護者や、他の先生たちがいる前では、呼ばれたことはほとんどありません。どうしても呼ばないといけない時には、「むらかみせんせい」と、およそ、か細く呼んできます。


『むらかみ〜(音符かハートマーク)』、とても気に入っている呼ばれ方です。


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そう言えば、20代の頃に、3ヶ月ほど通った極真空手の先生からは‥

「たいせい!!!」と、呼ばれていたっけ。

もはや、違う名前になっていますが、嫌いじゃありませんでした。

ブログ読者の皆様も、村上太志(むらかみたいし)を好きに呼んで下さい笑

「隕石(いんせき)かもしれん!」
外堀に、水を流し込んで“掘りやすく”工夫。
2023-08-20
富岡保育園式ネズミ講にご注意を

富岡保育園は、学童保育をしていません。していませんが、年間通して、小学生たちが遊びにやって来てくれます。おもしろいもので、卒園児だけでなく、他園の卒園児である友だちたちも、やって来てくれます。そのうちに、他園の卒園児である友だちが、その友だちを連れ添って、やって来てくれるようになります。これは、ある種、ネズミ講(芋づる方式のマルチ商法)と呼べるのかもしれません。

富岡保育園のネズミ講にかかった、小学生たちは、中学生や高校生になると、保育ボランティアとして、やって来てくれるようになります。そして、そのネズミ講に、どっぷりと浸かりますと、保育実習生として、やって来てくれるようになります。さらに言えば、浸かり具合が、沼って(ぬまる)きますと、最後には就職を希望しに、やって来てくれるようになります。

ただ、誤解のないように、これだけは言っておかなければ、と思っています。決して、富岡保育園に就職をして欲しいから、小学生たちを受け入れている、わけではないことを。これは、小学生に限ったことではありません。さまざまな人が、富岡保育園を必要としている、その時、その時で、やって来てくれれば、それが嬉しいのです。


つい先日にも、小学生たちが何人か、やって来てました。偶然であるのか、たまたま在園中に仲が良かった小学生たちが集まりました。現在は、それぞれにバラバラの小学校に通っていて、卒園以来、久しぶりに顔を合わしたんだと思います。

なつかしむように、園内を走り回ります。室内を走り回ると、もちろん先生たちに注意を受けますが、それさえも、なつかしいようでした。

おもしろいなと思ってしまったのが、その仲間内で、当時ハマっていた遊びを、リバイバル(復活)していたこと。カラービニールテープを、適当な長さで切ってみては、両目をふさぐように、くくりつけていました。水色のカラービニールテープであれば、景色が水色がかって見える、緑色であれば緑がかる、そんなカラーサングラス忍者隊をイメージして頂ければ分かりやすいかと思います。

当時と違って、その仲間内の皆が、身体が大きくなっていたこともあって、ちびっこ的なすばしっこさと軽やかさは感じられませんでした。ただ、当時をなつかしみ、どこか恥ずかしげにも、カラーサングラス忍者隊となった小学生たちの、そのハニカム笑顔は、可愛いものでした。


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追記 ちなみに、このカラーサングラス忍者隊は、このたび、遊びにやって来てくれた小学生の、もう1つ年上の世代に、はじまった遊びです。2.3年、流行したように思い返します。現役の保育園児たちには、カラーサングラス忍者隊となった小学生たちは、どのように映ったのでしょうか。今のところ、憧れてマネをする園児がいない、ような気がします‥笑

2023-08-19
『副園長ブログ第2章の幕開け』

2023年、8月18日。副園長ブログ最終回を綴り終え、3日を経ました。副園長ブログ愛読者ならば、知っての通り、筆者はダイエット、禁酒、その他、我慢をしたり、自制心を働かせる行為が非常に苦手なのですね。3日後には平気で知らぬ存ぜぬ顔で、焼肉を頬張りながら、生ビールで喉を潤す、それが胆力のある副園長ブログの筆者たる所以(ゆえん)なわけですよ。

なわけですから、第1章の最終回から3日を経た、今日こそ『副園長ブログ第2章の幕開け』にふさわしい日はないのですよ。第1章を超える、ハリウッド映画に引けをとらない、壮絶なアクション、そして壮大な冒険の物語が、間違いなくあなたを待っているのです。

なわけですからを重ねますと、是非!!!第2章も、ご愛読、よろしく、よろしく、よろしく、お願い致します。


それでは、第2章スタート記念は、本日、岡山県笠岡市、とみほ村の富岡保育園で開催された「納涼なんて言ってらんない、熱闘‼︎そうめん流し」の模様をお届けしたいと思います。

富岡北地区まちづくり協議会の方からお借りしました、そうめん流しのキットを、第1章で主役級にご活躍されたスーパーボランティア亀川さんが、朝から組み立てて下さいました。

「先生!先生らぁは、朝は子どもたちの出迎えで忙しいじゃろうけぇ、わしに任せて下さい!」と、頼もし過ぎる、亀川さん。

午前中は、お菓子を流してみたりと、ご余興。そして午後からが、「納涼なんて言ってらんない、熱闘‼︎そうめん流し」の本番なのでした。

なにが熱闘‼︎だなんて、そうめん流しで鍵を握るのは、一にもニにも“ポジション取り”。どこのポジションを取るかで、その流れてくる、そうめん、ミニトマト、キュウリ、ゼリーをGETできる確率が決まると言っても過言ではないのです。

先頭が1番良いポジションかと言われれば、そうでもない。箸でつかみ取る、すくいとる、そのテクニックが均衡した者同士が集うと、そのポジションでの競争は壮絶さを極めるのです。

ポジション取りの王道ではない、邪道を行く者ならば、するりとポジションを変えに変えて、あっちですくい、こっちでつかみ取るのです。すると、もちろんスタッフの大人たちからは、注意をうけるのですが、そんなことは知ったこっちゃないんですね。注意をうけようが、うけまいが、スタッフの大人たちの助言を聞いている暇なんてないんです。


さて、そんな「納涼なんて言ってらんない、熱闘‼︎そうめん流し」を制した者、つまり覇者です。いたんですよ。

先頭でも、中盤でも、あっちゃこっちゃ浮遊する者でなく、その覇者は最後尾の中の最後尾にポジションを取っていました。

そこには、流れる水をキャッチする大きなタライと、つかみすくい逃した、そうめんたちをキャッチするザルが用意されていました。

覇者は、熱闘‼︎する者たちを嘲笑う(あざわらう)かのように、ビールケースに座り、その流れる水が入ったタライに足をつけ、涼やかな表情から、ザルに入る手前で優雅にそうめんたちを、つかみすくい取っていたのです。

覇者は、力の強い男の子でもなければ、最高学年でもない、胆力のある3歳児の女の子でした。熱闘‼︎する者たちからの、やっかみには、知らぬ存ぜぬ顔で、最後まで、このポジションをあけ渡すことはありませんでした。


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熱闘‼︎そうめん流し
そうめん流しは、自動的に黙食になる件
覇者の風格
2023-08-18
【最終回】3年と363日に感謝

ビニールプールに浮かぶ、ひとりの女の子を、マーメイドと呼んでみたい。彼女は、じたばたすることなく、ただただ水に浮かんでは、福笑いのような表情を浮かべている。彼女からは、ああしてやろう、こうしてやろう、ああなりたい、こうなりたい、そんな様子は微塵も感じられない。やはり、ただただ水に浮かんでは、福笑いのような表情を浮かべている。そして、それが途方もなく幸せに映るじゃないか、ねぇ、そうだろ、マーメイドよ。

積み木を積む、ひとりの男の子を、何と呼んでみようか。彼は、積み木をあくせくしながら積んでは、ものの見事に壊す。せっかくだとか、こんなに努力したのにだとか、そんな様子は微塵も感じられない。やはり、あくせく積んでは、ものの見事に壊すのである。そして、それが途方もなく気持ちの良いように映るじゃないか、ねぇ、そうだろ、まだ名も無き彼よ。


今日で、副園長ブログは1458回目なんだそうです。3年と363日続けたみたいなんです。継続が苦手な筆者にしては、よく頑張ったんじゃないでしょうか。ただ、四年制大学であれば、中退になりますね。このあたりは、半端者の筆者らしさがでましたね。

はじまりがあれば、おわりがあります。

逆説好きの筆者にしてみれば、おわりがなければ、はじまらない。

自分の考えや想いなどを、ありのままに言語化して伝える場を持てるだなんて、これほど有り難いことはありませんでした。いっしょに、たくさんのことを学んで下さった読者の皆さまには、感謝の言葉に尽きます。

発信の時代に、発信をやめようとするなんて、ひねくれ者の筆者らしいなと思ってくれたんじゃないでしょうか。

とまる、やすむ、やめる、こわす‥どうも、良くないイメージではありますが、見て下さい。マーメイドや、まだ名も無き彼を。


ひとえに、ここまで毎日続けることができたのは、ブログ愛読者が日々勇気を与えて下さったからです。御礼を何度言っても足りないでしょうね。

ただ筆をおくのにも、未練がましさや、執着心を脱ぎ捨てるのにも、それなりに勇気はいるものですが、あらためてワクワク、ドキドキもしています。あたらしい、なにかとのご縁があるんじゃないだろうか、ってね。

もしも、副園長ブログを日課にして下さっていた方がおられれば、その余白に、あたらしい、なにかとのご縁があるはずですよ、きっと。だから、たのしみにしようじゃないですか。


それでは、いったん、ここで、筆をおきたいと思います。いままで、ありがとうございました。

筆者は、今日も富岡保育園にいます。


2023年 8月14日 村上太志

2023-08-14
あの世との対話

お盆期間、富岡保育園の北っかわにある、月性庵には、お墓参りに足を運ばれる方が、そぞろにおられます。ご先祖様に感謝の挨拶をしているのでしょう。

富岡保育園も、母屋が廻船問屋であった頃の創業者から、保育園という形態に変わって以降、現在に至るまで、携わって下さった方々をご先祖様とし、この期間に、その魂が気持ち良く帰って来られるように努めています。

これは、おそらくと推測するしかないのですが、ご先祖様たちが生存されていた時分は、これほどの猛暑は経験されていなかったんじゃないか。であるからして、涼しい時間帯の、早朝5時頃からお迎えが出来るように、本日は、母屋の門から窓から全て全開にいたしまして、水をお庭の隅々まで撒いては、お清めさせてもらいました。

これも、おそらくではありますが、ご先祖様たちは、当時を懐かしみながら、時代の変化や、時が変わっても変わらぬ想いなどを、お汲みになられたんじゃないだろうか、と思っています。

「松と土塀で作られていた門構えが、今は黒で統一されとるがな。これはこれで、無骨でかっこええが。」

「お〜、ここには、ひょうたん型の池があったけんど、今は増築して部屋になっとるじゃのう。」

「ここには、洋館が建っとったけんど、今は、ほぉほぉ、地域の図書室になっとるんじゃのう。」

「ほうれ、立派な貝塚伊吹の木は、今も健在じゃねぇか。あの時分には、何かあった時は、必ず、こうやって触っては力をもろおとったけん。あの世でも活躍できるように、今日も触って帰ろうでぇ。」

「あんれまぁ、こけぇ、大きな遊具があったろうに。無くなったんかぇ。でも、まぁ、なんだか懐かしいような庭になってきとるがな。」

「あら、こっちの建物は、入ったことないで。どれ、入ってみようや。はあー、ここが保育園ってやつの部屋なんじゃなぁ。どれどれ、写真も、ようけ貼っとるで。へえー、ええ笑顔しとるが。今も昔も、こけぇ集まる人は、ええ顔しとるわ、ホンマに。」

「ん!?あんたー、誰でぇ?見たことねぇ顔じゃが。」

「あ!おはようございます!僕は、今、ここで働かせてもらっています、村上太志と申します。今日は、皆さまのお帰りを心待ちにしていました。暑い中、足を運んで下さり、誠にありがとうございます!」

「あんさんは、あの世でのうて、今の世の人なんじゃのう。村上さんゆうたな!?村上さん、わしらが、いつでも帰ってこれるように、ええように頼むで!」

「ほぉじゃ、ほぉじゃ。気張ってくれぇよ!あの世に来たら、わしらがいつでも面倒みちゃるけんな、ワッハッハ‥!」


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2023-08-13
二日酔いの原因

二日酔いだ、間違いなく。

あれを調子にのって飲み過ぎたからだ、当然だ。

しかし、もうひとつ原因があるのだ、絶対に。


昨日、開催された『納涼ふれあい夏祭り大会in富岡会館』が無事閉幕されました。

地域の方々、またそのご親戚やお友人なども。また富岡保育園、クレヨンKIDSから、園児やまた保護者の皆さま、そして職員たち。そして卒園児の小中高生や、また社会人たち。たくさんの参加者が、わいわいと集まり、仲良し同士、またお久しぶり同士、はじめまして同士、それぞれにふれあい、素敵な時間になりました。

「わ〜、ゆかた、とっても似合ってる〜!金魚すくい、たくさんすくえたんだ!?」

「わ〜、ひさしぶり〜!めちゃくちゃ大きくなってるやん!」

「いらっしゃい!さぁ、ぼく、輪投げ、ほれ、頑張れ!」


そんな素敵な時間の、その中でも最高潮と言えば、それはカラオケ大会の時間、だったのかもしれません。

夏祭り終了後、司会進行役の方がこのようにおっしゃられていました。

「今回の夏祭りは、今までで一番えかった!ホンマにえかった!富岡保育園の先生たちのカラオケがはじまってから、会場が一体になったもんな!みんなまとまった気がしたんよ、あれで!ホンマにえかった!ホンマに感動した!最後、ホンマに涙が出てきたけん。ホンマにえかった!」

司会進行役の方の感極まる言葉に、僕も、もらい泣きしそうになってしまいました。そして、その余韻は今もなお続いているのです。(ある種、自分に酔っているのでしょう。二日酔いの原因のもうひとつです。)


前日に、そして当日の早朝から、灼熱の中、準備に奔走して下さり、また終了後も暗い中、片付けを懸命にして下さった、地域の皆々様、本当にありがとうございました。また、その中で、保育園の子どもであろうと、地域の子どもであろうと、どこの誰であろうとも、分け隔てなく、地域の夏祭りにこころよく迎え入れて下さったこと、誠に感謝の言葉に尽きるおもいです。本当にありがとうございました。

お礼の文章を打ち込んでいるだけで、なぜか司会進行役の涙を思い出し、またもらい泣きしそうになっている自分がいます。まだ酔っているのでしょう。


カラオケ大会に参加し、盛り上げて下さった先生方、本当にありがとうございました。

盆踊りに精を出してくれた、園児たち、ありがとうございました。

夜店を気持ち良くまわってくれた、保護者の皆様、ありがとうございました。

ブログを見て、勇気を出して参加してくれたブログ読者の皆様、ありがとうございました。

スーパーボールすくいの店番を手伝ってくれた、地域の方、ありがとうございました。(あれを飲み過ぎて、おぼろげな店番になっていました。)

あと、誰と誰と、誰にお礼を言えばいいのでしょうか。言っても、言っても、足りないほどの、感謝、そして感動の時間でした。

本当にありがとうございました。

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卒園児たちが夜遅くまで片付けを手伝っていました
2023-08-12
富岡会館館長さんの人柄に学ぼう

午前7時。富岡会館駐車場広場には、大勢の人集り。なんてったって、今日は「納涼ふれあい夏祭り大会」なんですから、準備しなくちゃいけませんよね。提灯をつるしたり、夜店のコーナー分けをしたり‥ヨーヨーをふくらませてみたりなんかしてね。

大勢の参加者には、何度も準備をしたことがある人、はじめての人、さまざまなもんなんです。ちなみに、準備をしたことがある人でも、考え方なんか違ったりすると、提灯をつるすポールの位置なんかも決めるのだって難しいんです。

じゃあ、誰が、僕を含む、大勢の参加者をまとめるかって、それは今回は富岡会館館長さんなんです。

実は、館長さんは前日に、当日準備がしやすいよう準備を、せっせこせっせことしていたんです。そして、当日には、参加者の人たちに準備をお願いし、活躍する場を設けては、ひとりひとりに「ありがとう、ありがとう!お〜!ありがとう!」と、笑顔で労っていくわけです。

そうするとですね、自然と、大勢の参加者たちがまとまっていくんです。これは、館長さんの献身的な人柄が、そうさせていると言っても過言じゃないと思うんです。


さて、僕は、あと少ししたら(15時30分ごろ)かき氷用の氷の運び屋をする予定になっています。簡単ではありますが、役目を与えてもらえて嬉しいですし、より参加している気分にさせてもらっています。(ちなみに、18時からは、スーパーボールすくいコーナーの役割をもらっています。お時間ある方はお寄り下さいね。)


あ〜、本番が待ち遠しいですね。前日には、何人かの子どもたちが、「わたし、あした、ゆかた、きるけん!」「わたしは、じんべえにしようかな。」と、衣装なども含めて、とても気持ちがたかぶる様子が伺えました。たくさんの子どもたちが、地域の中で愛される時間になることを願っています。

それでは、夏祭り本番の模様は明日のブログ記事で。今日は片付け終了予定が午後23時になっていますので、ひとまず、僕も休憩に入って備えようと思います。

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2023-08-11
納涼ふれあい夏祭りin富岡会館

まずは告知からいきましょう‼︎

明日、令和5年8月11日〈山の日〉19時~21時、富岡会館駐車場広場にて、『2023 納涼ふれあい夏祭り大会』が開催されます‼︎

※主催 富岡会館、協賛 富岡北地区まちづくり協議会

19時からは盆踊り、20時からはカラオケ大会も行われます‼︎

夜店には、わなげ・ヨーヨーつり・金魚すくい・サイコロゲーム・スーパーボールすくい・かき氷‥などが出店する見込みです。

また、21時前には、ビンゴ大会も行われ、豪華賞品も⁉︎

ご近所などお誘いあわせのうえ、お越し下さいね‼︎

多くの方々のご参加をお待ちしています‼︎

是非、夏祭りで、コミュニティの輪を広げましょう‼︎

(※富岡保育園の駐車場も開放しています。お互い様の気持ちを持って利用をお願い致します。)


さて、今日は‥昨日、ちょっくらと東京行脚した話題をお届けしたいと思います。

ご縁あって、保育雑誌「遊育」の編集者様のご紹介から、東京都葛飾区に所在します「うらら保育園」に見学に行かせていただきました。

実は、僕はリピーター(2度目)になるのですが‥またしても、とにかく居心地がいいんです。

なので、その居心地の良さの秘訣を探るべく、このたびは、見学者といった立ち位置よりも、少し足を突っ込み、園児さんや、職員さんよりの目線に落ち着けるよう努めてみました。

するとですね、おもしろいことが分かったんです。同じ空間でも、座る位置などを少し変えるだけで、違う景色に写るんです。

同じようで同じでない錯覚は、園内の物的環境にも要因があるんだと思います。例えば、ちゃぶ台ひとつとっても、ちゃぶ台はちゃぶ台でも、全部ちょっとだけ違うんです。形や高さ、木の質などがちょっと違うんです。

ひとりの職員さんに、こんな質問をしてみました。「働くにあたって、居心地はいかがですか?」とね。答えづらい質問をしてしまったんじゃないかと思ったのですが‥こんな答えが返ってきました。

「居心地は‥良過ぎるんです。子どももですが、大人にとっても、自分の好みの場所や、また机などがあります。私なんかは、アトリエの担当ではないのですが、アトリエが大好きなので、よく掃除しちゃうんです。」

また、物的に限らず、人的環境にも要因があるんだろうとも思いました。質問した先生に限らず、廊下などですれ違う先生たちみんなが、とても優しいんです。「あなたは、ここにいて、大丈夫だよ。」といった気持ちを、言葉でなくとも、その立ち振る舞いや表情などで伝えてくれるんです。


うらら保育園園長先生に、保育実践についてのお話しを伺わせてもらった際に、「この言葉を忘れたらアカン‼︎」という、金言を受け取りましたので、ブログ読者にも、こっそり、お裾分けしたいと思います。

「うらら保育園の保育実践に携わる際に、絶対忘れたらいけないこと、それは“面倒くさい・泥くさい・青くさい”、この3つを大事にすることなの。」


保育そのものを“暮らし”として位置付ける、富岡保育園も、この3つは、とても通ずるもの、大事であることを、再確認させてもらいました。

「うらら保育園」の皆さま、あたたかく迎えて下さり、誠にありがとうございました。また、リピーター村上、お邪魔させて下さい。本当にありがとうございました‼︎

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2023-08-10
現場保育者にインタビューその②

Q.トラブルが起こった場合、子ども同士の対応、また保護者へはどのように対応されていますか?

A.子ども同士のトラブルをいつも保護者の方に伝えているのか?と考えた時、そうではなく、時と場合によるので、私は分けて考えます。

*子ども同士のトラブル

子ども同士のトラブルでは、言い争い、手が出る、物を投げる、泣いてしまう。など背景は色々あります。

年齢やその子の特性にもよりますが、私は少し見守ります。なぜなら子ども同士で解決できる場合もあるからです。解決できなくて保育者に助けを求めて来た時、怪我をするケンカに発展しそうな時、暴言を言った時は声をかけます。以前は解決して謝ったり、許したりするように話を促していましたが、納得しないまま、無理やり仲直りさせても意味のない事だと思うので、話を聞き、気持ちを受け止めるようにしています。

また些細なトラブルがあった時でも、他の保育者に報告し、共通の理解をするよう心掛けています。

保護者への対応

噛まれてしまった、叩かれて怪我をしてしまった、遊んでいて怪我をしてしまった‥など‥保護者の方へ報告をしないといけないことがあった時は、どうしてその様な事があったのか、素直にお話しして、丁寧に対応し謝罪します。

事の大きさにもよりますが、怪我をさせてしまった、物を壊してしまった側の保護者の方にトラブルをお伝えする事もあります。それは知らなかった、言ってくれたらよかったのに、という事もあるからです。

保護者の方に報告する時は、保育者同士で話し合いをし、共通理解しています。

また保護者には起こってしまった事を伝えるだけでなく、普段から園での様子をお伝えし、信頼関係を築ける様に努めています。


Q.食物アレルギーは、どのように対応されていますか?

A.アレルギー除去食の一覧表をランチルームの見える所に掲示するとともに、『全職員が全園児の担任』という意識の元、共通理解を持っています。

配膳ミスを防止する為、食器の色を変えたり、トレーに名前プレートや食事内容を記載したカードを置いています。

食事内容を記載したカードには、アレルギーの食品、除去する食品、代替の食品が書かれています。

お台所(給食室)から受け取る時も、声をかけあい、確認し、受け取った後も、受け取った保育者が他の保育者に伝達します。

食事内容のカードと、声のかけあいで、目と耳でチェック!

お台所クルー、受け取った保育者、一緒に食べる保育者とダブル、トリプルのチェック!です。

食べている間も誤食がないよう、除去食の子どもの側で、保育者が見守りながら一緒に食べています。


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やはり‥現場保育者のナマの言葉は、理屈をこねくりまわす副園長の言葉とは比にならないほどに、愛に溢れ、そして非常にタメになる、腑に落ちるところがあります。(僕もとても勉強になっています!)

どうぞ、園見学に足を運んで下さる際には、是非とも、現場保育者にナマでインタビューしてみて下さいね。

2023-08-09
現場保育者にインタビューその①

“保活”いわゆる、保育園に入園するまでの一連の活動のことを指すようです。その保活も、都市や地方、その地域ごとに、活動の難易度は異なるのだろうと、うっすら想像できるものです。

ある地域では、多くの待機児童がいる中で、途中入園などの難しさもあるため、陣痛促進剤を使って出産時期を調整する保護者がいるのだとか、そうだとか。また兄弟で同じ保育園に入園することが出来ずに、乗り換えを含めて片道1時間以上電車で揺られて通園する親子もいるのだとか、そうだとか。


富岡保育園の所属する地域、岡山県笠岡市では、少子化がとても進んでいるため、待機児童の問題はかなり薄らいでいます。(園を選ばなければ、ほぼ無いと言っても過言ではないかもしれません。)ただ、その笠岡市近隣、例えばお隣の浅口郡里庄町や、浅口市では、待機児童の問題は、まだ残っているようです。その問題を解決する糸口として、近隣地域と条件を整えながら進めている「広域入所」という制度があります。

今年度、富岡保育園にも広域入所の制度を利用して、入園されている園児が多数います。(現在、園児全体の約15%が広域入所利用者です。)今後も、この制度は、社会動態によって需要が大きくなると予想しています。


さて、広域入所利用者、笠岡市から自動車で5分~30分圏内の方にも、入園前に、富岡保育園は必ず見学に足を運んでいただけるようお願いしています。インターネットやテレビ、また噂や又聞きなどの情報よりも、やはり自分の(保護者や園児、ご家族)目で見て、耳で聞いて、そして感じて、選んでいただきたいからです。

たいてい、僕や園長が、1時間~2時間かけて、園の歴史から、具体的な保育実践についてを説明しながら案内させてもらいます。

※園見学のお問い合わせはホームページTOP電話番号から宜しくお願い致します。


そんな園見学中に、「あれを聞いておけば良かった‥これを聞いておけば良かった‥」なんて、思われる方もいるんじゃないか思うんです。なにしろ、一度の説明で富岡保育園の全てを理解するのは、どうにも難しいです。

なので、本日は、見学者が質問しそびれそうな(また案内人が説明しそびれそうな)質問を、富岡保育園の現場保育者にインタビューしてみましたので、ご紹介したいと思います。どうぞ保活の参考に。


Q.手洗いは、どのようにしているのですか?

A. 一斉保育ではないため、みんなで一緒に手を洗ったりうがいをしたり等はしていません。戸外遊びから室内に帰ってくる時、ご飯を食べる前と後、排泄が終わったあとには、必ず泡石鹸で綺麗に手を洗うよう声掛けたり、保育者と一緒に洗って清潔にできるよう心掛けています。小さい子どもも大きい子ども達の姿を見て、最近、自分で手を洗えるようになってきています。けれど、手洗いをしているはずなのに蛇口を捻り(ひねる)すぎて、顔がびしょびしょになったり、泡石鹸をたくさん出しすぎたり等、ちょっとしたハプニング!?もありつつ水遊びもありつつ…楽しく手を洗っています。手洗いやうがいをする気持ち良さ、大切さを日常会話でまじえたり、絵本や紙芝居を使用したりしながら、引き続き丁寧に関わっていきたいと、私は思っています。


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2023-08-08
5歳を超えて生き延びる確率

某テレビ局の朝ドラを見ておられる方はいますでしょうか。(NHK「らんまん」)植物好きな主人公が、学歴など無いに等しい中、純真なまでに研究と採取を続けていく物語です。

そして悲しいお話しをすることをお許しください。先週になりますが、主人公の娘さんが、ちょうどなぐり描きができる年頃で死んでしまったんです。主人公はもちろん、奥さまは途方もなく悲しみにくれる、そんな展開を見せていました。


もしかすると、その展開後に、皆さまの家族で、こんな話題がのぼらなかったでしょうか。「うちのおじいさんの兄弟も‥うちのおばあさんの姉妹も‥」幼い時分に亡くなったご親戚の話題です。

実際、僕の家の墓にも、赤子の時や、幼少期に亡くなったご先祖さまがいたりします。


世界の乳幼児死亡率についてのあるデータを紹介してみたいと思います。(「FACTFULNESS~ハンス・ロスリング~」P.78参照※5歳までに亡くなる子どもの割合)

1800年では、なんと44%もの乳幼児が亡くなっていました。その後、2016年、200年以上もの時を重ねて4%まで減少しているんです。

つまり、200年ほど前には、5歳を超えることができた子どもは、ほぼ半数なわけです。残りの半数は5歳までに、今で言えば保育園の間に亡くなっていたんです。


さて、もしも5歳までに亡くなってしまう可能性が44%だとしたら、例えば我が子や、保育園の子どもに何を求めるでしょうか。何をさせるでしょうか。どのような関わり方をするでしょうか。どんな言葉を投げかけるでしょうか。

そして、また、もしも、あなたが5歳までの子どもを目の前にして、どんな不安を抱えるでしょうか。


“生きる”以外に何か求めるものがあるでしょうか。何かが出来る、出来ない、早い、遅い、そんなことが“生きる”以上に価値があるのでしょうか。

医療や制度、社会が成長、成熟したおかげさまで、44%から4%になったのでしょうが‥本来、僕たち人類という生き物は、子どもから大人になるまで生きるだけで、とんでもない奇跡なんです。


だからこそ、将来のことに対して不安を抱える人がいたとしたら、このように声をかけたい。「僕たち、人類は、将来なんてものを考えるには、不向きな生き物なんですよ。」と。

人類700万年の歴史の中で、5歳を超えて生きることが大半できるようになったのが、ここ数年なんです。つまりは、あってないような将来という存在ができたのも、ここ数年なんですよ。

「来年どうしよう‥再来年どうしよう‥10年後どうしよう‥」なんて、不安に駆られるよりも、「今どうしよう」を日々重ねることの方が、僕たち人類は得意なはずなんです。


自分の人生の選択、子育ての選択、さまざまな選択の要素に「今のベスト」を重視すると、とてもシンプルに、リラックスして生きることができるかもしれませんね。

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2023-08-07
スズムシを巨大化させる方法!?

「村上さん。去年、保育園に持って行かしてもろぅたスズムシがおるじゃろ。あれを育てた人から、また今年も保育園に持って行ってあげてぇて頼まれとるけん、持って行かしてもらうけん。」

「小田さん、いつもありがとうございます!去年、30匹くらいもらいましたっけ。風流な音色のような、途中からスズムシの大合唱のようでもありましたよ。」

「小田さん、村上さん。スズムシに、水の代わりに“リポビタンD”あげてみ!巨大化するけん。」

「え〜、嘘じゃろ〜。ホンマなん〜!?」

「小田さん、ホンマで。50センチくらいになるけん!」

「絶対、嘘じゃが〜!なんで〜、その真面目な顔〜!」


なんだこれって会話ですよね。これは、今日開催された「そうめん流しin富岡会館」での、準備の合間に交わされた会話です。前日から引き続き行われた準備。テント張りから、そうめん流しのキットを組んだり、机や椅子を出したり、さまざまな準備を灼熱の太陽の下でするわけです。

地域の行事は、ある種で職場などで行われる行事よりも進行が難しいところがあります。なぜかって、職場で言えば理念などに基づいたメンバーで進行するのでしょうから、ある程度まとまりやすい。けれども、地域の場合は理念などではなく、ただそこに住んでいる人たちが集まって進行するわけです。職種や職歴、年齢や性別、性格や特質など、それはそれは、さまざまな人たちが、いっしょになって進行するんです。

このような場合に、ただ真面目に、テキパキと、効率良く、チャキチャキと進行してしまうと‥どこか地域の行事の場合は上手くいかないところがあるんです。もちろん、真面目に、テキパキするところや、効率良く、チャキチャキするところもあるのですが、やはりそればかりでは上手くいかないんです。

じゃあ、どうすれば上手くいくのでしょうか。その答えは“リポビタンD”です。

と、言ってもスズムシを巨大化するなんて、都市伝説にも語られそうにありませんがね。いわゆる『ユーモア』が大事だよってことです。


本日、開催された「そうめん流しin富岡会館」では、富岡北地区まちづくり協議会の方々を中心に無事に進行することができました。参加者には、地域の年配の方から、中高生、また富岡保育園に通う親子連れなど、50名を超える方々が集まられました。

ちょうど良いゆで加減のそうめんだけでなく、豊かな甘みのあるトマト、そして旨みのあるトウモロコシ、またツルツルのうずらの卵も、流水にのって流されていきました。箸を巧みに使うのですが、取り損ねれば自然に笑いも生まれますし、その笑いが、より、そうめん流しを盛り上げていくものです。


次の地域の行事は、8月11日「納涼祭in富岡会館」になります。

「村上さん!子どもも、先生も、よぅけ(たくさん)呼んでぇよ!」

と、頼まれていますので、このブログを見ている皆様、ご参加宜しくお願い致します。

ちなみに、盆踊り後に行われるカラオケ大会には、富岡保育園の職員から3組エントリーしていますので、こちらも乞うご期待下さいね。


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「そうめん流しin富岡会館」に携わられた皆様、大変お疲れ様でした。そして美味しい、そうめんをありがとうございました。ごちそうさまでした。

そして‥実は!後片付け後に、そうめん流しのキットをお借りしちゃって、富岡保育園に持ち帰っています。つまりは、富岡保育園でも、そうめん流しが開催される!?乞うご期待!!!

笹飾りで、雰囲気づくりです。
ゆでるのが、これが大変です。
食べ終わったら、次は流し役です。
2023-08-06
あのブラウン管テレビをもう一度

ほうっておけない存在がいるとしたら、それはなぜでしょうか。僕が考えるに、その存在は、自分よりも圧倒的に真っ直ぐに誠実で、不器用なまでに頑張っている、そこんところが肌よりも深く心の臓まで伝わってくるからなんでしょう。

僕にも、そんな存在がいます。そして、その1人と今日会う機会がありました。

彼について、少しばかり記してみたいと思います。彼との出会いは、保育士養成学校(短大)から。当時の彼、また僕は、保育士を目指しているにも関わらず、人前に出ることをとても苦手としていました。そして人付き合いや学校生活に対しても不適合なところが多分にありました。にもかかわらず、卒業研究発表へ向けて、彼と僕、また不適合さが類似した友人たちで、あるゼミを立ち上げたんです。それが「モテゼミ」でした。

「不適合さがゆえにモテない自分たちを変えるんだ!」と、彼が声高らかに一大発起してくれたことが、立ち上げのキッカケでした。

彼には当時から、ある才能があったように思います。それは「あいつと一緒にいると、なんとかなる」そんな雰囲気にさせる、謎めいた魅力です。

今でも語り草になっているエピソードの1つとして‥モテゼミの研究発表は、ダンスになったんですが、ですが誰ひとりとしてステップを踏める奴はいなかったんです。ど素人よりもタチが悪いメンバーが揃っていたんです。そのメンバーで、どのようにあがいて練習したかと言えば‥放課後、大学の空き教室に、彼は自宅からブラウン管のテレビをかついで持ってきたんです。そしてビデオテープを擦り切れるほど再生したり巻き戻したりしながら、何度も何度も見本のアーティストを見ながら反復練習したんです。そして遂に本番を迎えるのですが、ど素人なりのステップを踏みながら、どうにかこうにか曲が進んでいった、その矢先‥なんと、音響にトラブルが起こったんです。ど素人集団のモテゼミメンバーは、トラブルに対応する術もなく、全員がサングラスの下に汗を溜めながら、沈黙していました。その時に、ある奇跡が起きたんです。会場にいる観客のみんなが大きな手拍子で、その沈黙を掻き消してくれたんです。あの奇跡の裏には、ブラウン管のテレビをかついで持って来た、彼の、あの不器用なまでの愚直な意志があったことは間違いないはずです。

そんな彼とは、実は、富岡保育園でも一緒に働く縁を持ちました。学生気分が抜けないままに、思い返すだけで、お恥ずかしい社会人ぶりではありましたが、それでも毎日が楽しく充実していたことを記憶しています。

その後、それぞれに道が分かれるも、僕が癌を患ったことをキッカケに彼と再会しました。再会した彼とは、仕事の内容が保育・教育関係と類似していたこともあって、互いに理想を論じ合うようになりました。(とは言っても、僕がキツイ口調で「これからは、こうじゃないと、いけんのじゃ!」とゲキを飛ばしていたんだとか、そうだとか。)

そして、彼は「モテゼミを作る!」と一大発起した当時の、それ以上の闘志で、3年前、フリースクールを立ち上げることになったんです。それは、保育や療育、様々な教育や福祉制度の、その狭間で困っている子どもたちや保護者たちの、力添えになりたい、そんな愚直な意志からです。

フリースクール運営は、決して安定したものでなく、紆余曲折、不安定なところが多分にあり、度重なる運営トラブルが起こっているはずなんです。ただ、それらについても、彼はブラウン管のテレビをかついだ、あの時のような不器用なまでの力強さと懸命さで乗り越えていっています。

そんな彼のことを「ほうっておけない」と、気にかける、愛するファンは、たくさんいます。僕もその1人です。そして、彼のことを応援すればするほど、「もっと真っ直ぐに、誠実に、頑張らんといけん」と自分の身を奮い立たせてもらえるのです。


彼とは生涯の付き合いになると思っています。

互いに切磋琢磨しながら、あのブラウン管のテレビをかついだ、あの不器用なまでの愚直な意志を持って、頑張り続けたいものです。

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★明日、8月6日、日曜日、10時から富岡北地区まちづくり協議会プレゼンツ「そうめん流し」を、富岡会館で行います。気軽に、ご参加、お待ちしておりますね。

とまとを、がぶり!
2023-08-05
副園長ブログは継承されるのか?

副園長ブログを、お昼休憩の時間に、毎日読んで下さっている、法律関係のお仕事をされている、ある方から、こんなメッセージを頂きました。

「だいたい、3回に1回くらいが専門的な内容ですよね?あと、繊細な内容に触れる時は、冒頭に、かなり保険を効かせた記述を重ねて、書き始められますよね?」

ある方の正確無比な副園長ブログの分析には、グゥの音も出ません。文章パターンがバレバレ過ぎて、お恥ずかしい限りです。

実は、読者に飽きられないように、筆者なりに、あがいているわけです。炎上スレスレの過激発言をした翌日には、お茶をすすってホッとため息が出るような内容にしてみたりだとか。

加えて、こんなメッセージも下さいました。

「保育園って、本当に、いろいろな出来事が起こって、毎日が違うじゃないですか。ネタも豊富にありますよね。」

「副園長ブログは、村上さん自身のまさに成長記録なんじゃないかと思うんです。毎日とても楽しみに読ませてもらっています。」

コチラの分析も、これまたグゥの音が出ません。まさにその通り。そして、ここまで熟読して下さる読者がいることに、筆者として、感無量の思いでいっぱいです。

これに慢心せず、読者様の一日に、一輪の花を添えるような、そんな副園長ブログを目指して綴り続けたいと思います。読者の皆様、今後ともお付き合い宜しくお願い致します。


さて、今日は【継承】というキーワードについて記してみたいと思います。大人の世界であれば、事業継承なんて問題がありますよね。例えば、富岡保育園で言えば、現園長先生は三代目になりますので、おばあちゃまの時代から継承されています。

継承と言えども、形式的なところもあれば、理念や想い、また“魂”なんて目には見えないところも含まれているんじゃないかとも思うんです。

100年後、富岡保育園が保育園ではなく他の事業形態をとっていても、そこで笑顔と感謝が巡っていれば、それは無事に継承されているとも言えるのかもしれません。(逆に、100年後、保育園として続けられていても、笑顔と感謝が巡っていなければ、それは継承されているとは言えないのかもしれません。)


続いて、子どもの世界を見てみましょう。実は子どもの世界にも継承めいたことがあるんです。

わかりやすいところで言えば、遊びの継承です。ただ、これも形式的なところもあれば、“魂”のような目には見えないところもあるんだと思います。

たしか、5.6年前は折り紙ブームが富岡保育園では起きていました。かなりの高難度な作品を作っていたと記憶しています。それらに憧れて、年下の子どもたちも躍起に折り紙に取り組み、2年ほどブームは続きました。

ただ、その後は、あやとりブームが起きてみたり、ぬり絵ブームが起きてみたり、そして現在は虫捕りブームでしょうか。ブームは、その時代ごとの子どもたちの興味や関心ごとで移り変わっていくものなのでしょう。

なのでしょうが、やはり無事に継承されているんです。それは『好きな遊びを、とことんする』その“魂”です。

その魂が、こらからも無事に継承できるように、僕たち保育者は、好きな遊びをとことんできる環境作りに、笑顔と感謝を巡らせながら努めていきたいと思います。

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2023-08-04
政治とセミ

「総理にされた男~中山七里〜」総理の“替え玉”を引き受けることになった、総理そっくりの売れない役者。直面する不条理な現実に、彼が取った行動とは!?

とんでもないシチュエーションの小説を読んでいるところなのですが‥野党だ、官僚だと対決したり、テロ事件への対応に究極に追われたりだと、とにかく怒涛の展開なわけです。

ただ、その怒涛さの合間、合間、隙間、隙間、いや要所、要所には、「これが政治の醍醐味なのかな」って場面があるんですね。

それが、いわゆる【説得】【懐柔】【恫喝】【懇願】を用いた『交渉術』です。



ひとりの男の子が、セミ捕りをしていました。なんて、軽々しく記してみましたが‥セミ捕りと言えば、虫かごをさげ、虫捕り網を片手に、といった光景が思い浮かぶかと思います。

けれども、そうそう容易いもんじゃないんです。倒れそうなほどの灼熱の中、汗を滴らせ、気を張りながら、セミを見つけるところからはじまります。そして枝と枝との間に、音を立てないように網を忍ばせながら、慎重に、また一瞬のうちにセミを捕まえなきゃいけない。そして、平坦な地面の上からばかりじゃないことも言っておかねばなりません。でこぼこや、築山の上、またビールケースを積み重ねた不安定の中で、それをしなきゃ、捕まえることはできないんです。

ただ、それだけしても、捕まえることができないことだってあるんです。それは、子どもたちにとって、あまりにも高いところだったり、枝と枝が相当に入り組んだところにセミがいる場合です。安易にジャンプしたり、適当に網を投げかけても、捕まえることができないと、ひとりの男の子は悟っていたようでした。

それでは、ひとりの男の子はどのような行動をとったのでしょうか。

ひとりの男の子は、背の高い先生や、肩車をしてくれそうな先生、またひとりの男の子の評価でセミ捕りが上手そうな先生のところへ【説得】【懐柔】【恫喝】【懇願】、それぞれを巧みに使いながら交渉に向かうのでした。

「ねぇねぇ、村上先生、セミ捕まえて!」

「!?自分で、がんばって捕まえな。」

と、言われるのがオチであるため‥

「ねぇねぇ、村上先生、ちょっと来て!」

「どしたん?」

「ちょっと来て!」

「今、行かれんで。」

「ちょっとだけ!」

と、敢えて、断られる可能性のある“セミ捕り”という言葉を使わない交渉術もありますし‥

時には、泣きそうな声や、「ンヴォ!」と威嚇するような声を使う時もあります。

最終手段としては‥「お、ね、が、い!」「お、ね、が、い!」と、相手に根負けを促す懇願をします。

それでも、それでも、相手が折れない場合は‥

「セミ捕って!お、ね、が、い!」

「今、行かれんで。」

「じゃあ、ここで、待っとく!(座り込み)」


たかがセミ捕り、されどセミ捕り‥

人間臭い非認知能力の集合体である政治の世界と、それは限りなく似ているのかもしれません‥


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ちなみに、この男の子は、交渉術に根負けした例えば村上先生が、セミを捕まえようとして、そして捕り逃がしても、怒ってきたり、責めてきたりは、しません。

なぜなのでしょうか。たぶん、ひとつには、自分が選んで交渉した相手に敬意があるんだと思うんです。「あの人でダメだったら、あきらめるか」なんてね。そして、もうひとつには、次の交渉も視野に入れているんだと思うんです。「次に、頼む時に、断わられないように、ここは相手を責めると得策ではないだろう」なんてね。

2023-08-03
身体内部と外部の統合の鍵とは?

うれしいことがあったので、綴っておこうと思います。

昨日から富岡保育園へ、0歳児が3名、2歳児が1名、新しく仲間入りしました。そのうちの、ひと家庭にお話しを聞く機会がありまして‥母親から「なにかを察したのか、今日はいつもより、リーサちゃん(仮名)早く起きたんです。今日から、またよろしくお願いします。」と、期待と不安が入り交じるような表情で託されました。

実は、リーサには5つほど年上の姉のアンナがいます。アンナは、そんな母親の想いを汲んでか‥ひとりひとりの先生に「ねぇねぇ、今日から、リーサちゃん保育園来とるけんよ」と、言い回っていました。

リーサが母親のお腹にいる時には、アンナは期待と不安でいっぱいになって、よく、ひとりひとりの先生のところへ「抱っこして」と、言い回っていました。

妹想い、母親想いの、アンナの姿に、うれしさが込み上げてきました。アンナも、また抱っこしてあげるね。


うれしいことは、まだ続きます。

そんな新しい仲間が入った、富岡保育園。ご想像の通り、赤ちゃんたちは、新しい環境に慣れずに泣いちゃうこともあります。

すると、当然、先生たちは抱っこしたり、おんぶしたりして、あやします。ご想像の通り、この暑さと、赤ちゃんの体温で、先生たちの腕や背中は汗ばむほどになります。それでも、先生たちの赤ちゃんを見つめる表情は、愛おしいものなんですね。(専門用語で解説してみると‥保育者の声かけや微笑み、抱っこを通して、赤ちゃんの身体内部の感覚と、外部の感覚が統合されていき、自己や他者といった概念の獲得、感情の主観的気づきにつながっていきます。)

そんな、先生たちの表情を見るだけで、うれしくもあるのですが‥その表情と、そして赤ちゃんそのものがもつ愛おしさに、自然と子どもたちが寄り集まるんですね。赤ちゃんを中心した、群れの形成とでも言うのでしょうか。とても、うれしく思いました。


そして、さらに、うれしいことは、続きます。

それぞれの先生が、抱っこに、おんぶに、まさしくこれぞ、千手観音のようだ、と思っているところ‥ひとりの先生に不調の様子が伺えたんです。

その様子に、千手観音のような先生方が、それぞれに気づき、声をかけていくんですね。

「大丈夫?無理したらいけんよ。熱がなくても、今日は、早くあがったらどう?保育園は大丈夫だからさ。」

お互い様の気持ちで、チームメイトを労る(いたわる)先生たちの様子に、やはり、うれしさが込み上げてきました。


“うれしい”に、いっぱい出会える保育園で働けて、あらためて、うれしいです。

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2023-08-02
就職希望の方に合格する秘技伝授

なにかの媒体で、ある人が、こんなことを言っていたような気がします。(←夢だったら、ごめんなさい。記憶が定かでもないことを平気で綴るところに、副園長ブログの筆者らしさが、うかがえます。)


「むかし、むかし。道路は子どもの遊び場だったんだよ。そこへ、自動車が登場すると、どうなったかってね。“飛び出すな!車は急には止まれない!”って、子どもたちの遊び場を奪っちゃったわけ。」

「でもね、よく考えて欲しいんだ。今、日本では“こどもまんなか社会”ってキャッチフレーズがあるだろ!?本当に子どもを真ん中に置いた社会だったら、子どもの遊び場を奪うなんてしないよね!?“飛び出すな!子どもは急には止まれない!”って、自動車の交通範囲に制限をかけるのが筋だと思わないかい!?つまりは、本当は子どもなんて真ん中に置いてないんだよ。」


なにかの媒体で、ある人が、こんなことを言っていたような気がします。ブログ読者の皆さまは、どのように考えられますか?


さて、今日は、学区にある笠岡市立中央小学校で、富岡保育園を含む乳幼児施設も含めて、「架け橋プロジェクト」についての勉強会ならびに、意見交換会がありました。

まずはじめに、「架け橋プロジェクトって、なんやねん?」って話しですよね。

そして、「保育園・幼稚園・こども園・小学校連携プロジェクトと、どう違うねん?」って話しですよね。

この疑問にお答えするには、実は副園長ブログの筆者は不適応なのかもしれません。なにせ記憶が定かでないことを平気で綴るくらいですから。


そもそも“架け橋”って単語や、“連携”って単語を使うくらいですから、保育園・幼稚園・こども園から、スムーズに小学校生活に移行できていない子どもがいるってことなんでしょうかね!?

これって、実は冒頭の、ある人が言っていたような気がする内容と似てんじゃないかと思うんです。

誰を、何を、真ん中に置いて学校が、学校生活があるんでしょうかね!?

先生なのか、授業なのか、保護者なのか、名誉なのか、プライドなのか、ほにゃららなのか‥

本当に子どもを真ん中に置いた保育園、保育園生活、学校、学校生活だったら、大それたプロジェクトや、カリキュラム、研究、ほにゃららがいるのでしょうか、って副園長ブログの筆者は思っちゃうんです。ひねくれているのか、あまのじゃくなのか、面倒くさい性格をしているのでしょう。


ただ本日、「架け橋プロジェクト」に集まられた、市役所の子育て支援課、学校の校長先生や教諭たち、また他の乳幼児施設の園長先生や現場の先生たちは、とにかく“子どものために、今、私たちは何ができるか”を、熱心に真剣に考えられていました。その誠実さや熱意に感化され、筆者も、おおよそひねくれている場合じゃないと、今、できる限りの最善の意見や行動をとっていくよう努める所存です。

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★就職希望の方へ。新卒に限らず、「今すぐ就職したい!」とのご希望にも対応します。(話し合いましょう)保育士資格をお持ちならば、年齢・性別・国籍など不問です。笑顔と感謝の気持ちをもって、いっしょに、とみほ村で暮らしましょう。コチラもお問い合わせはホームページTOP電話番号から宜しくお願い致します。(又は担当の副園長村上に直電もOKです。09X33715648)

※応募や面接の際に「副園長ブログを見ました!」と言うと、高確率で合格します。

2023-08-01
『暑中お見舞い申し上げます』

7月最終日。セミに、アサガオに、早朝から活発な今日この頃。定期的な水分・塩分補給を、チームで心がけ、熱中症に注意を払いながら、夏の暮らしを充実させていきたいと思います。

ブログ読者の皆様も、夏ならではの、お出かけやイベントが、待っていることかと思います。是非、心身の健康を整えてお楽しみ下さい。

※食事(冷たい食べ物や飲み物ばかり摂取すると、胃腸の機能を弱めます。温かい物も意識的に摂取しましょう。)

※睡眠(不規則になりがちな生活は、まずは早起きで改善していきましょう。起き立てに太陽の光を浴びると神経が整っていきますよ。)

※運動(ラジオ体操やストレッチなどで、身体の可動域を確保しましょう。散歩は、涼しい時間帯がオススメです。)

※笑顔(よく笑うことで、免疫力が整います。)

※感謝(身近なことに感謝することで、幸せホルモンが分泌されていきます。)



それでは、今日は本日発行予定の『とみほ村だより~富岡保育園×富岡北地区まちづくり協議会×クレヨンKIDS~8月号』の、理事長コラムをご紹介したいと思います。

※購読希望の方は、村上までお問い合わせ下さい。お近くであればお届けしますし、遠方であれば郵送しますよ。(09X33715648)



『暑中お見舞い申し上げます』


酷暑と言われる今年の夏。皆様、いかがお過ごしでしょうか。富岡保育園とクレヨンKIDSの子どもたちは夏を楽しみ、夏ならではの遊びを満喫中です!一緒に暑い夏を乗り切りましょう!

のボランティア体験、インターンシップ、また毎日の生活の中で、たくさんの方々が富岡保育園とクレヨンKIDSの暮らしを楽しんで下さいます。特にこの夏は人数にして約50人、延べで約140人!

子どもたちは、友だちや家庭、学生さんや大人の多様性を知り、周囲の人や環境との関わり方を自然に身につけます。

今の子どもたちが大人になる頃、社会はさらに変容しているでしょう。少子高齢化、グローバル化が進み、多様な文化をもつ他者と協働して新たな価値を創造する力がますます問われることになります。

こうした力は、学習指導要領の中でもこれから必要になる力「社会情動的スキル」として示され、乳幼児期からの豊かな人間関係を通して培われます。

人の信頼感や関わり方は、実際に多様な人と関わる中で、喜びや楽しさ、悩みや葛藤を味わいながら学んでいくものです。

「君たちはどう生きるか」問われているようなこの頃です。


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明日からの新入園児を心待ちにしながら‥
2023-07-31
それが何かの遠吠えでも‥

ここのところ、語気を強めていることがある。


夏休み期間を利用して、猛暑の中、汗を滴らせながら、学校の先生方が、富岡保育園へ足を運んで下さっています。目的は、乳幼児教育への理解と、就学前の子どもたちの様子を知ることだと認識しています。大変嬉しいことであり、感謝をしています。

笠岡市に限らず、全国的に、保育園・幼稚園・小学校の連携プロジェクトが盛んになっていますし、また小学校・中学校の一貫校プロジェクトも盛んになっていることも、足を運ぶキッカケになっているのだと思います。

足を運んで下さった先生方には、富岡保育園の成り立ちから、保育実践についてを、僕の言葉で伝えています。なぜ、この地域で、この場所で、保育園を運営しているのか。また、なぜ、時代の変化に向き合いながら保育実践を改革してきたのか。

そして、就学前の子どもについて問われると、ある程度の特徴については答えます。答えますが、僕の場合は、そのように多様な特徴を持つ子どもたちを、この少子化時代の学校では、どのような仕組みに変えて守るかを提案していきます。

提案するとなると、「素人のくせに!部外者のくせに!」なんて謙遜を促すような意見も届きそうですがね。ですがね、上記にも綴りましたように、時代の変化が激しい時分だからこそ、新しいプロジェクトが動き出す時分だからこそ、素人や部外者の声が光を持つことがあるんじゃないかと、僕は思っているんです。

たいてい学校の先生方は、僕の提案に‥例えば「“特別学級”というクラス分けは、時代が主張しているものと異なるんじゃないでしょうか。子どもが減って、空き教室も増えるならば、逆に好転的に利用できませんかね。例えば、一般的な進度クラスと、ゆっくりめなクラスと、個別対応クラスなんかを、子どもや保護者が選べるようになんて、できませんかね?」なんて、ことを、親身になって聞いて下さいます。

親身になって聞いて下さることに乗じて、僕は、語気を強めて必ず主張することがあります。

ブログ読者も聞き手である学校の先生になったつもりで、耳を傾けて下さることをお願いします。


『先生、話しは変わるのですが‥就学前児童を対象に、秋に健康診断などが行われるじゃないですか。今年も何名かお世話になると思います。宜しくお願い致します。(一礼)先生、その時に、毎年“スクリーニングテスト”って、簡易的なテストをしますよね?あれについて、僕から、個人的にひとつ意見を言ってもいいですか?』

『スクリーニングテストって、全国で義務的にしているものではありませんよね?いくつかの自治体に電話で問い合わせたところ、実施していないところもあったので。』

『失礼を承知でお聞きしますが‥本当にする必要があると、先生方も思われていますか?もちろん何らかのメリットがあるから、毎年実施しているのだと思うのですが‥時代錯誤に思えて仕方がないんです。』

『あのテストの内容を、乳幼児施設の先生は知ることができないじゃないですか。それにも関わらず、テストの点が基準値を満たさなければ、乳幼児施設の先生が、保護者に伝えるように学校の先生からお願いされたりします。しますが、内容も分からないテストの点だけを保護者に伝えることによって、生まれてしまうのは保護者の“不安”だけじゃないでしょう。何か分からないテストの点が何か分からない基準値に届いていなかったから、我が子は何かが足りていないって思うことにして、今まで気にならなかった我が子の行動を気にするようにして、そして注意したり怒ったりしてしまって、親子関係の不和にもつながる、そんなケースが実際にあるんです。』

『スクリーニングテストを実施するのであれば、例えば、保護者の希望で実施するのはどうでしょうか。そしてもちろんテストの内容と結果も公表することを前提に、です。』

『ただ、僕としては“スクリーニング”という日本語に訳すと、“ふるい分ける”という言葉が、やはり時代錯誤だと思うんです。本当に、就学前に“ふるい分ける”必要があるのでしょうか?就学前の子どもたちの秋に実施したテストが、小学校入学に本当に反映されるべきなのでしょうか?人生100年時代に、ましてや、ここのところ教育改革のテーマとなっている“主体性”や“多様性”を本当に実現するのであれば、入学よりも前に、早くから早くから、能力を測ったり、ふるい分ける必要が、本当にあるのでしょうか?僕は新しいプロジェクトが動き出している今だからこそ、ひとつずつを見直すキッカケなんじゃないかって思うんです。そして見直すだけじゃなくで、変えるところまでを、今の僕たちがしなきゃいけないと思っているんです。』


正直、学校の先生方も、もちろん保育園の先生方も、そしてブログ読者も、百も承知の論理かもしれません。百も承知にも関わらず、制度や軋轢、仕組み、忖度などがあることが障壁になっていることを知った上で、声をあげないこともあるんだと思います。ますが、声をあげないことには、守れるものも守れない!と、僕は思って声をあげ続けます。それが何かの遠吠えでも‥。

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灼熱の最中、縁側の屋根の補修に、感謝。
2023-07-30
番外編‼︎卒園児の高校生と焼肉へ

「村上先生のゲンコツ、めっちゃ痛かったけん」

「食べ物をわざと落とした子に、村上先生、めっちゃ怒っとったよな」

村上先生についての、当時の痛々しい感想が、ここから続いていく‥。


この“村上先生”とは、さかのぼること12.3年前の僕のことです。隠しようもなく、恐ろしい保育園の先生じゃないですか。今ではそんなことは無かったのように偉そうに講釈を垂れて振る舞っていますが、痛々しい記憶は痛々しい感想によって蘇ることになったのです。

蘇らせてくれたのは、その当時の園児たちです。現在、高校3年生の18歳になる男の子3人組です。

この3人組と、恐ろしかった保育園の先生、村上先生とは少々因縁があって‥小学生や中学生、また高校生になっても、よく保育園に寄ってくれていたんです。

まだ3人組ともが幼さを残していた頃は、よく腕相撲をして、村上先生は力の差を見せつけていました。ただ、どんどん3人組が成長するにつれ、腕相撲の場は開かれることなく、学校のことや、プライベートについての近況を語り合うようになりました。

村上先生が癌を患った時には、“喝”と大きく力強い文字で記した手紙を送ってくれたりもしました。2年前には、村上先生が携わっていたラジオ番組に3人組でゲスト出演してくれました。

いつしか、村上先生は、成長を手助けする役割から、3人組の成長から、元気、活力、励みを得るようになりました。


そんな3人組の1人が、最近、ボディメイク(筋肉)の大会に出場して、見事入賞したそうで‥お祝いがてらに、3人組と村上先生で、焼肉に行ってきたわけです、昨日ね。

焼肉屋に到着するなり、「よっしゃ!ベルトゆるめとこっ!ボタンもはずしとこっ!」と、3人組の漲るパワーが炸裂。

保育園当時の、あの冒頭の痛々しい感想を、カルビ、ハラミ、ホルモンに、味噌だれをしっかりとつけつつ、ご飯といっしょに頬張りながら語ってくれるわけですよ。

「タレにニンニク入れんと、漢(おとこ)になれんで!」と、3人組は励まし合いながら、ご飯をさらにお代わりし、シーザーサラダとチョレギサラダを間にはさみながら、気持ち良いくらいに頬張り、そして、まだまだ語ってくれました。


「村上先生!進路のことなんですけど‥」

保育園当時の痛々しい感想から、急転して、高校卒業後の進路についての話題になりました。それぞれにアドバイスを生ビールを飲み続ける村上先生からもらおうとしたようですが、アドバイスは無用でした

3人組のそれぞれが、ちゃんと将来を考えていることが伝わってきましたし、ちゃんとした期待と不安があることも伝わってきました。

どんな進路になろうが、この3人組は、またそれとなく集まっては、他愛もなく語り合い、励まし合い、助け合いながら、そして仲良く歳を重ねていくんだろうなと確信するところが、村上先生にはあったからです。


“先生”という立場を勘違いし、怒り散らかしていた当時を思い出すと、どこか痛々しい気持ちと省みることが、村上先生にはあふれてきます。

そして、実は、園児たちは、とても、客観的に、かつ冷静に村上先生のことを見ていることも、本当によく分かります。

「俺、正直、お昼寝の時間、1回も寝たことなかったけん。寝るふりして、目をつぶって、空想しょーたけん。」

「おやつに出た、ジャコがのっとるトースト、めっちゃ美味しかったんじゃけど、正直足らんかったよな。2.3枚は余裕でいけたけん。」

「節分の鬼の時、俺も泣いたけど、誰々が1番泣いとったよな。」


カルビ、ハラミ、ホルモン、その残り油が、これでもかと皿にたまってきた時、その日の終わりが告げられました。

ベルトがゆるむとともに、財布の紐もゆるみ、そして3人組の語る言葉でどこか気がゆるまった、そんな素敵な時間でした。

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成長を見届け続けさせてもらえることに感謝しています。


もしもブログ読者の方で、卒園児の方がおられれば、当時の思い出話をしに、気軽にお越し下さいね。忖度なく、遠慮なく語って下さい。お待ちしています。

2023-07-29
世にも奇妙な保育園

昨日、笠岡市は38度の記録的猛暑日でした。痛いくらいの陽射し。ムンと息苦しい熱風。ブログ読者も含めて、皆さま、心身ご自愛しながら、とになく無理なく過ごして、そして、生き延びましょう。

さて、そんな猛暑日に、少しでもヒンヤリするお話しをと言えば‥

タモリさんがストーリーテラーを務める「世にも奇妙な物語」でしょうか。物語に引き込まれて背中がゾクゾクしちゃいますよね。

ただ、今日は、タモリさんならぬ、タイシさんが、ストーリーテラーを務めて「世にも奇妙な物語」をお届けしたいと思います。照明を少し落とした薄暗い、そしてキンキンと冷えたお部屋で、お読み下さればと思います。


こんな話しを耳にしました。

「なんで、富岡保育園を卒園した子どもたちが、小学校の生活に順応できるのだろうか?むしろ、他の保育園や幼稚園に比べても、よく順応しているのは、なぜなんだろうか?ちょっと不思議なんですよね‥。」

このお話しをされた方にとっては、世にも奇妙に思えたんだと思います。

なぜかって、富岡保育園では、小学校の生活を予習することは、まったく無いからです。1時間ごとに区切った活動も無ければ、文字を書く練習も無い。足し算や引き算の練習も無い。歌の練習も無いですし、体操の練習も無い。運動会や発表会なんてのも無い。とにかく無いだらけなのに、なんで、小学校の生活に順応できるのだろうか。不思議で不思議で、奇妙に思えてくるんですね。

そうすると、こんなことを思ってしまうこともあるかもしれません。「無い無い、無い無い、と、言っておきながら‥実は、裏で、こっそり、いろんな練習をやってるのでは!?」

この疑心は、富岡保育園に足を運ぶと、瞬く間に消え去るはずなんです。なぜかって、裏も、こっそりも無いからです。登園から帰園まで、子どもたちは、それぞれに遊びを選び“自らの時間”を過ごしているからです。

「じゃあ、なんで、富岡保育園を卒園した子どもたちが、決められた活動がメインの小学校の生活に順応できるのか。あれだけ、好き勝手ばっかりしてるのに!おかしいじゃないですか!」なんて、ムキに疑問を抱きはじめるかもしれません。

それは、この物語の味噌が【考える】だと言うことを、理解しなくちゃ解き明かせないんですね。

好き勝手しているように見えて、実は、富岡保育園の子どもたちは、朝から晩までずっとずっと圧倒的に考えさせられているんです。

今日は何を着て行こうか。どの帽子をかぶっていこうか。靴はスニーカーにしようか、それともサンダルにしようか。もしくは長靴にしようか。登園すると、今日は何をして遊ぼうか。誰を誘おうかな。何の道具を使おうか。困った時はどの先生に助けてもらおうか。疲れた時は、どの先生に抱っこしてもらおうか。いつご飯を食べようか、誰と一緒に食べようか、どのテーブルで食べようか‥。

毎日、毎日、毎日、毎日、今日、今、この環境で、僕は、私は、どのように過ごそうかを考えているんです。

つまりは、『小学校に行けば、小学校という環境で、僕、私は、どのように過ごすかを考えること』が、習慣的にできるんです。

反対に、与えられた環境で、決められた活動を、毎日、毎日、毎日、毎日していたら、どんな習慣が付くでしょうか?

与えられることに慣れちゃいますよね!?決められることに慣れちゃいますよね!?


ストーリーテラー、タイシさんから、奇妙な終わり文句を述べておきたいと思います。

「もしも、小学校の予習をすることなく、小学校に順応することができるならば‥小学校の予習をすることがある種、奇妙なのではないでしょうか?」

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なにが奇妙で、なにが奇妙でないか‥。

世の中は奇妙なことで溢れているのかもしれませんね。

2023-07-28
熱狂富岡北地区まちづくり協議会

昨日、19時にキックオフされました、富岡北地区まちづくり協議会理事会の模様をダイジェストでお送りしたいと思います。

実況を務めますのは、富岡北地区まちづくり協議会広報担当の富岡保育園副園長村上太志でございます。宜しくお願い致します。


会場は、2ヶ月ぶりに富岡保育園の母屋にあたる通称“方谷の間”で行われました。(※この2ヶ月、理事会当日に村上が東京出張に行っておりましたので、その間は坂の上にある富岡会館を会場としていました。ご不便をおかけしたこと誠に申し訳ありませんでした。)(※“方谷の間”は、江戸末期偉人である山田方谷さんが宿泊された部屋であることから、そのように名付けています。)

まずは、会長から、はじめの挨拶です。

「梅雨も明け、陽射しも本格的となり、厳しい日が続きますが、暑さに負けないで、ひとつずつ行事を進めたいと思っておりますので、何卒お身体ご自愛しながら、ご理解ご協力よろしくお願いいたします。」

と、力強いお言葉が届けられました。そして、次は、この令和5年度市役所地域担当職員の配置変更について、担当職員の方々が挨拶をして下さいました。

この度からは、商工観光課、企画政策課、建設事業課から、3名様が仲間に加わって下さいました。行政と当協議会とのパイプ役となり身近で強いパートナーシップを築いて頂けるよう、お願いしました。


それでは、ここからは活動報告です。

①初夏の「富岡公園」「桜椿公園」の追加清掃を行いました。7月2日日曜日8時から10時まで。早朝より暑い中、参加された方々ご苦労様でした。

②「ラジオ体操」&「そうめん流し」事前打ち合わせを行いました。7月15日土曜日9時から10時まで。18名が参加されました。

③「市防災シンポジウム」に参加しました。7月15日土曜日10時から12時まで。西日本豪雨災害から5年が経ちました。防災、減災、自助、共助を今一度見直しましょう!

④「夏休みラジオ体操」を7月20日から25日まで6日間、6時30分から行いました。延べ296名が参加して下さいました。自主財源から最終日に参加賞を贈呈しました。


次に、活動予定です。

①「そうめん流し」を8月5日土曜日8時から前日準備を行います。テントの設営、樋の設置、調理室の清掃などを行います。前日準備の参加人数が少ないため、協力して頂けそうな方に声をかけることになりました。(※場所は富岡会館です。)

②「そうめん流し」8月6日日曜日、当日準備は8時からです。本番は10時からとなりました。食品を取り扱いますので、参加者が安心安全に楽しめるように、衛生面に万全の注意を払うよう力を合わせたいと思います。(※買い物班の方々は、地域の八百屋「ヒロツネ」さんと相談して準備をすることになりました。宜しくお願い致します。)

③富岡会館主催「納涼夏祭り」の盆踊り練習を8月5日土曜日19時から、富岡会館集会室にて行います。年々、盆踊りへの参加者が減っていますので、みんなで盛り上げていけるように、ご協力よろしくお願い致します。

④富岡会館主催「納涼夏祭り」の準備片付け協力の依頼です。当日8月11日金曜日、山の日、富岡会館駐車場広場にて、7時から行います。(前日は8時から有志で行います。)本番は18時集合、19時開始で21時過ぎに終了予定です。片付けは23時頃終了予定です。高温多湿の環境の中、長時間作業になります。決して無理をしないで適宜休憩をとりながら、ご協力よろしくお願い致します。


と、いった内容を話し合った上で‥

その他では‥

・ネコのトラブル!野良猫に餌をやっている人がいて、ご近所に被害が及んでいるのだが、どうしたものだろうか!?

・出張出前講座の、今年度の内容は何がいいですか?健康系にしますか?福祉系にしますか?

・富岡会館の北側の側溝が倒壊しかけているので修理が必要なのではないか!?

・秋の応神山登山の日程を11月5日にしませんか?

・笠岡市フリーペーパー「カサオカスケッチ」の紹介。(※この度、富岡保育園も掲載されました。)


諸々を、熱く語り合って20時30分過ぎにフィニッシュしました。


なんで、保育園の公式ホームページに、地域の理事会内容を、こんなにも詳しく綴るのか?

それは、これだけ地域の平和を隅々まで考えている方々がいる地域に、富岡保育園があるってことを伝えたいからです。何かあったら助けてもらったり、頼りにできる方々がたくさんいる地域って、安心できませんか?

もたれてばかりではなく、富岡保育園も地域に貢献できるよう、今もこれからも尽力していきたいと思います。(※さっそく、貢献がてらに、納涼祭りのカラオケコーナーに、盛り上げ役として、3組の現場保育者たちがエントリーしました。乞うご期待!!!)

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2023-07-27
ハモ泣き

「ンヴェォーン、ンヴェォーン」

何の効果音でしょうね。あまり馴染みのない効果音かもしれません。

この効果音は、一般的には「えーん、えーん」だとか「しく、しく」だとかで記すのでしょうが、今回はとにかく、リアリティをもってもらえるように「ンヴェォーン、ンヴェォーン」と記してみました。

いわゆる、『泣く』行為に対しての効果音です。今回で言えば、早朝、登園するやいなや、ひとりの男の子が発したものです。この男の子で言えば、もちろん保護者との別れを惜しむ気持ちもあれば、早起きをし過ぎて眠たい気持ちもある、そして自宅から保育園という環境の変化に対しての不安の気持ちもある、いろんな気持ちから「ンヴェォーン、ンヴェォーン」となっているんだと思うんです。

そんな時に、現場保育者は、「何で泣くの?」なんて野暮なことは聞かずに、あたたかく抱っこしたり、丁寧にさすったり、ただ笑顔で優しい気持ちを伝えるように努めているんですね。


そんな「ンヴェォーン、ンヴェォーン」と泣く男の子の隣に、「ヒーン、ヒーン」と泣く、もう1人の男の子がいました。「ヒーン、ヒーン」と泣く効果音は、蚊の鳴くような小音で、どちらかと言えばかなり控えめのように映りました。

「ンヴェォーン、ンヴェォーン」と「ヒーン、ヒーン」がハモる現場に居たのが、新人保育者と主任保育者と僕でした。主任保育者と僕が新人保育者に対して‥

「B君(ヒーン)が、A君(ンヴェォーン)くらいの時(年齢)は、もっと凄かった(泣く強度)よな〜。昼くらいまでかかる(泣き止むまで)こともよくありましたよね〜。あの時に比べると、B君は立ち直りも早くなったし、A君のンヴェォーンも大したことないよね〜。」


そうこうしているうちに、「ンヴェォーン、ンヴェォーン」から「ェーン、ェーン」ほどの効果音に。「ヒーン、ヒーン」から「しく、しく」ほどの効果音に。

もう間もなくでしょう。2人とも、太陽の光が降りそそぐなか、汗をかき、地面をふみしめ、水をあびながら、遊びにかけていくはずです。

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2023-07-26
朦朧としながら破壊への道を検証

諸事情により、あの軍団の遊び仲間になってみました。あの軍団ってのが、ほっとけば1日中、炎天下の中で虫捕りをする勢いのある軍団です。

時計を見ると、短い針は数字の2を指していました。太陽はどこにあるんでしょうね、ただただ暑いんです。


大きな桜の木の下に広がる大きな木陰には、ある遊び場があるんです。それは、月にあるクレーターのようなデコボコとした築山。

その築山を土俵に、水を貯めて遊んでみようとしたんです。

スコップで掘ってみたり、土や丸太の木の皮を使って堤防を作ってみたり、いろいろと工夫してみたんです。

してみたんですが、あの軍団のウィークポイントが露呈ちゃって、堤防は破壊の道を辿ったのです。

ウィークポイントは、逆にストロングポイントでもあるのですが、掘ったり、固めたりしていると、頭上に広がる桜の木に、セミやキラキラ光るタマムシ、トンボなどの虫が飛んでは止まるところに気づいちゃうんです。気づいちゃうもんですから、どうしても堤防作りはストップするんです。

頭上が落ち着くと、また掘っては固めてと、精を出すのですが、今度は、背後の地面にトカゲの気配を感じちゃうんです。すると、やっぱりね、ストップしちゃうんです。


破壊への道を辿る次のウィークポイント。それは、軍団を“あの軍団”と呼んだところにヒントがあるんです。

例えばブログ読者で芸能通であれば“たけし軍団”って聞いたことがありませんか?絶対的カリスマ性のある存在のビートたけしさんを筆頭にした軍団ですよね。たけし軍団であれば、ビートたけしさんが物申せば皆が従うわけですよね。

ですが、あの軍団では、その筆頭とする存在がまだ出来ていないんです。二郎は一郎の言うことは聞くんだけど、大吉は一郎の言うことは聞かないんです。中吉は大吉の言うことは聞くんだけど、一郎は大吉の言うことは聞かないんです。ちぐはぐに噛み合わないもんですから、固めたところを掘ったり、また掘ろうとするところを固めようとしたりしてしまうんです。そして輪をかけたように、弥七は大吉も一郎もどちらの言うことも聞かないわけです。そして八兵衛が登場すると、ちぐはぐを、さらにややこしくしてしまうものですから、どうにもこうにもいかないわけです。


ぼくは太陽がどこにあるのか。あの軍団とどのように波長を合わせて遊べがよいのか。炎天下の中、ただただ朦朧と彷徨うだけのようでした。

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ちぐはぐ、ややこしい、どうにもこうにもいかない‥それらが、余計とさまざまな、喜怒哀楽を生んでいたのかもしれません。

休憩中の大工さんと、おしゃべり。
2023-07-25
さまざまな、巣立ち。

お知らせです。

ツバメの赤ちゃんたちが無事に巣立ちました。長い間、愛を込めて見守ってくださり、誠にありがとうございました。

ただ、もしかして「巣立つ前くらい、御礼と挨拶くらいしろよな!」と、ふてちゃった方なんかいたりして!?

愛を込めれば込めるほど、愛着も湧いちゃいますし、別れも寂しくなるものですよね。

けれど、もしかすると、ときどき、僕やあなたの上に飛び交うツバメは、もしかすると、あの巣立ったツバメかもしれませんよ。

込めた愛は無駄じゃないんです。そして込めれば込めるほど、しっかりと飛んでいけるんじゃないでしょうか。



今日、お昼ごろに、偶然通りかかったウッドデッキで、なんの気無しに休憩を僕はしていました。そのウッドデッキでは、何人かの女の子たちが話し合いをしていました。僕は特に参加するつもりもなく、そこにいただけなのですが‥

「村上先生!ちょっと、あっち行っといて!」と、するどく声をかけられました。

反論する間もなく、心の中で「お〜!こわい、こわい!」と思いながら、その場を去りました。

が、去りましたが、悪い癖で、ちょっと気になったので、少し離れたところで、その話し合いの様子を見ていました。

話し合いの内容は、これから誰を誘って、どのように遊ぶかを、自分たちで真剣に決めているようでした。

話し合いをする女の子たちのメンツを見たところ、少し前までは、「村上先生、一緒に遊ぼう!何して遊ぶ?」なんて、しばしばと僕のところへ誘いにやって来ていたメンツでした。

誘われないことへ一抹の寂しい気持ちはありますが、反面、「少しずつ、巣立っていってんだなぁ。」と安堵する気持ちにもなりました。(心の安全基地)


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★夏のボランティア体験学習に、中高生が大勢参加して下さっています。(約50名ほど)そのため、食材の確保なども含めて、ワンコインランチは、この期間はご予約制とさせて下さい。ご予約は、ホームページTOP電話番号から宜しくお願い致します。(すでに満員御礼日もあり、お断りする場合もあるかもしれません。ご了承ください。)

★入園希望、ならびに就職希望などの理由で、園見学される方々も、この夏、大勢おられます。富岡保育園・クレヨンKIDSに興味を持って頂けることに大変感謝しています。はじめて見学される方には、園長又は副園長がじっくりと丁寧に案内したいと思っています。時間にして1時間以上かかります。コチラも、見学者が重ならないためにご予約制とさせて下さい。ご予約は、ホームページTOP電話番号から宜しくお願い致します。

歯医者さんごっこ、だそうです。
じっくり寝ている、みたいです。
2023-07-24
ハイビスカスクリスタルレッド!

“ハイビスカスクリスタルレッド”文字数にして14。響きだけでも、その華やかさが想像できる、お花の名前。


日曜日でも手加減なく、夏のラジオ体操が行われる、富岡北地区まちづくり協議会。参加すると、そのお陰様で、日曜日でも手加減なく、早朝からエンジンがかかってしまうんです。

かかってしまったエンジンに対して、ガソリンが垂れ流しになってはもったいないとばかりに、ラジオ体操後に、笠岡市神島(こうのしま)にある社会福祉法人天神会(てんじんかい)内の小規模保育園クレヨンKIDSまで車を走らせてみました。

日曜日の、ましてやこんな時間から、クレヨンKIDSのお庭にいると目立ったようで‥天神会内の他施設に、日曜出勤されている方から、ちょっとしたビックリマークとハテナマークが飛んでくるのが分かりました。

ただ、かかってしまったエンジンごと「おはようございます!」と声をかけてみたところ、そのマークたちは吹き飛んでくれたようで、明るい笑顔で挨拶が返ってきました。日曜出勤されている天神会の方々、今日も1日がんばって下さいね。


さて、まだまだガソリンが残っていたので、お庭の水やりをやってみました。白いフェンス際には、クローバーやアサガオ、トマトにキュウリ。またランダムにいくつか点在している、丸い形の花壇にも、それぞれにお花が植えられていました。

クレヨンKIDSに委託事業として参加する前、何度か下見に足を運んだことが、実はありました。その際には、花壇もなければ、プランタナーもなく、雑草もほとんど生えていないような、どこか無味無臭なお庭だったことを記憶しています。

比べてしまってはいけないのでしょうが、やはりお庭には、さまざまな植物があると、生き生きとした環境になります。そして、子どもたちの成長する場としてはそのような環境が望ましいように思います。


水やりをしながら、じょじょにガソリンがなくなっていることを自覚し、ぼーっとしていたところ‥となりの施設脇から、ひとりの女性が、お庭にやって来ました。

実はこの女性の存在は、クレヨンKIDSメンバーから、重ね重ね聞いていたんです。それは、このお庭が生き生きとした環境になるために、さまざまな植物の苗や種を分けてくれたり、時には植え付けもお手伝いしてくれる、感謝してもしても、しきれないほどの存在なのだと。

その女性は、ひとつの茶色い楕円形の鉢に植えられた植物に、細い緑色の支柱を添えはじめました。その植物の姿にあまり見覚えがなかったこともあって、尋ねてみたんです。

「その植物、なんなんですか?」

「これはね、ハイ〇〇〇〇〇〇〇〇〇レッドって言うのよ。」

「え!?すみません!ハイ!?なんちゃらレッド!?もう1回教えて下さい!」

「ハイビスカス、クリスタル、レッド。ハイビスカスクリスタルレッドよ。」

「へ〜。早口言葉みたいですが、なんだか豪華な感じですね。」

「スマホがあったら調べてみたら。綺麗な花が咲いて、そしてその後、赤い実がなるのよ。」

「どれどれ‥‥ホントだ。めちゃくちゃ綺麗ですね。こんなのが咲いたら、みんな喜ぶでしょうね。」

「でしょ。だから、水やりも頑張んなきゃね。」


クレヨンKIDSに委託事業として参加し、1年と4ヶ月が経とうとしています。現場保育者たちの奮闘はもちろんなのですが、天神会内のさまざまな方たちが「子どもたちのために」と、日々趣向を凝らし、生き生きとした環境を作ってくれています。本当に感謝、感謝、です。

さまざまな方たちの想いは、子どもたちの成長や発達にも良い影響を与えていることは言うまでもないでしょう。

さまざまな植物が植えられた花壇の傍らに、小さなフライパンが転がっていました。フライパンの中には、たくさんのセミの抜け殻がありました。いっぱい考えていっぱい遊んだ、そんな名残りのようでした。

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クレヨンKIDSのお庭に、遊びの名残りが‥
2023-07-23
一皮むけた“今年の”メアリー

今日はメアリーの話しをします。

メアリーは、海外からはるばる、日本の中でも晴れの国として名を馳せる岡山県の、そしてその中でも瀬戸内海からの潮風や陽射しを強く濃く感じるであろう笠岡市にやって来たのである。やって来る前の国とは、気温にして10度以上高くもあり、湿気などは信じられないくらいに感じるんじゃないでしょうか。

そして、気候よりも、違いを感じるのは言葉だとも思うのです。やって来る前の国では、友だちと思ったことや感じたことを、言葉にして共感し合えていたはずだから。


ただですね、“今年の”メアリーは、ちょっと違うんです。

“今年の”と付けたのには理由があって、実はメアリーは去年も、はるばる笠岡市に、そして、なんと富岡保育園に来てくれていたんです。

去年のメアリーは、気候も言葉も、そして日本も笠岡市も、そして富岡保育園も、すべてが初めてだったわけですから、それはそれはとんでもない体験だったはずなんです。これは、メアリーにしか分からない気持ちですから、詳しくは記せないところがありますが‥海を渡った先の、日本という、なんだか分かんない国の、東京などといった世界的にメジャーなところでもなければ、岡山県笠岡市というマニアックな町の、さらに富岡保育園という得体の知れない保育園に約1ヶ月も通ったんですから。

そのとんでもない体験と、1年間でさらに成長した“今年の”メアリーは、やっぱり去年とは違うんですね。それは、「得体は、なんとなく知ってるから」という、どこか落ち着きがあるんです。

去年、富岡保育園で知り合っている園児や先生もいるのですが、そうではない園児や先生もたくさんいます。なんなら、メアリーの方が富岡保育園の得体を知っているなんてこともあったりして。 

メアリーの姿を追うと‥3歳くらいの、かなりのカタコトの日本語をしゃべる女の子に誘われ泥んこ遊びをしていたり‥生粋の笠岡弁をしゃべる近所のおじいちゃんと、ビーズでネックレスを一緒に作ったり‥散らかった言葉でコミュニケーションをとる、徒党を組むような男の子たちとセミ捕りを一緒にしてみたり‥小学生の女の子が日本人でも聞き取れないくらい早口でしゃべっては、アツいジェスチャーを交えてくるのを、いちように笑顔で受け止めてみたり‥


得体の知れなかった保育園で、去年、メアリーが知った得体とは、「ここで出会う人たちは、私に合わせようとはしてこない。ありのまんま、そのまんまで、ぶつかってくる」ってことだと思うんです。

だからこそ、メアリーも、ありのまんま、そのまんたでぶつかればいいと思っているはずなんです。嫌なことや寂しいことがあれば我慢せずに泣けばいい。嬉しいことや楽しいことがあれば我慢せずに笑えばいい。


今年の”メアリーからは、そんな笑顔や涙をたくさん見ることができます。そして、どこかで「富岡保育園がメアリーにとって、ひとつの居場所になれば‥」と、静かに願うのです。

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言葉が分からないからこそ分かる気持ちがあるとしたら‥

2023-07-22
気になる、その後‥

「その後、タロウとハナコとツバメは、どうなったんだろう‥」

ブログ愛読者からの心配する声が届きました。


はじめて、ブログをお読みになる方のために、少しだけ説明しますね。

とある理由からツバメの巣の一部を壊しちゃったタロウ。その一部始終を見ていた保育士、ハナコ。それからというもの、ツバメの赤ちゃんの無事を祈るように、ツバメの巣を見守るための時間を、ハナコはタロウと持つようになりました。

そして、その後、どうなったかってことですね。ハナコとタロウは、まだ無事を祈り続けているのだろうか。そしてその祈りが通じて、無事にツバメの赤ちゃんが巣立ったんだろうか。そこんのところが、ブログ愛読者たちは気になるんだと思うんです。


保育の現場、子育ての現場は、足し算や引き算のように、「こうしたら、こうなる」「ああしたら、ああなる」の世界ではないんですね。

上手い具合にアプローチできたとしても、良い結果が得られるわけではないんです。逆に、上手い具合にアプローチできなかったとしても、良い結果が得られることもあるんです。

なので、結果論では語ってはいけない世界だと思うんです。でも、だからこそ、その過程を大切にしなきゃいけない。

難しいはずなんです。結果を求めず、過程を大切にするって。過程を大切にすると、どこかで結果を求めたくなるのが、人間ってものだと思うんです。ただ、それを自制していくことが、保育や子育ての現場では必要とされるのです。


その後、ハナコはタロウと、ツバメの巣を見守る時間をもつ努力を続けました。そんなハナコの想いが通じるとき、タロウはツバメの赤ちゃんに対して健気(けなげ)な声をかけるのです。のですが、通じるときばかりじゃないんですね。心から無事を祈る気持ちでないときのタロウもいるんです。んですが、それでもハナコは、1人でも見守り続けるのです。自分のそんな姿、気持ちがタロウに伝わればという一心で。

ツバメの赤ちゃんは、無事1羽巣立ちました。そして、残り2羽が、間近に控えた巣立ちを準備しているようです。

残り2羽が巣立つまで、ハナコは祈り続けるはずです。それはツバメの赤ちゃんの無事と、そして、タロウと共感したい、またその一心で。


ハナコの、そのひたむきなまでの一心な後ろ姿には、過程をこれでもかと大切にする見本を見たように思いました。

どうか、ブログ愛読者の皆さま、残り2羽のツバメの赤ちゃん、そしてタロウ、そしてそしてハナコにエールを宜しくお願い致します。

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2023-07-21
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