富岡保育園へようこそ!「伸びる。成る。子どもも大人も互いに伸び合い、成長し合う『大きな家』でありたいと願い、社会福祉を支えています。

富岡保育園

副園長ブログ

ただより高いものはないんです。

“見守り屋”、「ランチ酒~原田ひ香」に登場する主人公のお仕事である。さまざまな事情を抱える依頼人から、人やペットなどを、夜から朝まで寝ずに見守るのである。そんな主人公の束の間の贅沢が、夜勤明けの晩酌ならぬ、ランチ酒。最高のランチと酒で、心を癒すのである。


ランチとお酒、といった、日中にサラリーマンとして営むものにとっては、どこかで触れてはいけない、開けてはならないパンドラ的組み合わせに、興味をそそったところもありますが‥“見守り屋”という主人公のお仕事に、“見守る保育”を学ぶものとしては興味をそそらざるをえなかったんです。

主人公の見守り方は、たいていは黙って話しを聞くことから始まります。相手に合わせて、少しだけうなずいてみたり、質問を投げかけてみたりするのですが‥たまに、相手に対して行き過ぎた言葉を言ってしまい自己嫌悪に陥ったりもするのです。そんな時に、ランチ酒が主人公を助けてくれるんですね。

また、会話だけでなく、主人公は相手に気づかれないように、そっと布団をかけたり、さりげなく置き手紙を置いたりもします。そんな時、見守られる相手が、心があたたまっていく情景が繊細に描かれているんです。

ただ、このお話しって、主人公が見守るだけじゃないんです。主人公も、見守る相手から、見守られているんです。主人公も実はある事情(ネタバレしないために、ここには記しませんね。)を抱えており、眠れぬ日々を紛らわすかのようでもあるんです。

見守る相手と会話をしたり、また相手の要求に従っている間に、気づくと主人公も相手から気持ちを引き出されたり、励まされたりしていくんです。すると、夜勤明けの晩酌なるぬ、ランチ酒は、やけ酒にになることなく、その味をひとつずつ確かめるかのごくに癒されることになるのです。


“見守る”って、保育用語になると、どこか“放任”と言い換えられることがあります。が、“放任”だなんて逆も逆で、真逆なほどです。その人(子ども)が放っておけない、気になるから“見守る”んですよね。

子どもと大人で分けてしまうから、真逆に誤解されちゃうのでしょうか。

ただ見てほしい時に、ただ見てくれる存在。

ただ聞いてほしい時に、ただ聞いてくれる存在。

ただを付けちゃうと、どこか軽んじられそうですが、ただより高いものはないとも言われますよね。

ただ見てほしい時に、見てくれない、又は見過ぎちゃったり。

ただ聞いてほしい時に、聞いてくれない、又は聞き過ぎちゃったり。

それだと、見てほしい、聞いてほしい気持ちは、本当のところで満たされそうにないですよね。そのあたりの塩梅が難しくもあり、失敗はつきものなのですが、奥深くもあり、やりがいがあるのでしょう、見守り屋、また見守る保育者は。

★とみほ村サポーター(ボランティア・インターンシップ)・園見学・保育実習・古民家一時保育阪本屋・ワンコインランチ・私設公民館とみほ村文庫・就職希望のお問い合わせはホームページTOP電話番号から宜しくお願い致します。


子どもたちからの要求に従っていると嬉しくなったり、会話をしていると癒されるものです。僕も子どもたちから見守られているようです。

いつもありがとうございます。

2023-07-15
命の重みを背負った、保育の質

「死を招いた保育〜上尾保育所事件の真相~猪熊弘子」と記された、白地の1冊の本を手にとりました。タイトルを見た時から、気軽にページをめくるつもりはありませんでした。心して、1人の保育者として気を引き締めた、そんな姿勢で、この白地の1冊の本に向かいました。

正直なところ、ページをめくるたびに、心身に言葉にならないような緊張感が走るんです。その緊張感に耐えられなくなると、どこかで読むことを断念しようとしてしまう自分がいました。

けれどもそれは、自分の保育への関わりに対して、誠実に、正面から、奥深くと、振り返ろうとしていないんじゃなかろうか。そう思うと、やはり最後までページをめくらなければならないのです。


読み終えたところ、筆者の猪熊さんは上尾保育所や、そこで働いておられた保育者たちを糾弾しようとしていたわけでないことは、明確に伝わってきました。これは、全国の僕たち保育者一人ひとりに向けられた魂の込められた応援メッセージなんです。その魂は、一人ひとりの“子どもの命を守るため”であることは言うまでもないはずです。

いまだに、ページをめくった、その手には緊張感の名残りと、心には震えが刻まれ続けています。

もしもブログ読者に保育者の方がおられれば、一度手にとってみるのはいかがでしょうか。もしかすると、僕のように、プロの保育者としての襟を正す機会になるかもしれません。

(“子どもの命を守る保育”に必要な具体的な8つの項目も掲載されていました。これから、すぐに全クルーと共有したいと思います。)


最後に、筆者である猪熊さんからのメッセージの一部を紹介させていただきます。

ー保育士という仕事は国家資格の専門職である。専門職としての勉強をしていくことが、保育の専門性を身につけ、子どもの命を守ることにしっかりとつながっていく。研修や会議も必要だし、本を読むことも大切だ。社会の中で、保育や子どもについての見聞を広める努力も重要だ。何より、保育所の内外で多くの人と触れあって豊かな人間関係を築き、そこから得たものを保育にフィードバックしていくことが必要である。ルーティンの保育に終始し、惰性で保育をしているとき。きちんと見なければならないはずの子どもの成長や心、動きを見逃し、直感が働かないような鈍い感性になってしまうとき。そんなふうに、専門職としての向上心を失った瞬間、必ず子どもの命が危険にさらされる。

ー子どもの命を守り、未来へとつなげていくことが、保育士に課せられた最大の仕事なのである。

★とみほ村サポーター(ボランティア・インターンシップ)・園見学・保育実習・古民家一時保育阪本屋・ワンコインランチ・私設公民館とみほ村文庫・就職希望などのお問い合わせはホームページTOP電話番号から宜しくお願い致します。

2023-07-14
案の定な3人と、汗をぬぐう先生

「そんなことしたら、オバケが出るよ!」

「なになにしないと、鬼が来るよ!」

脅しや恐喝にあたる不適切な言葉がけであると、不適切保育チェック表などには記載されています。

が、しかしです。ちょっとこの件について、ひと噛み、ふた噛み、屁理屈を言ってみたいんですよ。聞いてくれますかね。

ちなみに、僕は何度となく言ったことがあります。なので、不適切保育をしていた当事者であることは素直に認めます。

が、しかしです。何度となく言った場面ごとに、「不適切だったな」と思う場面と、そうでない場面があったように思うんです。

例えば、僕が何かを計画してそれを行わせようとする時。どうしても言うことを聞かない子どもがいたとして、その子どもに対してオバケや鬼を登場させれば、それは僕の欲求を満たすだけのものであり、間違いなく不適切だと思うんです。

似たような例を言えば、食事の場面。嫌いな食べ物を残している子どもに対して、オバケや鬼を登場させれば不適切だと思うんです。建前として、子どもに何でも食べることができるようになって欲しいとの気持ちがありそうですが、本音のところは、クラスのみんなが好き嫌いなく残さず全部食べることができる、そんな担任の先生である自分に自己満足しようとしていたのではないかと思うんです。(あくまでも、僕の過去の例ですので、誤解のないようにお願い致します。)


じゃあ、そうでない場面は、どんな場面なのって話しですよね。例えば、度が過ぎる行為が重なったりするとしますよね。ガラスを割ったりだとか、強い暴力だとかを想像して下さい。理由を聞いたり、背景を探ってみたり、また子どもにまつわる家庭周辺などの環境についても理解をしようと努力したとしましょう。ただ、どうしてもキツく注意や叱ったりする時が来たとします。そんな時に、オバケや鬼を登場されたとしたら、いかがでしょう。

もしも、オバケや鬼で、度が過ぎる行為が踏み止まるようになったり少なくなれば、オバケや鬼に感謝したいくらい、ありがたいんじゃないかと、僕は思うんです。

あくまでも、僕の想像ですが、昔の人々が作り出した、オバケや鬼、また妖怪なんかもそうじゃないんでしょうか。その架空の存在に、祈るような想いで、何かを託したり預けたりしていたんじゃないでしょうか。(これも、あくまでも、僕の推測ですが‥架空の存在を信じ合える関係性には、互いに信頼し合っていることが前提にあるんじゃないかと思うんです。つまりは、常日頃から愛情のキャッチボールを交わしていないと、オバケや鬼なんかを登場させたところで見向きも聞き耳も立ててくれないんじゃないかと思うんです。)


先日、あるひとりの子どもが、カーポートの屋根めがけてボールをぶつけていました。当たりどころも悪かったのでしょう、案の定、ヒビが入りました。そして近くにいた子どもが、そのヒビを虫とり網で突っついたみたいなんです。こちらも、案の定、ヒビが大きくなりました。そして、さらに近くにいた子どもが、大きくなったヒビに、虫とり網を突っ込んでみたところ、案の定、屋根を貫通して、虫とり網がとれなくなったみたいなんです。

これらに気づいた先生が、3人に対して、理由や背景であったり、その時の気持ちについてを、懇切丁寧に聞いてくださっていました。その先生の額には、愛情あふれる汗が滴り落ちていたことも付け添えておきましょう。

その後、僕のところに、案の定を積み重ねた3人と、汗をぬぐいながら連れ添ってきた先生がやって来ました。

ちなみに、僕は虫とり網が屋根を貫通してとれなくなったところから、3人と先生が話し込んでいる一部始終をこっそり見届けていました。

正直なところ、これだけ懇切丁寧なやりとりをした後に、僕が言うことはないんじゃないか、そんな気持ちだったんです。ただ、汗をぬぐいながら連れ添ってきた先生の顔には「何か、村上先生、良いことを言って下さい。」と書かれているわけですよ。

言葉に詰まった挙げ句、脳裏にオバケと鬼がよぎってしまいました。「ここは、オバケか鬼に、何とかしてもらおうじゃないか」と‥。

が、しかし、不適切保育チェック表もよぎったんです。そしてなんとか踏みとどまった挙げ句、口から出てきた言葉は‥


「園長先生に言っておきますね。」


これも不適切なのでしょうか。むしろ、オバケや鬼の方が良かったのでしょうか。言葉かけの難しさを痛感している今日この頃です。

(園長先生ファンの方から、「園長先生が怖い人みたいじゃん!誤解を招くようなことを書かないで!」と、叱られそうな文章になっていることを、ここでお断りしておきます。大変申し訳ございませんでした。)

★とみほ村サポーター(ボランティア・インターンシップ)・園見学・保育実習・古民家一時保育阪本屋・ワンコインランチ・私設公民館とみほ村文庫へのお問い合わせはホームページTOP電話番号から宜しくお願い致します。

2023-07-13
ちぐはぐで極端な例から考えよう

「人生は選択の連続である」なんて、誰かがつぶやきそう名言がありますよね。ごもっともだと思うところもありますが、その“選択”に関して、楽しめる人と、そうでない人、つまりは選択疲れする人では、人生の過ごし方が違ってくるんだろうなと、誰もが思うんじゃないでしょうか。

昨日のブログ記事では、服装の選択についてを記しました。乳幼児期から、さまざまに選択する機会をもつことは「選択することに慣れる」ことにつながらないないだろうかと考えるのですが、いかがでしょうか?慣れることで、疲れるのではなく楽しむ思考へと向かわないだろうかとも考えるのですが、いかがでしょうか?


さて、養育者目線(保護者や保育者を含む)でも、子育てにおいて、たくさんの選択する機会があると思います。その選択肢は、科学が進歩するごとに増えていっていますし、ある種、選択肢があることは平和である証拠だとも言えるかもしれません。

世の中には、たくさんの「子どもにとって、いいモノ・コト」が溢れています。子育てに熱心で懸命である養育者にとっては、その“いいモノ・コト”を、ひとつでも多く取り入れたい気持ちになるんじゃないでしょうか。


「村上先生!何を当たり前の話しをしているんですか!そんなの親として(先生)当然じゃないですか!賢く、健康に育てたい気持ちがないと、親として(先生)失格じゃないですか!?」

こんなツッコミが聞こえてきそうでもありますよね。まさにツッコミ通りなのですが‥

ただ、このツッコミに、僕は、こんな問いを投げかけてみたいと思うんです。

「例えば、心身に良いと言われる食材を高価に揃えるために長時間働き、そして愛情を込めて長時間手料理に励み、食べはじめる頃には、夜遅くになってしまい、睡眠やスキンシップをとる時間が減ってしまう場合と‥」

「例えば、心身にあまり良くなさうなイメージのハンバーガーを、家族揃ってワイワイと食べ、そしてその後にワイワイといっしょにゲームをしたりお風呂に入って、ぐっすり睡眠をとる場合と‥」


ちぐはぐで、極端な例に、いささか困惑したかと思います。ちなみに、問いを投げかけた本人である僕も困惑しました。

「オーガニック食材や手料理は心身に良さそうだけど、睡眠やスキンシップも大事だよな‥」

「どこの肉を使ってんのか分かんないハンバーガーはあやしいけど、家族でワイワイして、ぐっすり睡眠することは心身に良さそうだよな‥」


副園長ブログ愛読者ならば、もうお分かりの通り‥ちぐはぐで、極端な例を出したのは、つまりは『子育てにおいて、すべての選択肢を完璧に仕上げることは、無理(とは言わないまでも、難しい)だろう説』を提唱したいんですね、僕は。

この説に共感して下さると、完璧でないことを前提に、養育者(保護者や保育者を含む)は楽しく子育てに携われるのではないかと思うんですね。

さらに、選択する時のポイントを“心地良い”にするといかがでしょうか?選択疲れせずに、シンプルな選択をすることができるかもしれません。


例えば、「子どもにどんな靴を履かせたらいいのだろうか?」と選択を迫られた場合‥

いや、待てよ、裸足がいいはずだ!

いや、裸足もいいけど、草履もいいんじゃない!?

梅雨や夏は蒸れて衛生面に良くなさそうだから、靴よりもサンダルがいいかな!?

サンダルでも、ちゃんと固定できるベルトがあった方がいいんじゃない!?

ねぇねぇ、夏じゃなくてさ、冬だったら!?どんな靴なの!?やっぱりナイキかな!?アディダスかな!?いや、ニューバランスかな!?

瞬足ってのもあるけど!?どうする!?長靴シリーズにも瞬足あるの!?え!?ないの!?

キリがない選択肢に、思考停止モードになっちゃったりして‥


じゃあ、専門書を参考にしてみようよ!

なになに‥裸足は良いけど、場合によっては、よくない!?どっち!?

小児靴に必要な10の機能!?ふむふむ。軽量性、はいはい。フィット性、安定性、支持性に固定性、そりゃそうだ。屈曲性、衝撃緩衝性、グリップ性に耐久性、そして通気性‥10個の視点で見比べて、選べってこと!?素人に出来るの!?ガチ(本気)で思考停止しちゃうんだけど!?

なぁ〜んて、お声があがっちゃうかもしれませんよね。

そんな時に、“心地良い”というポイントで選択するといかがでしょうか?

子どもが、裸足や草履やサンダル、靴や長靴を履いている姿を観察するのです。その時に、子どもが“心地良い”表情などをしているかを観察するのです。

心地良さそうでしたら、その選択肢で、だいたい、良いんじゃないでょうか。

そして、もしも心地良さそうでなければ、違う選択肢を考えれば良いんじゃないでしょうか。

あくまでも、『子育てにおいて選択肢を完璧に仕上げることは無理説』に基づいた意見です。

★とみほ村サポーター(ボランティア・インターンシップ)・園見学・保育実習・古民家一時保育阪本屋・ワンコインランチ・私設公民館とみほ村文庫へのお問い合わせはホームページTOP電話番号から宜しくお願い致します。

※例え話で用いた、小児靴に関しては、「小児靴の手引き書2023」一般社団法人日本フットケア・足病医学会著書を参考にしています。(心地良い選択を得意とする歯科医師の先生からオススメしてもらった手引き書です。)

2023-07-12
おしゃれは太陽へ翔けらせる翼

「まるで、だれかに命令されたように、みんながみんな、おなじような服を着ている。それが、どぶねずみ色なのだ。‥なにも会社や役所できめたわけでもあるまいし、タダでくれたものでもあるまいに、兵隊服みたいに、ぴったり規格に合って、着方までそろっている。‥古い言葉でいえば、さしづめ、バッカじゃなかろうか、である。」


かなり切れ味の鋭いご意見。古い言葉との表記がありますが、これは1967年「どぶねずみ色の若者たち」、1976年「どうしてそんなにセビロにしがみつくのか」とのタイトルで、花森安治さんが『暮しの手帖』であつかった記事なんですよ。

ちなみに『暮しの手帖』は1948年に創刊され、時代背景としては、戦後まもない頃にあたります。敗戦後の日本をどのように豊かにすることができるだろうか。また二度と戦争を起こさないためにはどうすればいいのだろうか。そのようなことに正面からぶつかっていったところの、冒頭の鋭いご意見なんですね。

(やわらかく訳せば、“みなが流されて一斉に同じ格好をすることは、ひとりひとりが自分の頭で考えなかった結果、日本が戦争に向かったことと本質的に重なるのではなかろうか”あたりかな。)


富岡保育園では、規定の制服や帽子などを6.7年くらい前からやめています。やめた理由は、『暮しの手帖』初代編集長 花森安治さんのご意見を、そのまんま適用させて下さい。

やめた当初は、ちょっとした違和感がありました。「みんな、バラバラで、まとめにくい。」といった感じでしょうか。

けれど、日が経つにつれ、当時の保護者も保育者も、違う違和感を持つようになってきました。それは、「みんなが揃っていると、見分けがつきにくい、そしてなんだかおかしいぞ。」といった感じです。

富岡保育園の子どもたちは、起床すると、「今日は、どの服を着ていこうかしら。どの靴、どの帽子を‥」と、選んだり組み合わせて登園するのです。また、それだけにとどまらず、ブレスレットやカチューシャなどの装飾品をまとわせてくることもありますし、ネイルなどで鮮やかにしてくることもあります。(たまに、夏のワンピースに、毛糸の帽子や手袋をコーディネートしてくるツワモノも登場しますが‥。)

制服や帽子をやめた当初は、ここまで着飾ってくることは想像していませんでしたし、どこまでが範疇なのですかと尋ねられると、今では答えかねるところがあります。ただ、それだけ、子どもたちにとって“おしゃれ”は日々の活力になっているのだとも思うのです。


最後に、もう一度、花森安治さんの言葉を引用させてもらい、本日のブログを締めたいと思います。


おしゃれは 明日の世界を 作る力

どんなに みじめな気持ちでいるときでも

つつましい おしゃれ心を失わないでいよう

かなしい明け暮れを過ごしているときこそ

きよらかな おしゃれ心に灯をつけよう

つつましい おしゃれは

あなたの心ににおう一輪の青い花

あなたの夢に流れるとおい子守唄

そして あなたの日々を太陽へ翔けらせる翼

お友だちよ 欺くのはやめよう

私たちに青春のあるかぎり

私たちには希望がある

★とみほ村サポーター(ボランティア・インターンシップ)・園見学・保育実習・古民家一時保育阪本屋・ワンコインランチ・就職希望・私設公民館とみほ村文庫へのお問い合わせはホームページTOP電話番号から宜しくお願い致します。

キミも、ボクも、アナタも、おしゃれ心をもって、とみほ村で青春の日々をおくりましょう。お待ちしてます。

2023-07-11
自己責任という強大な壁

「自己責任」という言葉を使ったことがあるだろうか。なにやらを語る時に、「それって、その人の自己責任じゃろ。」と、つぶやいたことは、数多にあったと記憶する。もしかすると、ブログ読者の中にも、僕のように、つぶやいた経験がある方もおられるのではないでしょうか。

たいてい、そのような経験がある方は、ふた通りに分類できるのではなかろうかと考える。1つは、めちゃくちゃ苦労して苦労して頑張って頑張って何とかしてきた方。そして2つには、苦労という苦労を知らず、何とかなっている方。

僕の場合は、ほぼ後者であって‥五体満足でありますし、学費もすべて両親にまかなってもらいました。そして現在は正社員として社会保険制度を適用してもらいながら働いています。


僕が携わっている保育界では、皆さまもお分かりの通り、子どもだけではなく、その子どもを取り巻く環境、家庭や地域についても健全な状態にしていく必要があります。

そのためには、子どもの発達や成長についてを理解することと同時に、家庭や地域についても理解しなくてはいけません。ただ、どちらに関しても、目に見える部分よりも、はるかに、目に見えない部分の方が多く、そして大きいように思うのです。

その実態は、本人ですら、また、その道の専門家ですら、あやふやであり、明確でないように思うのです。つまりは、逆に明確にしてしまえば、目に見える部分だけをとらえたものであるか、又は自己責任を訴える強者の論説であるのかもしれないと、ここ最近思う節があるのです。


カバンにおさめてある、2冊の本。1つは「怒羅権初代~ヤクザが恐れる最凶マフィアをつくった男~佐々木秀夫」、2つには「貧困女子の世界 中村敦彦」。あまり選ぶことのないジャンルではあるが、そのためか、目にしたことのない、耳にしたことのない世界がそこにはありました。

怒羅権~では、中国残留孤児2世として受けた数々の差別から暴力の世界へと身を投じた筆者の半生が綴られていました。家庭環境、学校環境、すべてが想像を絶し、さらに言語の問題もある中で深めた仲間との絆が‥いつしかヤクザや警察も恐れる最凶集団を結成するまでになっていく、そのさま。

そして貧困女子~では、女子大生が学費や生活費を稼ぐために風俗の世界へと身を投じていき、さらにはカラダを売っても生活できない状況まで追い込まれていく、そのさま。

どちらも「それって、その人の自己責任じゃろ。」と、つぶやいていいものなのでしょうか。

貧困女子~の一節に「学生が貧困になるのは理由がある。親世帯の収入減、親世代のリストラ、学費の上昇、授業出席の厳格化、地方の衰退、学生バイトのブラック化、親や祖父母世代の無理解、消費増税などの要因が重なり、そこにコロナショックが襲ってきた。ーーー今は本当にあらゆる女子大生が風俗産業に従事している。真面目な女子大生も、清楚な優等生も、学生生活の維持のために裸になってカラダを売っている。ーーー国が学生たちに用意しているのは、日本学生支援機構の奨学金である。これを含めなんらかの奨学金を受けている大学生は47.5%(2018年度)となっており、若者たちが数百万の負債を抱えて社会に出ることが一般化している。」


子ども、また学生、さらには家庭や地域を理解する上で、「自己責任」という言葉があまりにも強大な壁を作っているのかと思うと、それらに携わるものとして、自らの無知を恥じ、省みる。

★とみほ村サポーター(ボランティア・インターンシップ)・園見学・保育実習・古民家一時保育阪本屋・ワンコインランチ・私設公民館とみほ村文庫・就職希望のお問い合わせはホームページTOP電話番号から宜しくお願い致します。

2023-07-10
副園長ろくでなしブルース編

ひょんなことで、蘇ってくる記憶ってありますよね。その1つが、場所に付随したもんじゃないでしょうか。建物などが改装や増築されていたとしても、その場所に行けば、当時の出来事がどのようにかで頭によぎったりするものです。


先日、ある研修会の会場が、母校の会館で行われました。保育園ボランティアの掲示物をお願いする時にお邪魔することはあるものの、どこか20年ぶりくらいに足を運んだほどに新鮮に感じられました。

建物を見渡すと、もちろん改装された部分もあるのでしょうが、たいてい当時の面影通りではなかろうかと、曖昧な記憶から探し入っていました。

「そう言えば、ここの自動販売機前で、ジュースをおごるジャンケンしてたよな〜。なんて掛け声だったけな‥。」

「そう言えば、ここの階段は、ここの角度からだとパンツが見えそうで見えないんだよな‥。」

母校を歩き回っていると、ろくでもない記憶ばかりが蘇ってきます。


休日の教室は、ガランとしているようで、どこか学生たちの授業風景の名残りを感じました。

「そう言えば、教科書をカバーにしてマンガ読んでたよな〜。バレて辞書のカドで頭をこつかれてたっけな‥。」

「いや、ちょっと待てよ。そう言えば、1日中、授業の間は寝てた女の子いたよな〜。休み時間になると、むくっと起きてたっけな‥。」

「あれ、ちょっと待てよ。そう言えば、生物の先生は、ほとんど映画の話しばっかりして、“あとは自分で勉強しといてください”なんて言ってよな‥。」

ろくでもない記憶をたどると、本当にろくでもないことばかりが蘇ってきます。何かを頑張っただとか、達成しただとかの類いが、これっぽちも蘇ってこないなんて、どうかしているのでしょうか‥。


母校での研修会前に、笠岡市社会福祉協議会主催の、夏のボランティア体験事前打ち合わせに行っていました。今年度、富岡保育園に来て下さる学生は、なんと40名近くもいるんですね。次世代の保育者、ならびに保育者にならずとも子育て世代になるであろう学生たちが、子どもたちや、また、さまざまな社会人と実体験をともにすることは、とても価値がある、意味があることだと思っています。(どんな価値か、どんな意味か、それは参加者が感じてつければいいのではないでしょうか。)

その40名近くの学生の中に、卒園児も多くいたんですね。10年ぶりほどに顔を合わせると、当時の面影がのぞくものです。

卒園児にとって、久しぶりに足を運ぶ場所、富岡保育園は、どのように映るのだろうか。どんな記憶が蘇ってくるのだろうか。ろくでもない記憶をたくさん蘇らせて、また新たにたくさんの思い出を作ってくれれば、とも思っています。



今の園児たちは、将来、どんな記憶を蘇らせるのだろうか。野暮なことが気になった、そんな雨の降り続く日曜日です。皆さま、安全にお過ごしください。

★とみほ村サポーター(ボランティア・インターンシップ)・園見学・保育実習・古民家一時保育阪本屋・ワンコインランチ・私設公民館とみほ村文庫へのお問い合わせはホームページTOP電話番号から宜しくお願い致します。

2023-07-09
ぶかぶかで、ずりずりだけども。

背伸びした記憶を辿ってみると‥幼い頃、姉や上級生たちが乗る、大きな自転車にまたがってみたことを思い出します。

地面に足がつくはずもありませんし、ペダルには、ようやっと、つま先がつくくらいなものです。当然、乗りはじめは、ふらふらと蛇行運転のようになりますが、じょじょに慣れてくるものです。

ただ、慣れてきたところで、スピードを上げようと立ち漕ぎなんかをしちゃうと、サドルなんかでちょうど股間をうっちゃうんです。

ただ、その記憶には、スピードを上げ風を切って漕いだ爽快感と、上級生たちの自転車に乗ることができたという誇らしい気持ちとが相まって記されていたように思います。


さて、富岡保育園に今年度から入園した、ひとりの男の子の話しをしたいと思います。この男の子が、立って、そして歩けるようになって、すこしばかり月日がたった、そんな頃です。

お外へは、裸足で出かけていくこともあるのですが、それよりも、まず間違いなく、あるものを履いて出かけているところを見かけるものです。

それは、自分の靴や長靴ではなく‥先生たちがお勝手する際に履く大人用のサンダルです。

もちろん、この男の子の足には、大き過ぎるほどに、ぶかぶかですよ。それに歩けるようになって、すこしばかりの月日がたったくらいなものですから、足どりだって、余計とおぼつかないものです。

けれど、この男の子は、自分の靴や、また近くにある友だちの子ども用の靴やサンダルではなく、まず間違いなく大人用のサンダルを選びとり、履いて出かけていくんです。

途中で脱げちゃったり、ずりずりとサンダルをひきずったりしながら、前に進んでいきます。けれど、じょじょに慣れてくるもので、その大人用のサンダルを履きこなすようになってくると、とっても嬉しそうな表情を見せて、道中に会う先生たちに笑顔をふりまいているようにも見えます。

この男の子はきっと、風を切って歩く爽快感と、大人用のサンダルを履いて進むことができた誇らしさを感じているのではないでしょうか。

ちなみに、慣れて履きこなせるようになったところで、スピードを上げると、つまずいたり転んじゃうものです。ご愛嬌とばかりに、立ち上がっているところを見ると、とても、たくましく目に映ります。

★とみほ村サポーター(ボランティア・インターンシップ)・園見学・保育実習・古民家一時保育阪本屋・ワンコインランチ・私設公民館とみほ村文庫へのお問い合わせはホームページTOP電話番号から宜しくお願い致します。

2023-07-08
みんなでずっとくらせますように

七夕ですね。誰が考えたんだろうか、非常にロマンチックな日ですよね。

とみほ村にも、いくらかの竹に、笹飾りや短冊が、彩り豊かに、そして願いが込められ飾られています。

お家で、お父さんやお母さん、また、おじいちゃんやおばあちゃん、さらにはお兄ちゃんやお姉ちゃんなども、いっしょになって短冊に願いを書いてくれたようです。

ひとつひとつの短冊を見てみると、小さな子どもがなぐり描きをしたあとに、お家の人が願いを書いてみたりだとか。字が少しずつ書けるようになった子どもが、一生懸命に自分の想いを込めてみたりだとか。ついつい、筆跡あたりから、お家での様子も想像しちゃうんですよね。


そんな、ロマンチックなドラマがつまった笹飾りや短冊が飾られている竹のそばで、ひとりの女の子が泣いていたんです。涙は止まることがなく、その女の子は、竹から離れて、しゃがみこみました。ただ、竹から離れたものの、視線だけは竹から離れていませんでした。

あまりにも、しくしくどころではなかったので、様子を見る間もおかずに、僕は駆け寄ってみました。すると、その女の子は溢れる気持ちを懸命に伝えてくれました。涙ながらであったため、聞き取りづらいところもありましたが、その想いは、切実なまでに伝わってきました。

なんでも、いっしょに水遊びをしていた友だちが、水鉄砲を使って、竹に向かって水をかけたんだそうです。でも、この女の子は水をかけてほしくなかった。なぜかって、竹には笹飾りや短冊が飾られているから。

この話しは、もっと説明しなくちゃいけないことがあって‥水をかけられた竹には、この女の子の短冊は飾られていないんです。自分の短冊の無事はもちろん知っていました。女の子は、友だちたちの、みんなの短冊を守りたかったんです。

この女の子は、何度も懸命に訴えたみたいなんです。だけど、その訴えに耳を貸してくれない友だちがいたようで、それで涙が出たんですね。

ロマンチックな、この女の子の訴えには、誰もが刺さるところがあるんじゃないでしょうか。それからすぐに、その水鉄砲を使って竹に水をかけているところへ、僕は向かいました。この女の子のロマンチックな訴えを守らないで、なにを守るんだ!という勢いで。

★とみほ村サポーター(ボランティア・インターンシップ)・園見学・保育実習・古民家一時保育阪本屋・ワンコインランチ・私設公民館とみほ村文庫へのお問い合わせはホームページTOP電話番号から宜しくお願い致します。

この女の子の願い
2023-07-07
どんどんとんがって、まるくなる

「とんがるところは、どんどん、とんがってきょうるし。まるくなるところは、よう、まるうなってきょうるし。富岡保育園さんは、ホンマ、よう、ここまで頑張ってきたわ。すごいわ。」


先日、園長と僕とで、ある保育園にお邪魔してきました。ある保育園の園長先生とは、顔を合わす機会はあったものの、久しぶりに机を囲んでお話しをすることができたように思います。

ある保育園の園長先生には、富岡保育園が2017年から保育実践改革をはじめた頃より、その一部始終を見守ってもらっていたように思います。

不器用なまでに、がむしゃらに走り続けた当初‥(現在も不器用であることと、がむしゃらであることは、そう変わっていませんが‥)自園だけでなく、笠岡市内の乳幼児施設全園に向けて、「いっしょに“子ども主体の保育”を勉強しませんか?」と呼びかけて、定期的に勉強会(※「保育マルシェ」と名付けていました。)を開催していたことがありました。その当時、市内の園の中で、積極的に勉強会に参加して下さっていたのが、ある保育園の園長先生や、またその職員の方々でした。

また、研修会や、その後の意見交換会などでも、僕をはじめとする当時の若手保育者たちに、積極的にハッパをかける、励ましのエールをおくる、そんな人情味溢れる気さくな、ある保育園の園長先生でもありました。

冒頭のフレーズも、親身に気にかけて下さり見守って下さっていたからこその、ねぎらいの言葉だったんじゃないかなと思いました。

これに甘んじず、さらに誠実に保育の質を高める努力をしなければと、熱い想いがふつふつと沸いてきました。

そして、またさらに、富岡保育園のこれからも、見守っていただけるよう、ある保育園の園長先生の心身の健康をお祈りし願いました。

励まし合ったり、労いあったり、そんな関係でいて下さることに、あらためて感謝です。


※「保育マルシェ」を開催していた当時を少しだけ回想したいと思います。園長(富岡保育園)のススメにより、東京都新宿せいがこども園、藤森平司先生が推奨する、子ども主体の保育「見守る保育」に、僕は2017年に出会いました。保育者のその見守る姿勢に非常に安心感と言いましょうか、ホッとするような心地を抱いたんです。

「“見守る”って、何なんだろう?学んでみたい!」そんな気持ちから、保育について学び直そうと心あらためた2017年、当時。

園長(富岡保育園)のススメもあって、ひとりで学ぶよりも、たくさんの人たちと学んだ方が楽しいはずだと言うことで‥当時の同僚はもちろん、笠岡市内の乳幼児施設全園の先生方をお誘いして、勉強会をすることにしました。

あの当時は毎月、全園(20園くらいですが)にまわり、お便りや勉強会の案内を配っていました。アポもなく、どこぞのわけもわからない男(僕)が、「いっしょに学びましょう!」なんてお誘いをするもんですから、各園の先生方も困惑していたんじゃないかと省みます。ただ、ありがたいことにアベレージで20名くらいは集まって下さっていたように記憶しています。

勉強内容はもちろんなのですが、各園の先生方や、また同僚たちが“楽しく学べるような環境作り”にも、熱心に工夫を凝らしていました。カフェコーナーの充実のために、多くのカフェを巡ったりもしていました。

企画や計画が得意なわけでもなく、司会やまとめが得意なわけでもなく、さらには保育について深く理解している、そんなわけでもないにも関わらず、あの当時は怖いもの知らずに、不器用にそしてがむしゃらに活動していました。

ただ、案外、それが功を奏したところがあって、得意でもありませんし、深くも理解はできていませんが、“好き”になりました。“好き”に勝るエネルギー源はないですよ。現在、当時よりさらに不器用にそしてがむしゃらに活動しています。

「保育マルシェ」の復活も、そのうち、あり得るかも‥!?

★とみほ村サポーター(ボランティア・インターンシップ)・園見学・保育実習・古民家一時保育阪本屋・ワンコインランチ・私設公民館とみほ村文庫へのお問い合わせはホームページTOP電話番号から宜しくお願い致します。

2023-07-06
kitchen SUNNY vs.太陽の台所

先日の“ツバメの巣”破損事件記事を受けて、ある読者から「副園長ブログ史上、最も悲しい記事でした。」とのご感想をもらいました。

読者の暮らしに元気や勇気が湧き出る、そんなブログ記事を目指しているにもかかわらず、申し訳ない気持ちでいっぱいでした。

ただ、ちょっと聞いて下さい。あれからの“ツバメの巣”の近況を。お父さんお母さんツバメが、僕たち人間が居ない間に“ツバメの巣”の修復工事に精を出しているみたいなんです。

そして、よくよく耳を澄ますと、ツバメの赤ちゃんの鳴き声も聞こえる。その声に、申し訳ない気持ちと合わせて、どこかで安堵しながら、とみほ村のみんなで見守る決意をしました。

応援することしかできませんが、がんばれお父さん!がんばれお母さん!がんばれ赤ちゃん!



さて、今日のブログは、昨日の公開保育中にあった、ちょっと、いや、ちょっとどころではない良い話。

参加者の方々には笠岡市神島3976-1にある「kitchen SUNNY」の、よくばりランチ弁当をご用意させてもらったのですが‥(店内のお料理も素敵なのですが、お弁当もとっても彩り豊かで素敵なんですよ。)ただ、僕の手違いで、1つ足らなかったんです。

そんな時に、ひとりの参加者がお弁当の権利をゆずって下さり、富岡保育園の誇る、太陽の台所が作るお昼ごはんを食べて下さったんですね。

1つお弁当が足らない、そんなドタバタとジタバタとしそうな雰囲気を、この参加者は一変させてくれたんです。

「わぁー!やったー!子どもたちと同じお昼ごはんが食べられるー!メロンもついてて、ラッキー!」

そんな、とびっきりに明るいご感想に、スタッフも参加者も、みんなが救われる思いでした。そして本当にありがたい気持ちでいっぱいでした。ありがとうございました。


ちなみに、昨日の太陽の台所が作ったお昼ごはんは、なんと新メニュー!ご紹介しますと‥

・(新)ふわふわたまごの厚揚げ丼

・トマトサラダ

・春雨スープ

・ごはん

・メロン

実は、先月の「お台所会議」で、提案され、チャレンジしてみることになったものなんです。

今年度から“ハラル食”(イスラム教の教えにのっとった食品)を取り扱うことになり、食品に制限のかかる子どもが在籍するようになりました。

そんな中で、お台所クルーたちが、他の子どもたちとも、毎日とはいかないまでも、時には同じ食品を食べることができないだろうか‥と愛をもって考えて下さった新メニューなんです。(ある種、制限のかかった状況だからこそ生まれた新メニューでもあります。)

おかわりもたくさんする子どももいて、愛のこもった優しい味に売れ行き絶好調でした。

★とみほ村サポーター(ボランティア・インターンシップ)・園見学・保育実習・古民家一時保育阪本屋・ワンコインランチ・私設公民館とみほ村文庫へのお問い合わせはホームページTOP電話番号から宜しくお願い致します。

2023-07-05
キリン愛が止まらない男の子

富岡保育園を開催地として、笠岡市保育協議会主催の公開保育が、さきほど無事閉幕しました。暑い中、足を運んでくださった20名を超える先生方、誠にありがとうございました。

開催地として、このたび『笠岡保育デモクラシー2023~みんなで保育を語ろうよ~』とテーマを決めさせてもらいました。これは、行政がなんとかしてくれるじゃろ、市長がなんとかしてくれるじゃろ。職場がなんとか、園長がなんとか‥。保育園のことや、まちのことを、人任せではなく『当事者意識』をもって、働いたり暮らしたりしようじゃないですか。そんな積極的な呼びかけでもあるんです。

参加者の方々は、その呼びかけに誠実に応えてくださり、富岡保育園の実践発表や、見学中などにも、とても積極的にリアクションを下さいました。

さらに、このたびは、スーパーサプライズ企画として、最後の30分間に、僕の心のあみだくじで選んだ4名の先生方に登壇していただきました。4名の先生方に、保育園の先生になろうと思ったきっかけであったり、これからどんな保育園やまちになっていったらいいだろうか、と僕が質問をぶつけながら、語り合う時間を作ることができました。

正直言って、久しぶりにラジオパーソナリティ気分を思い出すかのように、僕はめちゃくちゃ楽しい時間でした。そしてなにより思ったことが、笠岡市の保育関係者は、おしゃべりが上手、つまりは発信の潜在能力が高いんです。

だからこそ、笠岡市だけでなく、また保育関係者だけでなく、あらゆる地域や業界での発信をしていかなくちゃ、それこそが次世代を担う笠岡市の保育者に希望をつなげることになるだろう。そんな気持ちが昂ったものですから、今後の新しい目標めいたものも生まれました。(まずは、必殺の飲みニケーションを企画して、もっともっと語り合う場を作ることから始めたいと思います。)


公開保育前の、ちょこっと良い話、やさしい話かな。

いつもキリンのフィギュアを持ち歩く、まだ2歳にもならない男の子がいるんです。どの場面に遭遇しても、たいていそのキリンのフィギュアを片手に、また時には両手に持ち歩いているんです。もちろん、その右手にもキリン、左手にもキリンです。

そんなキリン愛が止まらない男の子が、朝、登園するところに遭遇しました。保育者と朝の挨拶をすませ、母親からも離れると、一目散に歩き出しました。それは、キリンのフィギュアが置かれている方向で間違いないでしょう。

すると、その途中で、2人ばかりの女の子が「待ってました!」とばかりに、キリン愛が止まらない男の子を囲い込むんです。2人の女の子の手から、何やらを、そのキリン愛が止まらない男の子の手に手渡して持たせようてしているんです。

その一部始終が終わると、何やらの正体はすぐに分かりました。キリン愛が止まらない男の子の両手には、そうです、キリンのフィギュアがおさまっているじゃないですか。

2人ばかりの女の子、3歳くらいだったでしょうか。その女の子たちは、キリン愛が止まらない男の子がキリンのフィギュアが好きであること知っていて、そして登園したらすぐに持たせてあげようと、待っていたんです。


ねっ?なんだか良い話、やさしい話でしょ?

★とみほ村サポーター(ボランティア・インターンシップ)・園見学・保育実習・古民家一時保育阪本屋・ワンコインランチ・私設公民館とみほ村文庫へのお問い合わせはホームページTOP電話番号から宜しくお願い致します。

熱闘‼︎笠岡市保育協議会‼︎
2023-07-04
心臓の鼓動が鳴り止まないでいる

書こうか、書かまいか。書くべきか、書くべきでないか。心臓の鼓動が鳴り止まないでいる、今。

ただ、この気持ちを忘れないでいるため、決して忘れちゃいけない、そんな想いを込めて、彫刻刀で彫るかのように、ここに書きたいと思う。


実際に、今の僕のように、骨の髄あたりに達するかのような激震から、精神が揺らぎ、不安定になっている人々は、とみほ村に、大人も子どもも含めて、十数名といるはずである。自宅に帰り、家事が待っていたとしても、今日ほど味付けに迷い、洗濯物などの片付けには脱力感をともなうことはないのかもしれません。くつろいで、テレビやYouTubeなどに目を向けたとしても、今日ほど、内容が頭に入ってこない、そして何かが頭の中で渦巻くことはないのかもしれません。


とみほ村、富岡保育園の門をくぐって、すぐのところに、ツバメの巣があるんです。

このツバメの巣に、何年かぶりに帰ってきたんだと思われるツバメが、卵を産んだんです。それはちょうど、ご近所にもあるツバメの巣では卵から雛に孵化し、そして今にも飛び立とうとする頃でした。つまりは、まわりのツバメの巣よりも、遅かったんです。

遅かったことが影響していたかは、定かではありませんが、子どもたちも、早くに雛と出会いたかったのでしょう。毎日と言っていいほど、そしてたくさんの子どもたちが、いや子どもたちだけでなく大人たちも、ツバメの巣のことを気にしていました。

「お母さん、帰ってきたよ!」

「あ!お母さん、またどっか行った!」

「なぁ、さっきのは、お母さんなんかな?お父さんなんかな?」

「巣の中に、ホンマに卵、産んどるんかな?」

「あ〜ぁ。スズメ、早く産まれんかな。」

「スズメじゃなくて、ツバメじゃけぇよ!」


そんな具合で、毎日が、遅咲きと思われるツバメの巣とともに、過ぎていきました。

その過ぎていく毎日にも、もちろん、その他の、なにやらとしたドラマはありましたし、それにともない精神が揺らいだり不安定になることも、それぞれにあったはずです。


ただ、今日、そのツバメの巣が破損し、その中から、卵から雛になったばかりのような、小指ほどの大きさのツバメの赤ちゃんが、落下してしまったんです。

破損した経緯についてだけは、今の精神状態では書けそうにありません。ありませんが、親鳥ですね、お父さんやお母さんにしてみれば、やるせない、どうしようもないくらいに、それは深く、深く、傷ついたんだと思うんです。餌をとりに行っているその間に、我が子をビルの最上階から突き落とされたように、そのツバメの赤ちゃんは落下し、全身を打撲したんです。


幸いかどうかも分かりませんが、そのツバメの赤ちゃんは、落下後にも心臓を動かしていたんです。その小指ほどの大きさのツバメの赤ちゃんからは、瀕死であるにも関わらず、生きることへの何かを感じずにはいられませんでした。

そのような場面に、出会した(でくわす)、子どもたちと、大人たち。これほど、どうすれば良いかが分からないことはありませんし、ツバメの赤ちゃんの、その瀕死ながらに動かす心臓の動きに応ずるように、一同の心臓の鼓動は、慌て、ふためき、そして強く、不安定に高まっていくものでした。

出会した人々で、どうすれば良いか分からないままに出した結論として、その瀕死のツバメの赤ちゃんを、破損した巣に戻すことにしました。

正直、瀕死のツバメの赤ちゃんにとっても、そして落下せずにすんだ巣の中にいるツバメの赤ちゃんにとっても、良い未来が待っているかどうかは分かりません。

けれども、親鳥ですね、お父さんやお母さんに、申し訳ない気持ちと、それにも負けない祈るような想いで、ツバメの赤ちゃんたちの命と、その未来を託しました。


現在、ツバメの巣では、お父さんとお母さんが代わる代わるに、餌をとってきては、ツバメの赤ちゃんを守っています。そしてどことなく、巣で見張っている親鳥の目には、涙のようで、怒りと悲しみが含まれているように思えてなりません。

破損した経緯には触れることが出来ませんでしたが、今日の、この場面に出会した人々の、その心のさまざまな複雑な揺れ動きが、決して無駄にならないように願いたいと思います。

2023-07-03
“ペッペッ”と

銀座で莫逆の友と密会し、渋谷で某外資系IT企業に潜入し‥笠岡では番町にあるスナックに立ち寄り、そしてやっぱりニ日酔いになりながら、富岡北地区にある桜椿公園の草刈りに汗を流し‥ジェットコースターのような1週間が通り過ぎようとしています。

その1週間の終わり‥草刈りの休憩の際に、富岡北地区まちづくり協議会の方の1人が、畑で収穫したスモモを皆に振る舞って下さいました。したたるほどに流れる汗をぬぐいつつ、赤く染まったスモモを頬張ると、なんとも言えないような幸福感を感じる、味わうことができたんです。

あまりにも心身の隅々まで、その幸福感が行き届いたものですから、2つ3つとおかわりをしてしまいました。そして食べては種を、集めた草やまに“ペッペッ”と吐き捨てたものです。ものですが、その“ペッペッ”と吐き捨てるその瞬間、ある場面が僕の脳裏によぎった、もしくは、かすめたんです。


富岡保育園の裏庭、サクラの木のそばには、スモモの木があります。今年はいつも以上に、すずなりに実をつけていました。

もうね、赤く染まっていない頃から、何人かの子どもは狙っていましたし、狙うだけにとどまらず掴み取っては口に頬張ってもいました。(その頃には、まだ酸っぱかったのでしょう、ちょこっと食べては吐き捨てていました。)

そしてここのところ、スモモは最盛期、赤く染まった完熟なものになっていました。何人かよりもたくさんの子どもが狙っては、ビールケースを重ね、高いところまでのスモモを掴み取り、そして口に頬張っていました。

その中でも、口に頬張っていく子どもの中でも、ひときわ頬張る、ひとりの男の子がいました。その男の子は、ここのところ、どの時間帯に見かけても、スモモを口に頬張っていました。それもたいてい築山の上で、何かを勝ち誇るかのように。

そして食べては種を、“ペッペッ”と吐き捨てるんですね。また、その表情はと言えば、なんとも言えないような幸福感に包まれていました。


あれ!?僕も、あの築山で何かを勝ち誇りながら毎時ススモを頬張っている男の子と、いっしょやん。

※スモモの種のまわりには、すこし酸味があるのですが、実はそこには夏バテ、熱中症予防に必要なクエン酸が含まれているそうです。また余分な塩分の排泄を助けるカリウムも含まれているんだとか。どうりで、あの男の子は元気なんですね。

★とみほ村サポーター(ボランティア・インターンシップ)・園見学・保育実習・古民家一時保育阪本屋・ワンコインランチ・私設公民館とみほ村文庫へのお問い合わせはホームページTOP電話番号から宜しくお願い致します。

★就職希望の方は、人事担当の副園長村上まで、宜しくお願い致します。アツイ夏を、スモモを頬張りながら、いっしょに楽しみましょう。

桜椿公園、草刈り隊出動中。
休憩をはさみつつ、熱中症に注意。
2023-07-02
即席名札がブームになっています

伊藤理事長あてに届いた、一通のお手紙です。抜粋しながら一部をご紹介したいと思います。


富岡保育園の皆様、GT四国研修会では、たくさんの感動をありがとうございました。帰園して一週間が経ちましたが、いまだに感動の熱が冷めません。早くお礼をと思っていたら、伊藤先生の方から先にお電話を頂き申し訳なく思っています。

お心のこもった研修内容、スタッフの皆様の笑顔でのおもてなし、地域を巻き込んだ保育、子どもはみんなで育む精神が根づいていて感心しました。

伊藤先生のこれまでの努力が少しずつ実現していることを、この目で実感させて頂きました。先生の穏やかで優しい姿から想像できない芯の強さ、子どもだけでなく地域全体に対する愛情の深さ、スタッフを信じる力、素晴らしいです。

新型コロナは、私たち乳幼児施設の日常も一変させてしまい、どの園も子どもたちの活動だけは出来る限り守ろうと様々な工夫をしていたと思いますが、富岡保育園の皆さんはその試練をチャンスと捉え、一段と進化させたこと、さすがです。これまでの想いがあったからこそですね!

私も新型コロナは傲慢になっている人間社会に神様が警鐘を鳴らしてくれたのかもしれないと思っていました。これからも、「藤森メソッド」を共に学び、お互いに進化していきたいですね。どうぞ宜しくお願い致します。

ちなみに、団塊の世代の私たちにとって、富岡保育園の子どもの遊びは、70年前の子どもたちの日常でした。本当に懐かしく、自然を相手に一日中遊び、日が暮れたら家に帰りご飯を食べて寝る。ほとんど子ども同士で考えて遊び、年上の子は年下の子の面倒をみるだけでなく、年下の子も一緒に遊べるようルールを工夫し、助け合いながら、協力して遊んでいました。大人は我が子だけでなく、子どもが困っていると近くにいる大人が助けてくれました。子ども同士で役割分担をして上手に遊び、その中から色々なことを経験し、皆で仲良く遊ぶ術を学んでいました。

思えば、その後の「生きる力」は、子ども集団の遊びから全てを身につけていたのでしょうね。

藤森先生も、きっとそう思って、懐かしそうにご覧になっていたと思います。何も無い時代でしたが、幼い頃を思い出し、子どもは困難から学ぶ知恵を持っていることを思い起こさせてもらいました。

たくさんの学びを有難うございました。私も、もう少し頑張ろうと思いました。皆様にもどうか宜しくお伝えください。



といった、愛に溢れた内容のお手紙でした。ブログで紹介することを、ためらいましたが、共に保育の質を高め合う、その志しに、胸が熱くなってしまい‥ブログ読者とも分かち合いたいとの思いで、綴らせていただきました。ご了承ください。


そして、実は来週の火曜日。7月4日には、今度は岡山県笠岡市内の乳幼児施設の先生方をお招きして、公開保育を実施することになっています。

「なんで、そんなに立て続けに、全国や市内の先生方を呼んで、保育実践を見てもらうんですか?なにか自慢したいんですか?」との、ご意見もあるかもしれませんが‥それって逆なんです。

保育の質を向上するために、たくさんの先生方に足を運んでもらえるよう努力し、たくさんのご意見などをいただき、そしてそれを元に、保育実践を振り返るわけです。

自慢できるレベル、保育実践が完璧である、そんな園であれば、公開保育なんてしないんじゃないでしょうか。

余談ではありますが‥公開保育だからと言って、現場保育者たちには、特別なことをするのではなく、「いつも通り」の保育実践に努めるように声をかけています。なぜかって、「いつも通り」を見てもらわないと、せっかくたくさんの意見をいただけるチャンスをみすみす無駄にしちゃうことになるじゃないですか。

ただ、1つだけ特別と言えば、現場保育者には、公開保育参加者の方との見分けがつくように、即席の名札をつけるようにしています。即席なので、いわゆるガムテープに名前を書いて胸に貼っているものです。

実は、その即席の名札が、前回の公開保育(GT四国研修会)から、何人かの子どもたちの中でブームになっているんです。自分の名前を書いたり、ときには家族の名前を書いてみたりして、胸に何枚も貼っているんです。

公開保育も、子どもたちにとっては、人的環境が少々変化する、遊びの材料のようです。

★とみほ村サポーター(ボランティア・インターンシップ)・園見学・保育実習・古民家一時保育阪本屋・ワンコインランチ・私設公民館とみほ村文庫へのお問い合わせはホームページTOP電話番号から宜しくお願い致します。

2023-07-01
取捨選択

『何かを選ぶことは、何かを捨てること。』

某テレビ局の朝ドラにて、主人公に向けて祖母がはなった一言である。(NHK「らんまん」)


実は最近、数年ぶりに会うことができた友人がいる。この友人とは、出会いは10代の頃にあったが、心を通わすようになったのは20代の頃にある。僕の20代の私的な時間の大半は、この友人と過ごされた。

この友人とは、性別は同じであるが、境遇などはまったくもって違うと言っていい。ただ、いわゆる気が合ったのだろう。たいてい相手が何を考えているかなどは分かることができた。

そうではあったが、友人は僕の目の前から消えた。その理由が複雑であったことは分かってはいたのだが、なかなかそれを受け入れることができずにいた。そう、数年ぶりに会う、その時まで。

ただ、久しぶりに会った友人とは、やはりすぐに気が合った。それも、あいかわらず一緒にいると、どこかで無敵感を感じてしまう。それが、ある種でこの友人の魅力なのだろう。

みじかい時間ではあったが、お互いの近況報告をした。境遇なんてものは、どこまでも違うのだが、気が合っているところの、1つの理由にはお互いに“しぶとい奴だな”と思っているところだろう。

お互いに、この数年でたくさんのなにがしと、別れや捨てる経験をしたが、その分、また新しい選択や出会いをすることができていたことが、ぼくらの“しぶとさ”なのだろうと思う。


昨日、3歳になるかならないかの子どもが、おもちゃをおもいっきり投げ捨て、走り出していった場面に遭遇した。ぼくは、そのおもちゃを拾い、その子どもを追いかけた。

すると、追いついた頃には、その子どもは別のおもちゃで、なにがしちゃんと遊んでいた。

「片付けていってよ」との気持ちもあったが、あのおもいっきり投げ捨て、別の選択をする勇ましさに、ある種のあこがれも感じた。

★とみほ村サポーター(ボランティア・インターンシップ)・園見学・保育実習・ワンコインランチ・私設公民館とみほ村文庫へのお問い合わせはホームページTOP電話番号から宜しくお願い致します。

★就職希望の方へ。アツイ夏を、とみほ村で過ごしたい!そんな方は、まずはご連絡ください。働き方はいっしょに考えましょう。(人事担当 副園長村上)

「自由学園」見学の一コマ
2023-06-30
実験と検証のできる環境づくり

一昔前の、折りたたみ式携帯電話を覚えているだろうか。その当時「アップデート」なんて言葉は、それほど耳にしなかったはずなんです。次の新しい折りたたみ式携帯電話が登場して、何かが調整されてグレードアップされていたんだと思います。

しかし、現在、僕を含めたほとんどの人がお持ちのスマホであれば、それはしょっちゅう、なにかしらが「アップデート」されていますよね。アップデートする側にとっては、言わば“実験”なんだと思います。「これを、こうやって調整したら、どうなるかな?」ってね。それを世界人口規模でやってのけるのですから、多くのデータも収集できて検証もしやすいんだと思います。そして、もちろんその後は、さらに、より良いものになるよう「アップデート」、つまり“実験”が重ねられていくってわけです。

もう少し、この話題について深掘りさせて下さい。“実験”をしょっちゅうできる環境にあれば、それはより良いものを追求しやすい環境であることが分かりますよね。さらに、“実験”をしょっちゅうするためには、検証のできる環境をつくる必要ががあることも分かりますよね。そして、さらに言えば、実験と検証のできる環境であれば、それだけ、より良いものを追求しているという満足感も得やすいことも分かるんじゃないでしょうか。


昨日、某外資系IT企業の方に、こんなことを尋ねてみました。

「保育業界の働き方について、何かご意見を下さいませんか?どうも世間では、保育者がブラックな環境に陥っているという認識なので‥。」

すると、某外資系IT企業の方から、こんなご意見をいただくことが出来ました。

「長時間労働が一概にいけないわけではないと思います。それぞれに合った働く時間を、燃え尽きてしまわないように管理職がきちんと管理すれば良いと思います。大事なのは、働く人が、そこで働くことに“価値”を見出せているか、だと思います。価値を見出すための、1つの方法として、成果をあげることがあると思います。ただ、保育業界の場合では、数値などで測定がしづらいんだと思います。加えて、“実験”的なこともしづらいんじゃないでしょうか。倫理的にもしも許されたとしても、命を守っているわけですから、失敗が許されない。そしてもしも実験できたとしても、検証が非常にしづらいですし、できたとしても、スマホのアップデートのように、頻繁にさらに世界人口規模でなんて到底できませんしね。ちょっと、話しは違うかもしれませんが、農業を実践されている方と話す機会があった時に、こんなことを言っていました。“農業は季節とともにあるので、生涯にできる実験の回数は50回くらいしかないんだよな”と。」


異業種の方との対話には、たくさんのヒントが隠れていたように思います。

命とは別モノであることを前提に、失敗が許されるような実験の機会をどれだけ作れるか。

さらには、数値などで測定せずとも得られるような検証方法を考えることができるか。もしもそれが感覚的なものであれば、どれだけ保育者の感性を豊かにすることができるか。

それらを導き出すことが、保育者として、その園で働く「価値」を見出すことになるんじゃないだろうか。

ぼんやりと、霧めいた保育業界の未来に、一筋の光がさしこんだように思えた、ひとときでした。

★とみほ村サポーター(ボランティア・インターンシップ)・園見学・保育実習・古民家一時保育阪本屋・ワンコインランチ・私設公民館とみほ村文庫へのお問い合わせはホームページTOP電話番号から宜しくお願い致します。

2023-06-29
自治から生まれる自由

「何者でもない、ただの人。」東京に降り立つたび、どこやかしこを鋭い矢で突き刺されるように、思わされる。

喧騒感漂う、池袋に前泊してから、向かった学びの先は‥幼稚園から、小中高、そして大学(正式な認可はおりていない)の一貫校として君臨する、学校法人「自由学園」。

圧巻としか言いようがないことと言えば、その広大な敷地と、歴史と強い意志を感じる大木が並んだ自然環境だろう。どれくらいの規模かって、そのあたり一帯の住所に“学園町”と正式に入っているほどにである。

この自然環境をブログ読者が想像するうえで、「本物をまなぶ学校~自由学園~」での一説を紹介したいと思う。

ー元気のない生徒がいたら、広いキャンパスをゆっくりと並んで何周でも歩く。空に伸びる木々を見つめ、やわらかい風に吹かれるうちに、心を開いてぽつりぽつりと胸の奥にあるものを言葉にするのだという。


幼稚園部の方からのお話しを中心にお聞きした中で、2つのキーワードがありました。

それは【自由】と【自治】です。

まず、そもそも幼稚園部は、「生活団」というコミュニティから、時代とともに「幼稚園」に様変わりしたんだそうで‥靴下の履き方や服の畳み方などの生活に必要とされるものの習得に力点を置きつつ‥音楽や絵画などの表現活動が充実できるようなプログラムを組んでいるそうだ。

これには、“自由”という“責任”をもった活動をするための、いわば土台を培っていこう、との目的があるようだ。


ここで、キーワードの1つの“自由”が出てきました。

この度、学ぶ機会を共にした、雑誌の編集者(遊育)と、東京の園長先生方(うらら保育園園長先生・チャチャチルドレン園長先生)とで、「そもそも“自由”って、なんだろうね?」との、対話時間を持つにいたりました。

自由学園での見学中に、しっくりとした「“自由”って、なんだろうね?」の答えを言語化することは出来ずにいたのですが、これについては、本日の後半戦での勉強会で、明らかにされはじめました。


後半戦は、僕のようなものが足を踏み入れてはいけないような、異次元のようで、けれども非常に居心地の良い空間環境をもった、某外資系IT企業のオフィスへ。

そちらでは“働く”ことについてを、異業種の方々と様々な角度から(保育業界には無い視点)話し合いましたが、その中で、本日のテーマの1つ、“自由”が出てきたんです。

働きやすいであったり‥働きがいがあるであったり‥“楽しいな!”と思えるには『自分でコントロールできる範囲が広くなること』が、あるんじゃないだろうか。

これを“自由”に置き換えると、一同、ストン!と来るものがありましたし、また自由学園での“自由”への理解もスムーズに運ぶものがあったんです。


自由学園でのテーマの、もう1つには“自治”がありました。こちらは共同生活に価値を見出して、共に生きる意義深さを知るために非常に役立っていることは推測できましたが‥“自由”になる上でも“自治”は非常に役立っていることがよく分かりました。

つまりは“自治”を学ぶことで、『自分でコントロールできる範囲が広くなる』、そしてそれが“自由”につながっていくのでしょう。


自由学園と、某外資系IT企業。まったく違うようで、実は“自由”と“自治”についてを非常にこだわっている共通点があるからこそ、ある大きなビジョンを持っておられました。

それは、今の社会に合わせるのではなく『新しい社会を作る』というビジョンです。


より良い社会、コミュニティを作るうえで、たくさんのヒントを得ることができた、このたびの東京ツアー(遊育発 園長探偵団)。

僕は「何者でもない、ただの人。」ではありますが、自分にもできる、小さな社会貢献を積み重ね(自治への参加)、突き刺された鋭い矢を1本ずつ引き抜きながら、自由に生きていきたい、そんな想いを馳せながら、帰り路につく。

★とみほ村サポーター(ボランティア・インターンシップ)・園見学・保育実習・古民家一時保育阪本屋・ワンコインランチ・私設公民館とみほ村文庫へのお問い合わせはホームページTOP電話番号から宜しくお願い致します。


ブログ読者の皆さまへ「あなたは、自分の人生に決定権を持って生きておられますか?」

この問いと、同時に「あなたにとって、自由とは?」


問いに問いを重ねたり、また他者と一緒に問いに向かい合ったり‥まったく違う角度や視点、尺度で考えることで、新たな答えや、さらに新たな問いをたてることができるのでしょう。

2023-06-28
いつも頭のどこかで‥

早朝、いつものように玄関前を掃き掃除していますと、見覚えのあるナンバープレートをつけた、1台のクルマがとまりました。富岡北地区まちづくり協議会の理事の方のクルマです。ダンボール箱を抱えながら、こちらへ歩いて来られます。

「これ、子どもたち、食べるかな?」

ダンボール箱の中身を見てみると、黄金色と呼んでもよいほどの艶やかな“ビワ”が数十個入っていました。

この理事の方のお家にも毎月お便りを持っていくのですが、たいていこの頃になると、ビワの木のビワの実に1つずつ紙袋のようなものをかぶせているんですね。たぶん害虫予防だと思うのですが、数が数だけに、かなりの手間ひまがかかっていることは、容易に想像できます。

お昼ごはんの時のデザートに、しっかりと感謝し味わっていただこうと思います。(こっそり、今、試食をしたのですが、非常に瑞々しく、そして甘かったです。美味しかったー!!!)


『こどもまんなか社会』を掲げ、異次元の少子化対策をうって出ている日本。何兆円だとか何億円だとかの大きな規模のなにがしなどは、僕たちにはよく分からないところですし、そのあたりは大臣や官僚にお任せしましょう。僕たちに出来ることは、ビワを持ってきて下さった理事の方のように、わが子だけでなく、地域の子どもみんなを、地域のみんなが気にかけること。それが『こどもまんなか社会』につながるんじゃないでしょうか。


実は、先日、他の理事の方からは、大きな鉢に大きく育った“ヒマワリ”をいただきました。富岡保育園の前を通ることがある方ならば、玄関前に立派に咲き誇っているヒマワリが、それです。見事に咲いているヒマワリから、登園する子どもや保護者、また出勤する職員たちは活力を得ることができています。

また、さらに他の理事の方からは、マリーゴールドの苗をいただきました。種から大事に育てられたそうで、色違いの2種類があるんだそうです。こちらも、園庭の花壇に植えさせてもらい、夏から秋に咲くのを楽しみに待ちたいと思います。


富岡北地区まちづくり協議会の方々を筆頭に、地域のさまざまな方たちが、いつも頭のどこかで「富岡保育園の子どもに‥」と思って下さることに、感謝、感謝です。このような関係を持続できるよう、さらに富岡保育園は、社会福祉法人として、社会福祉に誠実に貢献していきたいと思います。

★とみほ村サポーター(ボランティア・インターンシップ)・園見学・保育実習・古民家一時保育阪本屋・ワンコインランチ・私設公民館とみほ村文庫へのお問い合わせはホームページTOP電話番号から宜しくお願い致します。

★就職希望の方へ。アツイ青春の夏を、富岡保育園で働いて過ごしたい方がおられれば、ご連絡お待ちしております。年齢や性別は問いません。いっしょに笑顔と感謝を巡らせましょう。(人事担当 副園長村上)

2023-06-27
アラフォーの痛み

やっぱり腰痛である。いや、全身痛だ。間違いなく、昨日の地元のソフトボール大会によるものだろう。

自分のイメージする動きと、自分の身体の機能(筋肉やらの全て)とのギャップが生み出した“痛み”なのだろう。

つまりは、ギャップが小さくなるように、イメージを飛躍させ過ぎないように努めたり、もしくは身体の機能を高める努力をすれば“痛み”は小さくて済むのかもしれない。

しれないのだが、たいていは“痛み”を経験してから、何らかの努力の方法を思いついたり、やろうとしたりするのだ。


アラフォー(40歳前)の僕ですら、この境地なのだから、アラフォー(4歳前)の子どもたちも、似たような境地にいるのではなかろうかと、考えてみたい。

腰痛や全身痛のような“痛み”ではないだろうが‥例えば、すこし自分よりも背丈が大きかったり、何らかの憧れをもった他者を見ると「自分にも、できるのではないだろうか。いっちょ、やってみたろうか。」と、好奇心や挑戦する気持ちが湧いてくるのだろう。

ただ、そこに自分のイメージする動きと、自分の身体の機能とのギャップがあるがゆえに、すってんころりん転んでしまったりして、膝を擦りむいちゃったりして“痛み”をともなうわけだ。

そして“痛み”を経験することで、そのギャップを知り、何らかの努力の方法を思いついたり、やろうとしたりするのだ。(※いわゆる、流行り言葉で説明すると、これが非認知能力というものだろう。自分と向き合い、そして高めようとし、他者とつながる方法を考えてみようとするチカラになるのだろう。)


“痛み”と“非認知能力”とは、言わば両輪のように働いていると考えてみると‥わざとであったり、無理矢理といった非常識さは別モノてして、子どもたちを見守る場面において、どのあたりまで干渉し保護すれば良いのかは、“非認知能力”についてを詳しく知ることが手掛かりの1つになるように思う。そして“非認知能力”を詳しく知るためには、知る者(例えば僕を含めた保育者)が、非認知能力を高める努力をしなければならないのだろう。


カッコよくまとめたつもりだが、だがそれでも全身痛に変わりはない。この“痛み”は、もしかすると僕の非認知能力を高めてくれているサインなのだろうか。

(※非認知能力の中身の例・・・想像力、自制心、忍耐力、自信、楽観性、意欲、コミュニケーション力、共感性、社交性etc)


★とみほ村サポーター(ボランティア・インターンシップ)・園見学・保育実習・古民家一時保育阪本屋・ワンコインランチ・私設公民館とみほ村文庫へのお問い合わせはホームページTOP電話番号から宜しくお願い致します。

★本日、午後から、笠岡工業高校、地域貢献授業「笠工テクノ工房」の方々が、イルミネーションの打ち合わせに来て下さいます。園児や保護者、保育者や地域の方々の心に優しさが灯るデザインをお願いしようと思っています。宜しくお願い致します。

2023-06-26
ヒトらしくいたい、アナタへ。

地元のソフトボール大会が、コロナ渦ぶりに開催されました。当時から少子高齢化が進んでいたこともあり、じょじょに参加チーム、人数も減っていました。なので、驚くことはないのですが、やっぱり人数も少なく、それでいて平均年齢が70歳近くのチームもあったりしました。とにもかくにも、救急車などで運ばれるような大ケガがなかったことは幸いだったのではないでしょうか。

数年ぶりに見かけると、「あの人、変わんないな~。」となるか、もしくは「あの人、変わったな〜。」となるか。この時の“変わったな〜”は、たいてい動きが鈍くなっていたり、見た目が老けていたりすることになるのでしょう。(僕も後者の1人です。)

そんな分析は置いときまして、ソフトボールが上手いだとか下手だとかでなくて、やっぱり、人と人とが交流し合うことこそが、人が人らしく生きる術の1つなんだろうと実感しました。あっちやこっちが痛いだとか、打てん投げれんだとかの“どうだっていい”会話が、案外、人が人らしく居られる空間には大事なのでしょう。(少子高齢化という世界史上初の課題へのヒントが隠れていたように思います。)

ついつい、現代社会、つまりは資本主義の渦の中で巻かれてしまうと、生産性だとか効率性だとか、費用対効果なんて考えに価値が見出されちゃいますが“どうだっていい”時間や会話、また活動なんてものを疎かにしてしまっては、もはや人(ヒト)という生き物(動物)でなくなってしまうのかもしれませんね。


さて“どうだっていい”もの代表として、この副園長ブログがありますが‥かれこれ1400回を超えちゃってるみたいなんですよ。たいてい1回更新するための所要時間は、1時間~2時間ほどですので‥2000時間は間違いなく使っているはずなんです。

さらに、その“どうだっていい”もの代表の、副園長ブログにはコアな愛読者もいるようなんです。たぶん、1回分の読破には5分はかかると思うんです。なので、7000分は使っているはずなんです。

つまりは、副園長ブログを綴れば綴るほど、読めば読むほど、人(ヒト)らしくいられるわけですよ。

富岡保育園やクレヨンKIDSの保護者、また保育者だけに限らず、そのご家族や友人、またどこぞやで見つけて読み続けて下さっている、あなた。

貴重な時間をこの副園長ブログにあててくださり、誠に感謝しております。本当にありがとうございます。これからも、この“どうだっていい”、つまりは“人らしくいられる”副園長ブログは続きますので、どうかお付き合いのほど、宜しくお願い致します。


〈どうだっていい情報〉

★昨日、軽トラを購入しました。農道のポルシェと呼ばれる、SUBARUのサンバーです。5速ミッション、手動ウィンドーハンドル、そしてエアコンなしの、人(ヒト)らしくいられそうな車です。ブログ読者の方も含めて、何か運んでほしいものがありましたら、気軽にお声掛け下さいね。(笠岡市限定でお願いします。)

★6月27.28日、副園長村上は東京上陸予定です。(池袋にある大正時代に創立された自由学園の視察を予定しています。※幼稚園、小中高、大学、一貫校)ご用事がある場合はコチラまで→09X33715648


〈どうだっていいわけではない情報〉

★とみほ村サポーター(ボランティア・インターンシップ)・園見学・保育実習・古民家一時保育阪本屋・ワンコインランチ・私設公民館とみほ村文庫へのお問い合わせはホームページTOP電話番号から宜しくお願い致します。

★人(ヒト)らしくいたい就職希望者の方へ。暑い、いやアツイ青春の夏を過ごしたい方がもしもおられればご連絡下さい。年齢や性別など一切問いません。汗と涙を流し、笑顔と感謝をともに巡らせましょう。お待ちしております。(働き方については、いっしょに考えましょう。※副園長村上からオススメパターンや、いくらか条件を提示することもあります。)

※就職希望者の方は、まずは園見学や保育参加からをオススメしています。お問い合わせはホームページ電話番号、又は人事担当の副園長村上まで→09X33715648

ヒトらしく遊ぶ
ヒトらしく食べる
2023-06-25
現在、エアコンクリーニング中!

現在、お昼寝の部屋やランチルームのエアコンクリーニングを業者の方にしてもらっています。梅雨から猛暑の夏に向けて、すこしでも気持ちよく過ごせるように環境整備に努めてまいりたいと思います。


さて、猛暑の夏と言えば‥笠岡市社会福祉協議会企画の「夏のボランティア体験」が開催され、富岡保育園へも大勢、参加して下さいます。

学生にとってももちろん学びになる体験になりますが、園児にとっても、また職員である僕たち保育者にとっても大変学びを深める企画だということは、お知りおきください。コミュニティ内に、さまざまな人たちが入り交じることによって、予測できないような化学変化が起こります。ひとりひとり、ひとつひとつが、良いご縁になることをお祈りし、学生たちの受け入れを準備していきたいと思います。

※このたびは、総勢35名の学生たちが参加を希望してくださいました。卒園児の学生もおられれば、何年も連続して顔を出してくださる学生もいます。そして、はじめましての学生も。たくさんの学生と出会えることに感謝しています。

※ワンコインランチご希望の皆様へのお願いです。夏期は、ご覧の通り、たくさんの学生が保育参加して下さいます。もちろんお昼ごはんもいっしょにです。食材の都合上、前もっての予約をお願いします。(ちなみに、7月は24.25.26.27日は、満員御礼となっています。ご了承ください。)


それでは、本日は、6月18.19日に開催された「保育デモクラシー2023~みんなで考える“こどもまんなか社会”」の、スタッフも兼任して下さった参加者の感想をいくつか抜粋しながら紹介したいと思います。


ー保育実践発表を聞いて、地域とのつながりの大切さ、地域を大切に思う気持ちが、より大きな経験となる事。これは富岡保育園、クレヨンKIDSどちらにも当てはまると思いました。
地域の方々、保護者、施設の利用者、職員がいてくれて、見守ってくださったり、関わりを持ってくださったりするからこそ、子どもたちも、私たちも、たくさんの学びがあり、保育園は成り立っていると思います。感謝の気持ち忘れず誠実に保育をしていきたいとあらためて思いました。
新しいことに挑戦する時、デメリットを考えるのではなく、子どもにとってはどうなのか?大人の都合になっていないか?を考えていきたいこと。
また子どもへの言葉掛けも、ただ声をかけるのではなく、子どもの気持ちに寄り添ってプロセスを褒めていけるように意識していきたいと思います。
藤森先生、藤井先生の対談もとても勉強になりました。“こどもまんなか社会”のお話で「今がチャンス!!」という言葉がありましたが、私たちにできる事、子どもたちが〔保育者も〕自分らしく安心してのびのびとあそんだり生活したりできる環境を、チーム保育で作っていきたいと思います。


ー藤森先生のお話から学んだことを早速実践してみました。お昼寝の時間、高い声で「ママがいい」と言う子どもに対して「ママがいいね。お昼寝するか、静かに過ごすかどっちにする?」と聞くと、静かになり、その子はすぐに眠りにつきました。注意するのではなく、子どもに選択肢を与えたことによって、その子は嫌な気持ちにならずに納得することが出来ました。

さらに、自分でお茶を注いだり、手を洗うことがまだ難しい子どもに対して、初めから全てしてしまわず、子どもが自分で出来るよう手を添えて行いました。すると子どもの嬉しそうな顔を見ることが出来、今後も様々な場面で子どもの「できた」を増やしていきたいと思いました。


★とみほ村サポーター(ボランティア・インターンシップ)・園見学・保育実習・古民家一時保育阪本屋・ワンコインランチ・私設公民館とみほ村文庫へのお問い合わせはホームページTOP電話番号から宜しくお願い致します。

2023-06-24
妊婦さんになった子どもたち

対話型人工知能(AI)「チャットGPT」など生成AIについて文部科学省が策定する小中高校向け指針の原案が判明した。原案は生成AIを使いこなす力を意識的に育てる姿勢が重要と強調。一方、批判的思考力や創造性への影響といった懸念に言及し、限定的な利用から始めることが適切だと指摘した。

地方新聞(山陽新聞)の一面記事を紹介してみました。ブログ読者の皆さま、いかがですか?「なんのこっちゃ!?」って頭のうえにハテナを並べた方もいるんじゃないでしょうか。

要するに、コンピューターの成長がとんでもなくて、学生たちの“学び”に影響を与えそうだから、なんとかしなくちゃって話しです。そして、話しをしている間にも、コンピューターたちは予測を超える成長をするもんだから、手がつけらんないってのが本音なんじゃないでしょうか。そのうちコンピューターに向かって「人間はコンピューターと、どうやって付き合えばいいんですか?教えてください。」なんて聞いちゃうかもしれませんよね。


ブラックジョークはこれくらいにしときまして‥「何が“学び”なのか?」を、再認識、再定義するような時代になっているのは確かですよね。デジタル教育だなんて言ってたら、コンピューターに使われる人間、いや使われもしない人間になっちゃったりして。

先日の藤森平司先生の講演で「教科書をめくったり、ノートに書いてみたり、鉛筆を削ったり、定規やコンパスを使ったり、そのような実体験が大事なんじゃないでしょうか。」「また“班活動”などで学生同士が意見を交わすことも非常に大事です。ちなみに“班活動”は日本特有のもので、実は世界から高く評価されている教育活動なんです。」といった内容の一コマがありました。

もしも、学生がコンピューターに1人で向かっちゃってたら、なんだか大事なものが失われていそうですよね。

これは、小中高校に限らず、保育園や幼稚園、こども園時代の幼児教育にも当てはまるものだということは、僕が言わなくても分かりますよね。

キーワードは【子ども同士】+【実体験】つまりは、【藤森メソッド】ってことになります。


小難しい内容のブログを綴っているそばで、玄関口に作られたツバメの巣に向かって、数人の子どもたちが何やらを話しかけたり、また子ども同士で会話をしています。

「赤ちゃん、見える?」「見えんけん、俺、ビールケース持ってくるわ!」

いくらか持ってきたビールケースを重ね、ひとりがのぼると、その下では「落ちんように、もっとってあげる!」と、支えるひとりがいます。


しっかりと学んでるなぁ、と感心していましたら‥そのうちのひとりが、ボールを持ってきました。そしてTシャツの内側に入れるんです。要するに妊婦さんになったわけです。

もちろん、ひとりがすると、こぞってするもんですから、数人の妊婦さんになった子どもたちが、そこにはいました。

そしてまた、ツバメの巣に向かって、何やらを話しかけるんです。今度は、ツバメの親と同じ気持ちでね。

★とみほ村サポーター(ボランティア・インターンシップ)・園見学・保育実習・古民家一時保育阪本屋・ワンコインランチ・私設公民館とみほ村文庫へのお問い合わせはホームページTOP電話番号から宜しくお願い致します。


余談になりますが‥ツバメの親と同じ気持ちになったはずの、妊婦さんになった子どもたちの、その後です。

ブログ読者の皆さま、想像してみてください。Tシャツの内側に、柔らかいボールが入った子どもたちが、向き合って、ぶつかると‥それは、ボインボインと楽しくぶつかり合えますよね。ちょっとしたお相撲がはじまっては、もちろんどちらかが倒れて、ケンカになっていました。

2023-06-23
あきらめずに問いを持ち考えよう

「勤務時間はどのくらいですか?」

「給料は少ないんですか?」

「給料と仕事が見合っているんですか?」

「本当に虐待はあるんですか?」

「虐待をする理由は何ですか?」

「退職率はどのくらいですか?」

「待機児童として多いのは何歳児ですか?」

「保護者が安心して預けられないのは何でですか?」

「保育士は実際に不足しているんですか?」

「1人で何人分の業務を背負っているんですか?」

「何人で働くのが理想ですか?」

「休憩時間はあるんですか?」


つらつらと質問群を並べました。これは、昨日授業に呼んでいただきました、ある学校の生徒たちからの、現役保育者たちへのものです。

ブログ読者の皆さま、この質問群を見てのご感想はありますか?

僕の感想は‥「これが、保育者への世間からの評価なんだろうな‥。」と思いました。

給料が少なく、残業も山ほどあって、少ない人数でたくさんの業務を抱えながら、それでいて休憩時間もなく、そしていつの間にか虐待をしてしまい、退職する。それが保育者という仕事である、という世間からの認識なんでしょう。

正直、こんな夢も希望もないような仕事に誰が就こうと思うでしょうか?ボロボロの擦り切れ雑巾みないになりながら、どうやって子どもたちを保育するって言うんでしょうか?

学生たちは世間のニュースに敏感です。ここのところ流れてくる、不適切保育だとか、それらのものを受け止めての質問だったのでしょう。


さて、つらつらと、いや辛辛(つらいつらい)と並べられた質問群に村上がどのように答えたか、です。

まずは、学生たちに「どんなことをしたら虐待(不適切保育)になると思う?」と聞いてみました。

すると‥殴る、責める、無視する、食事を与えない、などなどが挙げられました。

つまりは、保育士の資格を取得せずとも、何が虐待にあたるのかは分かるってことです。

続けて、学生たちに「なんで、そんなこと(殴る、無視する‥)などを、してしまうと思う?」と聞いてみました。

すると‥その先生の個人的事情、ストレス、子どもが言うことを聞かない、などなどが挙げられました。

さらに、学生たちに「なんで、先生たちはストレスが溜まると思う?」と聞いてみました。

すると‥給料が低い、モンスターペアレントからいちゃもんをつけられる、周りの人が優しくない、などなどが挙げられました。


辛辛(つらいつらい)質問群に対して、質問で返してみると、面白いもので、全ての質問群はどうも1つに繋がっているのではないかと、僕を含めた参加者全員は気づいてきたんですね。

ここで、もう1つ質問を返しました。「じゃあ、給料が低くて、ストレスが溜まったとして、子どもを殴ってもいいかな?」

さらに、「モンスターペアレントからいちゃもんをつけられて、ストレスが溜まったとして、子どもを無視してもいいかな?」

この質問への答えは、学生たち一同が首を振りました。

その様を見て、僕はこんな質問をぶつけてみました。「そうだよね。保育園の先生でなくとも、大人でなくとも、みんなのような高校生、いやもっと子どもでも分かるよね。」

「じゃあ、もう1回整理してみよう。保育園の先生になるくらいだから、もちろん子どものことを可愛いと思っているし、大好きだと思っている、そんな人が。子どもでもやってはいけないと分かっているような、虐待(不適切保育)をしてしまうのは何でだろう?」

「堂々巡りになるくらいだから、この質問には、複雑な理由があるのかもしれない。だからこそ、みんな(学生)には、ネットで流れるニュースを収集するのもいいんだけど、直接、現場に足を運んで、見て聞いてみてほしいんだ。」


虐待(不適切保育)以外の質問群にも、時間の限り質問で返しました。

「給料はどのくらいもらいたいの?」

「どんな保育園だったら安心できるかな?」

「休憩時間はどのくらい必要なの?」

「退職って、悪いことなの?」


実は、質問群に質問で返していくうちに、学生だけではなく、僕を含む現役保育者にも、この質問を考える必要があるんじゃないかと思えてきました。

現役保育者も、人間です。少なからず世間で流れるニュースによって何かしらの影響を受けているはずです。ただそのことによって、もつ必要のないストレスなんかを持ってしまうこともあるかもしれません。


保育者に限らず、社会では「だって、しょうがないもん。」と、問いを持つこと、考えることを、あきらめてしまうことが多々あるのではないでしょうか。

ただ、あきらめてしまうことが多くなればなるほど、次世代、つまりは学生を含めた子どもたちに希望を繋げる、残すことはできなくなってしまうのではないでしょうか。

僕たち現代の大人が、問いを持ち考えることをあきらめないこと。そして「だって」ではなく、「だったら、こうしてみよう!」と試行錯誤する勇気を持つこと。

★とみほ村サポーター(ボランティア・インターンシップ)・園見学・保育実習・古民家一時保育阪本屋・ワンコインランチ・私設公民館とみほ村文庫へのお問い合わせはホームページTOP電話番号から宜しくお願い致します。


全ての質問群が1つに繋がっているとしたら?それは休憩時間を増やそうと、給料を上げようと、辛辛(つらつら)とした世間からの評価は変わらないのではないでしょうか?

大事なのは、やはり保育の根幹を見直すことだと思います。「保育とは?」この問いを何度も何度も考え直すことが、辛辛とした質問群への答えや解決になりそうです。

2023-06-22
学校が変わる大チャンス!

「関係人口」という言葉をお聞きしたことがありますか?移住定住対策などで用いられたりするものです。簡単に説明すると、そのまちには住んでいないけど、仕事であったりなにやらで関係した人たちを増やしていきましょうよ、ってことですかね。(詳しくはお調べ下さい。)

今日はこの「関係人口」という言葉を子育て、保育や教育、保育園や学校にも応用できるんじゃないかって話しです。

昨日、笠岡市中央小学校で学校運営協議会がありました。学区にある、保育園、こども園、小学校の代表が集まり、授業参観に、また小中一貫校化することへの熟議の時間が設けられました。

たいてい、学校の説明と言えば、お決まりの学校要覧の説明くらいなのですが、このたびは違ったんですね。校長先生や教頭先生から「包み隠さず、説明させてもらい、たくさんのご意見をいただきたいと思います。」と述べられて、ある学年の問題(表現が難しいですが、誤解を恐れず言えば学級崩壊のような雰囲気です。)についてを具体的に説明して下さいました。

臨時で行われた保護者会と同じ内容の冊子が配布され、どのような問題が起こっており、どのような対応をしているかを丁寧に述べられていました。

冊子の内容についての是非を問うことはしませんが、僕は凄いなと思いました。なかなか学校の内部の問題を、学校に属していない僕たちにまで説明し、意見を求めるって難しいと思うんです。ただそのある学年の問題が、学校内部だけでは、おさまりが効かないほどになっているんだろうと肌で実感もしました。(偶然、その学年のある学生と出会った時に、自分たちの中学生くらいの記憶が蘇ったんですね。)

このような問題って、もちろんその学年であったり、クラスだったりに属している先生や生徒、保護者にとっては大変なことなんだと思うのですが‥勇気を出して意見を発しますと、『学校が変わる大チャンス!』なんだと思うんです。

よくある傾向として、問題を抱えていそうな学生自身やその家庭に解決策を見出そうとするのですが‥その前に出来ることがあるんです。それは学校環境の見直しです。

そして、そのタイミングで、現在、学校では小中一貫校化や、教科担任制の導入など新しい環境が進められている、これはまさに転機だと思いました。

ひとりの学生に対して担任の先生だけでなく、また小学校の先生だけでなく、複数の、また中学生の先生までも関係するようになります。そして、先生にとってもフォローをしてくれる仲間が増えるわけですよ。つまりは『関係人口が増える』ってことです。

僕はこのような類の問題については解決はないと思っています。とんでもない一手を打って解決するものならば、その一手は悪手ですよ。

それよりも大事なのは「僕にとって、私にとって、たくさんの先生が見守ってくれている、気にしてくれている。」って安心感を学生に与えること。

そして先生の立場からも「僕にとって、私にとって、たくさんの方たちが支えてくれている、助けてくれる。」って安心感を先生方に伝えること。それには、やはり地域の存在が必要不可欠です。

保護者も含めて、地域のたくさんの方々が、「子どもを守ってあげよう。先生を守ってあげよう。」そうなることが、学校にとっても、まちにとっても良いんです。

学校の問題は、地域の問題、まちの問題。つまりは、学校の問題を地域のみんなで解決するような取り組みをすれば、まちが豊かになるはずなんです。

副園長ブログでは、学校に対して辛辣な記述をしてしまうことが多々ありますが、僕自身、学校は大好きです。だから出来る限り応援したいと思っています。

(各地域にある、まちづくり協議会と学校とのコラボや、笠岡市にたくさんおられる地域おこし隊の方とのコラボを充実させる仕組みを考えています。【地域の財産を再発掘】)

★とみほ村サポーター(ボランティア・インターンシップ)・園見学・保育実習・古民家一時保育阪本屋・ワンコインランチ・私設公民館とみほ村サポーターへのお問い合わせはホームページTOP電話番号から宜しくお願い致します。

津山市から「紙芝居おじさん」がやって来た!
2023-06-21
意地悪な言葉遊びを楽しみました

ある女の子たちによれば、最近、なにがし先生と「おおかみごっこ」をすることが楽しいのだそうです。

そして、たまたま出会した僕にも、その「おおかみごっこ」をしようと言うのです。ですから、まずはその「おおかみごっこ」のルールというものを学ばなきゃと質してみました。

すると‥「むらかみ先生!おおかみと、おかあさん、両方してくれる?私たちは、こやぎをするから。」


なんとなく察してみたところ、あの物語をモデルにした、ごっこ遊びなのでしょう。たぶん正確には「おおかみとしちひきのこやぎごっこ」です。

ちょっと意地悪な僕は、「両方はできない。あと、おかさあんは誰のおかあさんなの?」と質してみました。

すると‥「なにがし先生は両方できるんで!」と、そして続けざまに‥「は!?こやぎのおかあさんに決まっとるが!むらかみ先生“おおかみとしちひきのこやぎ”知らんのん?」とですね、それはそれはキツく言われてしまったわけですよ。

ここでもう少し意地悪をしようと僕は‥「“しちひき”って何匹なん?」と質してみました。

するとですね‥「うーん‥よん!?」「いや、はち!?」なんて答えが、さきほどのキツさとはうってかわって、ぽろぽろと。

そしてどうにもこうにも、意地悪な僕の質のせいで話しが進まないことに苛立ったのか‥「ちょっと待っとって!絵本もってくるけん!」と、その女の子たちは「おおかみとしちひきのこやぎ」の絵本を持ってきました。

裏表紙に描かれている“こやぎ”を、人差し指で1匹ずつ押さえながら数えていきます。「いち、にぃ、さん、しぃ、ごぉ、ろく‥しち!」

それは、いろいろな考えがピッタンコした時のように気持ち良く発っせられました。

少しの意地悪を完結させようと僕は‥「ところで、その“しち”は、何匹なの?」と質しました。

すると女の子たちは、ぽろぽろとしたものではなく、それはそれはハッキリと「なーなひき!7匹!むらかみ先生まだ分からんのん!?」


僕は意地悪のお返しに、なにがし先生のような名演技はできないでしょうが、おおかみと、おかさあさんの両方を演じてごっこ遊びに参加しました。お返しのつもりで、僕なりのおおかみを演じると‥「怖すぎ!」と女の子たちから指導されました。絵本の世界観を感じとれる感性を磨く必要が僕にはあるようです。

★とみほ村サポーター(ボランティア・インターンシップ)・園見学・保育実習・古民家一時保育阪本屋・ワンコインランチ・私設公民館とみほ村文庫へのお問い合わせはホームページTOP電話番号から宜しくお願い致します。

2023-06-20
民主主義の根幹は乳幼児期にある

「やっっっぱり、すっっっごいなぁ。」と、あらためて、見守る保育提唱者である藤森平司先生をリスペクトする、この2日間でした。

このたび、GT四国見守る保育研究会の主催を富岡保育園が担当させていただきました。会場やお土産なども含めて、すべて岡山県笠岡市富岡の財産を使わせていただきました。財産と言っても、モノだけではなく、地域の方々や富岡保育園の所属する法人の方々すべてのヒトもです。

自称企画リーダーとして、このたびの研究会に2つのテーマを盛り込んでみました。それは【デモクラシー(民主主義)】と、【こどもまんなか社会】です。

このテーマは実は、直近の自らの課題なんですね。保育者として、もちろん発達過程を学んだり、ミルクの与え方などを学んだり‥ミクロの視点を大切にしてこそ保育の質が向上するものですが‥それと同時にマクロな視点として、その子どもたちを取り巻く社会環境を良くすることについても、保育者として何かできないだろうか‥そんな課題のヒントを得るために、全国の先生方の集まる研究会のテーマに盛り込んだってわけです。

ただですね、やっぱり、やっぱりなんですよ。藤森先生はたくさんのヒントを、多角的な視点と本質をつこうとする意見で、ものの見事に下さるんです。


社会、地域、つまりは“まち”をつくるにあたって、現代で最良と思われている【民主主義】ですが‥日本では、どうもこれがショートしちゃっているんです。例としては20代の選挙投票率に顕著にあらわているわけですよ。これってその根幹には「どうせ、私の一票で、“まち”が変わるわけないじゃん。」ってところがあるんだと思うんです。

にもかかわらず、ただただ投票率を上げようと若者に選挙に行け、行けと促したところで、根幹のところが変わらなきゃ、どうにもならないですね。

“まち”づくりを皆でしよう、皆で良い社会を作ろう、だから皆で話し合おうよ、その1つが選挙だとして、若者の投票率を上げるには‥なんと!なんと!僕たち保育者が携わる【乳幼児期】がめちゃくちゃ、めちゃくちゃ大事なんだそうです、いや大事なんです。


乳幼児期に、どれだけ【影響を与える権利】を尊重してもらったかが、なんとその後の“まち”づくりに大きく関係しているだなんて、ビックリ仰天ですよ。

乳幼児期って、つまりは赤ちゃんからです。ミルクが飲みたい時は泣いて誰かを呼ぶ。やりたい活動があれば友だちや先生などとやれる方法を考えてやってみる。誰かが決めたことではなく、決めることを決める、参加のもう1つ先の参画した経験をたくさんすることで「僕の、私の一票で、“まち”が変わるかもしれない。」って思えるんです。


だからね、もっともっと大きく言えば、まちや地域や社会、さらには世界を、子どものために良くするには、その子どもたちの【影響を与える権利】を保障するっきゃないんです。そして、その保障活動の一端、いやリーダーシップをとらなきゃいけないのが僕たち保育者なんですよ。

ミクロでもマクロでも、僕たち保育者は、この世界、社会、地域、まちになくてはならない、いやむしろ先頭に立って声を出していかなきゃいけない存在なんですよ。


2日目最後に、藤森先生と、また笠岡市元校長先生の藤井先生が対談された中で‥御二方とも、『今がチャンスなんだ!』と、声を大にして、僕たち保育者を励まして勇気づけて下さいました。

不適切保育、こども基本法、こどもまんなか社会‥世間が良くも悪くも、子ども、またそれに携わる保育園や学校に注目、いいや、大注目している今。その今だからこそ、僕たち保育者は、何が本当に大事かを発信する大チャンスなんです。


ここには綴りきれないほど、本当にたくさんの学びを得た、2日間でした。余談になりますが、僕の場合は、藤森先生の送迎役もさせてもらえ、講演会とはまた違った、藤森先生のその人柄にたくさん触れることができました。

謙遜さと物腰の柔らかな姿勢から、上に立つと言いましょうか、教育者と言いましょうか、そこんところのお手本を体感することができました。


藤森先生をはじめ、対談して下さった藤井先生、また参加者の方々、そして地域の方も含めたスタッフの皆さま、実りある時間を共につくって下さり誠にありがとうございました。

★とみほ村サポーター(ボランティア・インターンシップ)・園見学・保育実習・古民家一時保育阪本屋・ワンコインランチ・私設公民館とみほ村文庫へのお問い合わせはホームページTOP電話番号から宜しくお願い致します。

藤森平司先生の講演in富岡会館
富岡保育園見学後、参加者ピクニック体験
2023-06-19
ツいてるね、ノってるね。

ツいてる、ノってる、そんな気持ちになる時ってありますよね。

今日の勉強会にむけて、富岡会館やら富岡保育園やらをカタコトとしていますと‥20名ほどの方々がぞろぞろと歩いていたんですね。なんでも「笠岡市観光ガイドボランティアの会」の方々が企画した「第8回かさぶら 富岡界隈を歩こう~鴨方往来~」の参加者たちだったんです。

通りがかりで、せっかくなので富岡保育園にも寄ってみたいとのお声がけをいただきましたので、喜んでお迎えさせてもらいました。ね、ツいているでしょ、ノっているでしょ。

参加者の中で、山田方谷(幕末に活躍された備中松山藩の政治家)と、この保育園との関係を教えてほしいとの打診がありましたので、これについては、僕の又聞きとうる覚えによるところの話しをさせてもらいました。

※富岡保育園の建物は、かつて阪本家として江戸時代に富岡村の庄屋を務めていたんですね。1843年、天保14年に建てられ、欄間や梁などは往時の姿のまま残ってもいます。備中松山藩の藩政改革を見事に成し遂げた(マイナス5億円をプラス5億円ほどに)山田方谷を、小田県令である矢野光儀が阪本屋に招き、小田県殖産商社の設立などに協力してもらった、という話しです。


もちろん、山田方谷関連だけでなく、お庭の方まで足を運んでもらい、子どもたちが遊んだ名残りまでも見てもらいました。凸凹だらけの地面に、緑豊かな草木、花壇にあやかるお花に、参加者の方々も癒されたのではないでしょうか。

ちなみに、参加者の中に、市内の学校の先生もおられ‥「〇〇君たち(富岡保育園卒の現在小学生)は、このような環境で育ったんですね!良いですね〜!ぜひ今度、ワンコインランチに参加させて下さい!」だとかのお声をもらったり‥

「あ!ここ、笠岡放送で流れてる保育園じゃないですか!?」だとか‥

「うちの孫も、ここの保育園に入れてもらうおうかしら。」だとかね。


ね、ツいてるでしょ、ノってるでしょ。さまざまな方たちに知ってもらい、また実際に足を運んでもらい見てもらうことで、保育園としてもそうですが、建物としても喜びに溢れるんじゃないかって思うんです。

笠岡市観光ガイドボランティアの方たちを含めた参加者の皆様、本日はお立ち寄り下さいまして誠にありがとうございました。ぜひ、またお会いできることを楽しみにしています。


さて、そろそろ午後の勉強会に向けての準備をつめていきたいと思います。遠方からの方々も含め、まずは皆さまが無事到着できることをお祈りしたいと思います。

★とみほ村サポーター(ボランティア・インターンシップ)・園見学・保育実習・古民家一時保育阪本屋・ワンコインランチ・私設公民館とみほ村文庫へのお問い合わせはホームページTOP電話番号から宜しくお願い致します。

キッチンデザイナー
2023-06-18
明日は見守る保育研究会の研修

「村上さん!ジュースを公園のあずまやに持ってきてくれる?」

「村上さん!ちょっとこれで、あの木を切ってくれる?」

「村上さん!保育園にマリーゴールドの苗いる?」

「村上さん!‥」


今日、早朝から2時間ほど、富岡北地区まちづくり協議会の有志で、富岡会館や会館駐車場、また富岡公園の草刈りなどの美化活動を行いました。それにしても、びっくりするくらい暑くて、フラフラになっている方もおられたり‥地域活動に愛と献身を注いで下さり非常に頭がさがる思いです。

草刈機をぶん回したり、熊手などでかき集めたり、また花壇にお花の苗を植えたり‥なんじゃかんじゃと励んでいるところに、手より口ばかりを動かしていると言えば僕ですよ。有志の方々それぞれに「今日、ホントに、めっちゃ暑いですね!」って話かけるばかりするもんですから。そんな僕に、冒頭のように、皆さんがかまってくれたってわけですよ。


ちなみにちなみに、明日、北は仙台から、南は熊本から、20名ほど集まって、この岡山県笠岡市富岡の地で勉強会をするのですがね。(GT四国見守る保育研究会研修会「保育デモクラシー2023~みんなで語ろう“こどもまんなか社会”」)

実は、富岡北地区まちづくり協議会の方たちにもお知らせしていました。(明日の開会の挨拶は、富岡北地区まちづくり協議会会長さんにお願いしています。)

今日の美化活動でも、当初の予定を変更して、勉強会の会場となっている富岡会館まわりを中心になさって下さいました。そして、なんなら、会場内の机や椅子のセッティングまでも。

なんだかですね、明日の勉強会も「富岡保育園のみんなで頑張らなきゃ。」って意気込んではいたものの‥富岡北地区まちづくり協議会の方々の、そのたくさんの協力に「富岡保育園も含めた地域のみんなで、参加者の方々を迎え入れているんだから、大丈夫だな。」って安心しちゃったんですね。参加者の方々が気持ちよく心地よく学べること、間違いなしです。

(もう1つ付け加えますと、スクリーンやプロジェクター、パソコンなどなどのセッティングには、クレヨンKIDSの委託主である社会福祉法人天神会の会長様がお手伝いにきて下さいました。こちらも愛と献身をたくさん注いで下さり、無事完了しました。ありがたや×100ですね。)


当日には、僕を含めた7名のスタッフで会を進行する予定です。(ちなみにスタッフには当日、役割などの詳細を知らせる予定です。つまりは当日に理解できる計画にしているってことです。これには諸々の理由があるのですが、また後日、機会があればお話ししますね。)

ただ、7名と言えども、そのバックには、重ねますと、まちづくり協議会の方々や、社会福祉法人仲間の方々が注いで下さった愛と献身があるんですよ。

参加者の方と同様、明日が待ち遠しいです。

※参加できなかった方のためにも、勉強会の模様を後日ブログに綴る予定です。乞うご期待くださいね。

★とみほ村サポーター(ボランティア・インターンシップ)・園見学・保育実習・古民家一時保育阪本屋・ワンコインランチ・私設公民館とみほ村文庫へのお問い合わせはホームページTOP電話番号から宜しくお願い致します。

草刈り隊
花壇にお花を苗を植えています。
音響確認中
昨日の出前授業in鴨方高校
2023-06-17
そりゃあ、そうだ。

『Thinking outside the box!』(型にハマらない考え方をしよう!)

今日の午後、近隣の高校(鴨方高校)で2時間ほど授業をさせてもらうことになりました。せっかくの機会なので、どこかで生徒たちに、ひと泡ふかせてやろうとか、センセーショナルなものにしてやろうとか、そんな欲が出ちゃうんですね。なので、この数日はそのことで頭がいっぱいだったのですが、結局のところ実力分しか授業できないだろ、ってね。

とりあえず、冒頭に記した、カッコいいタイトルに沿って、保育について、いや、生きることについてを、生徒たちと語り合ってこようと思っています。

(※小中高、また大学などで、スパイスの効いた、アウトサイダー的な授業をお求めの方は、村上へお気軽にお問い合わせ下さい。もちろん無料です。)


昨日のことになりますが、ひとりの女の子が、転んで頭(側頭部)を机でぶつけちゃったんですね。大出血もなく、10分ほど冷やして安静にしたところ、念のために病院へ受診することになりました。

僕と園長先生で付き添うことになり、頭をぶつけちゃった女の子と3人で病院へ向かいました。

この女の子、入園当時はよく泣いて登園していたんです。そんな時に、よく園長先生にあやされていました。その情景が、今日は理由が違うにしろ見られて、どこか懐かしく思いながら、病院へ到着しました。

その日にかぎって、いや偶然にも、病院へは救急車で運ばれる患者が次々とですね。なので、当然、待ち時間も長くなるわけです。ですが、そのあたりも想定していたかのごとく、園長先生がある1冊の本をふところから、いやカバンから出したんです。

本の題名は不確かなのですが、たしか、オバケを見つけたり、オバケやしきの迷路をする、そんなアクティブな本でした。頭をぶつけちゃった女の子と園長先生とで、さまざまなオバケを見つけたり、いろいろなオバケやしきの迷路をしたりしながら楽しんでいました。ご想像の通り、その頃には痛みや辛さも吹き飛んじゃっていました。

その様子に、ひと安心したのでしょうね、僕は。ついついと、ここのところ立て込んでいる仕事の話しを園長先生にしちゃったんです。オバケを見つけたり迷路をし“ながら”、ちょこっと仕事の打ち合わせをしていたところ‥それは非常に甲高い声で‥

「ちょっと!ちゃんと、さがしてよね!」ってね。


そりゃあ、そうだ。保育園から出て、病院に来てまで、“ながら”で相手をするなんてね、この女の子だけに限らず、失礼じゃないか。

その後は、女の子と同じくらい、いやそれ以上に僕も真剣にオバケを見つけたり、迷路をしました。

ぶつけた頭にも幸い異常はなく、“ながら”でない、良い時間を過ごすことができましま。

★とみほ村サポーター(ボランティア・インターンシップ)・園見学・保育実習・古民家一時保育阪本屋・ワンコインランチ・私設公民館とみほ村文庫へのお問い合わせはホームページTOP電話番号から宜しくお願い致します。

待合室での、ひととき。
2023-06-16
このページのトップへ