富岡保育園へようこそ!「伸びる。成る。子どもも大人も互いに伸び合い、成長し合う『大きな家』でありたいと願い、社会福祉を支えています。

富岡保育園

副園長ブログ

『富岡保育園ファースト』

おはようございます。「ウキウキ!春のラジオ体操」第3回目も無事に開催することができました。

毎回来て下さる方などは、「もう、あれから1週間たつんじゃなぁ。早いなぁ。いつも朝ごはん食べたら、またゆっくり休むんじゃけど、今日はラジオ体操行かんとと思って来ましたがな!」と、張り切っている気持ちを伝えてくださるんですね。主催者冥利に尽きますよ。

また、前回のラジオ体操日に“ミニヒマワリ”の苗を寄付して下さった方が、今度は“マリーゴールド”と“ホウキソウ”の苗も寄付して下さいました。「これは、うちじゃのぉて、近所の〇〇さんから、保育園でどぉじゃろぉかってもろぉたんよ。」

このたびも有り難く頂戴しました。子どもたちと先生で大事に育てたいと思います。


さて、そんな“富岡保育園ファースト”な富岡北地区のまちづくり協議会総会が、昨日開催されましたことを報告しておきますね。

活動・会計・監査報告ならびに、理事や代議員の選出、また今後の予算案や活動計画などについて1つずつ丁寧に確認していきました。

このたびの富岡北地区まちづくり協議会総会の焦点は、なんと言っても「まちづくり計画」にあります。

(※以下は富岡北地区まちづくり協議会会長様のメッセージを引用さて頂いています。)

団塊世代の高齢化、子どもの少子化、人間関係の疎遠化、地域コミュニティの衰退などの問題に直面している現在、行政のみでは解決が難しく、住民と力を合わせるために、笠岡市では市内に24のまちづくり協議会を平成27年に発足させました。

すこしでも住みやすい地域にすべく活動をすすめてまいりましたが、このたび、市の方針により、地域独自の目標を定め、それに向かって歩んでいく「まちづくり計画」を立てることになりました。

「まちづくり計画」を立てるにあたり、地域住民に細やかなアンケートをとったり、また策定委員会や理事会、民生委員や子ども会メンバーなどとの話し合いを重ねていきました。

(※以下は富岡北地区まちづくり計画案の解説です。)

①みんなの顔が見えるまち

近所の顔が遠くなった、近所の人と話したことがない、などとのアンケート結果が多くあった。その点、地元の神社の祭りや納涼夏祭りの役割は大きいと感じました。今後、人の集まる場として、フリーマーケットや趣味道場などを開き、多世代交流を目指します。

②健康で安全安心なまち

通院している方が多くいることがアンケートで分かった。高齢になっても、体を動かし、悩みは自分だけで抱え込まず、気軽に近くの誰かに相談できるという、ストレスの少ない地域作りを目指します。

また、小学生の見守りや、高齢者の安否確認も積極的に行っていきます。

③歴史・文化と豊かな環境を未来へ

富岡の歴史のはじまりは17世紀からですが、歩いてみれば面白いものがたくさんあります。今年度は、笠岡初の孤児院となった、旧甘露院について学びます。

また、応神山登山道整備ならびに、どんどんと増えている空き家対策についての活動も実施していきます。


富岡北地区所属の富岡保育園が、まちづくりにどのような役割であったり、貢献ができるのか。子どもの賑やかな声と、くったくのない笑顔を絶やさないことはもちろんのこと、まだまだとできること、やれることはあるのだと思っていますので模索しながら実現させていきたいと思います。

(※このたび、富岡保育園事務長先生が、富岡北地区まちづくり協議会企画部広報に仲間入りして下さいました。宜しくお願い致します。)


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2022-05-21
先生のようで先生でない特典

お父さんにしか言えないこと。

お母さんにしか言えないこと。

おじいちゃんにしか言えないこと。

おばあちゃんにしか言えないこと。

友だちにしか言えないこと。

先生にしか言えないこと。

誰もが、しゃべる内容を相手によって使い分けている又は選んでいるふしがあるはずなんです。

“誰もが”ってことは、もちろん大人だけじゃないってことです。小学生や中学生だって、そして保育園児だってです。より補足しますと、赤ちゃんだってです。

「赤ちゃんは、しゃべらないじゃないか!」って、間髪入れずにツッこまれた方は少々お待ちください。赤ちゃんで言えば“泣くこと”が“しゃべること”と同列だと思っていただければいいのではないでしょうか。

気を許している相手、つまりは信頼関係が培われている相手と、そうでない相手の場合では泣き声はまったく違っています。

さらに言えば、幼少期あたりで言葉を巧みに扱いはじめると、いろいろ耳にした、覚えた言葉を使ってみたくなるんですね。ただ無鉄砲に使っているようでいて、子どもにも善悪と言いましょうか、言葉の良し悪しのようなものをどこかで気付いているふしがあるんです。たいてい、バカだとかアホだとかの他者を傷つけそうであろう言葉の類いは、気を許している相手にまずは使って試したりするもんです。なぜかって怒られることを前提に使っていますし、どこかで最後には許してくれるであろうとの気持ちがあるからですよね。

逆説的には、乳幼児期に気を許せる相手、困らせたり傷つけたりしたとしても最後には許してくれる相手がいなければ、善悪と言いましょうか、物事の良し悪しを試して理解する機会をもつことなく、大人になってしまうようにも考えられますよね。


さて、最近のわたくし副園長村上のマイブームについては、ブログ読者にだけこっそりお伝えさせて頂こうと思います。(※富岡保育園の先生たちには秘密にしておいてください。)

今月からスタートしています、ローカルテレビ「ゆめネット笠岡放送」の方と協働して作っています『コドモのホンネ』という新番組があるんですがね。番組内で、アナウンサーの方が、何人かの子どもと個室で話し合う場面があるんです。実は個室内には保育者は入っておらず、アナウンサーとカメラマンの方しかいないんです。なので、この場面での子どもたちの会話は、お父さんやお母さん、また先生には言えない、“アナウンサーにしか言えない”ことをしゃべっているんです。だからこそ、意外な“子どもの本音”の部分に迫れるわけで、おもしろいんです。

そんでもって、僕のマイブームと言いますのは、『コドモのホンネごっこ』なんです。もう少し具体的に説明しますと、僕は副園長という役職のお陰で、現場の先生のような親近感はないですし、園長先生のような威厳のようなものもない、どこか“近所のおじちゃん”的要素を持たせてもらっているんです。つまりは、先生のようで先生でないからこそ、アナウンサーの方のように“子どもの本音”に迫れるのではなかろうかと思っているんです。

さっそく本音エピソードをいくらかキャッチしていますので、今後のブログ内でこっそり紹介していきますね。乞うご期待ください。


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2022-05-20
『マスクとパンツとワタシ』

マスク議論が国会であったり、テレビや新聞の報道などで盛んになっていますよね。

ぼくたち人間ってそれほどバカじゃないと思いますので、とあるウイルス渦になって数年の経験で、いい加減にマスクをするメリットとデメリットに気付いているはずなんですよ。とあるウイルスの専門家であったり、マスク業者などの意見に頼らずとも、自分の身体を通して分かっているはずなんです。

マスク議論のほとんどが、本音と建前で言えば建前議論に終始しちゃうんです。なぜかって責任問題がなんだとかって話しになっちゃいますのでね。多様性だ個性だのなんだとかって教育界で叫んだところで、「先生に言われたことをちゃんとできる子どもがお利口さん」流れで乳幼児期から大学生までの20数年間過ごしちゃいますと、「〇〇さんがマスクを外していいって言ったから外したんだけど、とあるウイルスに感染したじゃないの!責任とってよ!」って感情を抱きかねないこともないですよね。すこし行き過ぎた例え話になったでしょうか。


では、【富岡保育園マスク議論】をはじめてみましょうか。基本的に大人(保育者や保護者も含む)も子どもも選択制です。どちらでも良いと思っています。

大事なことはメリットとデメリットについてまずは正しく知ることだと思っています。

メリットで言えば、やはりとあるウイルスを含む感染症予防です。鼻と口をマスクで覆うことにより、ウイルスの侵入を軽減させる効果があるんだと思います。軽減効果を増すためにマスクの素材が不織布であることなどが推奨されていたりもしますよね。もう一つのメリットで言えば、世の中の建前的な風潮を察していることで、「なぜマスクをしないんですか!」とのご意見を減少させることができるのではないかと思います。

逆にデメリットで言えば、口呼吸になりがちになってしまうこと。マスクをしていなければ鼻呼吸がしやすいんです。なぜ鼻呼吸が良いかと言えば、鼻毛があるから。つまりはウイルスが侵入したとしてもガードしてくれるわけです。またマスクをした状態は顔が下向きになりやすいんですね。なぜかって口呼吸がしやすいから。つまりは姿勢が悪くなりやすいことも考慮しなきゃいけません。加えて、口あたりを覆うことで表情が読み取りにくい、つまりは他者との信頼関係を築くうえではマイナス要素になりかねません。さらに言えば乳幼児の言葉の発達を守るうえで、「信頼している他者の口の動きを目で見て学ぶ」機会が減ってしまうことも考えられます。

メリットとデメリット、まだまだ挙げればキリがなさそうですが、これから蒸し暑い梅雨期、そして灼熱の夏に突入するとなると、“熱中症”という、こちらも命の危険を考慮しなければならない問題が生じてきます。

上記を踏まえたうえで、さてあなたはどちらを選択しますか?メリットとデメリット両方ありますのでどちらも正解で間違っていないと思いますよ。

通気性抜群で汗の吸収と清涼効果のあるマスクが発売されたら購入しても良いかもしれません。(ただ通気性抜群だとウイルスはもちろん侵入しますよね。)

ウイルスの侵入の可能性を考慮して、ウイルスに負けない心身作りとして、腸内細菌を活発にさせる作用のある発酵食品や食物繊維豊富な食べ物をバランス良く摂取したり、また適度に運動することで血の巡りを良くしてみたり、さらには睡眠時間をしっかり確保して細胞の回復を促進させてみたり。またしっかり笑って、身近なことに感謝し「ありがとう」とたくさん伝えることによりオキシトシンという免疫力を整えるホルモンを分泌させることに努めてみることも良いかもしれません。


~おまけ~

マスク生活が長くなりますと、感染予防という面と併せて、マナーのような、それでいてパンツだったりの下着と似たような感覚でつけられている方もいるみたいです。学生だったりでは、「マスクをとると恥ずかしい」との意見もあるみたいです。果たして、マスクが今後どのような扱いや存在になるのか⁉︎僕は静観していきたいと思います。


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★富岡保育園では、もしも園児ならびに保育者がとあるウイルスに感染した場合、行政や保健所の指導のもと適切に治療ならびにコミュニティの安全に努めます。そして原則として感染者が出た場合でも誹謗中傷などが起こらないように徹底します。ご安心ください。

2022-05-19
着ぐるみ体験とメタ認知能力

『メタ認知』って言葉を耳にされたことがあるでしょうか?昨今の教育界では少々と流行している言葉でもあります。

意味としては、「自分の認知していることを客観的に把握しコントロールすること」となります。すこしむずかしく感じる方であれば、“メタ認知のチカラを向上させると自分のことを冷静に客観視できるようになる”と理解して頂ければ良いかと思います。


さて最近、わたくし副園長村上、プライベートにて、とあるコミュニティのイベントにお手伝いとして参加させて頂きました。それも、とある大役を果たすという任務付きで。

その大役とは、とあるコミュニティのマスコットキャラクターの着ぐるみ役です。


(※着ぐるみの構造などの詳細を記していきますので、ここから先は18禁とさせて頂きます。)


着ぐるみの外見と言えば、2メートル近くの背丈と、某アニメのドラ〇もんのような二頭身ほどの手足が短いずんぐりむっくりな体格。そして中身に入る僕の背中には、その大きさに膨らませるため、また暑さ対策も兼ねているのか、送風が出る重たい充電式のファンをかついでいる状態なんですね。どうでしょうか、イメージがうっすらとつきましたでしょうか‥

いざ、着ぐるみを装着してみると分かったのですが、“自分のイメージしている動きと実際に外から見た動きとのギャップ”が非常に大きいんですね。

より詳しく言うならば、手足が短いこともあり、着ぐるみの中で自分が動かしているほどに、外から見ると動けていないんです。さらには、視界としては、ほんのわずかなメッシュがかった穴から、ほんのわずかしか見えていない状態にあるんです。ついでに言えば、着ぐるみの表情はどんな時であろうと同じであるので、感情を表現する場合には、ほんのわずかな視界から見える状況と、わずかに聞こえてくる声を頼りに、その短い手足を駆使して表現するしかないんです。

上記の条件のなかで、着ぐるみを着こなし、イベント参加者の方たちへマスコットキャラクターを演じ表現するには‥

そうなんです、間違いなく『メタ認知』能力が必要になってくるんです。自分がどのように相手に見えているかを冷静に客観視すればするほど十分に演じ表現できるからなんです。


昨今の教育界での流行ワード『メタ認知』って、子どもに身につけてほしいと願うばかりでなく、ぼくたち教育者(※保育者を含む)も向上させていかなきゃなんないチカラなんだと思うんです。

「見守る保育」を実践するうえで、“どのように見て”“どのように守る”かを考えながら動くにあたり‥

ぼくは今どのように見ているだろうか?さらに言えば、どのように見ているように子どもからは見えているだろうか?

ぼくは今どのように守っているだろうか?さらに言えば、どのように守っているように子どもたちは感じているだろうか?


※貴重な着ぐるみ体験をさせてくださったのは、岡山県浅口市寄島町天台宗龍城院です。ちなみにマスコットキャラクターの名前は「しょうぐうさん」さんです。


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2022-05-18
地域の未来を繋ぐ広恒商店!

「40年ぶりじゃわ。だいぶ変わってしもーとるけど、まぁ綺麗に花壇やらしてて、いいじゃないの。」

「中庭なんてはじめて入ったわ。まぁ旅館みたいで、落ち着くわ~。」


さてさて、なんの感想文を紹介しているかって言いますと‥本日、富岡保育園へお越し下さいました、とある団体様たちが口々にしていた言葉なんですね。

そして、とある団体様とは、岡山県笠岡市の富岡北地区の富岡中という地区で活動されています、いきいきサロンのメンバーの方々のことなんです。(※ちなみに富岡保育園は、富岡北地区の富岡六丁目という地区です。)

富岡北地区の富岡中いきいきサロンのメンバーの方々は、とあるウイルス渦に入るまでは、毎月「ミニデイサービス」と称して、富岡中地区のご近所の方々で富岡会館で集まっていたそうなんですね。そしてウイルス渦は終息しないまでも、換気や健康管理などの充分な対策をとれば集まることが可能である段階に入ったこともあり、「ミニデイサービス」を復活させる計画をしたんだそうです。

しかし‼︎

ここで、ひとつ問題があったそうで、集まっていた場所、つまりは富岡会館が急な坂の上にあるわけです。何が言いたいかって、参加者の方の多くが、杖をつかれていたり、手押し車に身を預けていたりと、まとめると急な坂を登ることが難しいんです。もっと言えば、坂を登ることができないので、ミニデイサービスに参加することができず、ご近所の方との交流がとれないおそれがあるよねって問題です。

実は上記の問題について、ある方が仲介してくださったことも、ここでお伝えしておかねばなりません。富岡会館までの急な坂を登ることが困難になりつつある問題が生じてしまった富岡北地区富岡中いきいきサロンのメンバーの方と、富岡北地区富岡中の隣、富岡六丁目の平地にある富岡保育園とを仲介して下さったのは、富岡北地区富岡中に所在します、富岡保育園へお昼ごはんの食材などで扱う旬の野菜や果物などを配達して下さる「広恒商店」さんなんです。

昨年度末頃‥広恒商店さん「村上先生‼︎ちょっとご相談なんだけどね。富岡中っていう地区のね、ご年配の方も含むミニデイサービスを富岡保育園で開催するってのはむずかしいですかね!?もし良ければ、富岡保育園さんはワンコインランチもしてるって聞いたから、お昼ごはんなんかも食べることができればいいな~と‥。」

日頃お世話になっている「広恒商店」さんからの依頼でもあり、同じ富岡北地区という地域にあってもお世話になっています「富岡中いきいきサロン」の方からの依頼となれば、断る理由が見つからないですよね。二つ返事でお引き受けさせて頂きました。


本日は富岡中の15名の方が、ワンコインランチを含む、富岡保育園でのミニデイサービスに参加して下さいました。富岡北地区まちづくり協議会の方と協働して作ったスペース「私設公民館とみほ村文庫」を集合場所として、おしゃべりをしたり、また富岡保育園内の園庭やお部屋などで子どもたちが遊んでいる姿をあたたかい目で見て下さったり。またそれを見守る保育者たちを、「先生たちも大変じゃなぁ。」と労ってくださったり。富岡保育園が“とみほ村”として、つまりは“村コミュニティ”として子どもたちにの未来へ希望を繋げるうえで、これ以上にない応援をしてくださったわけです。ぜひ、定期的に足を運んで頂けるような居心地の良い空間、雰囲気作りに努めていきたいと思っています。


さて、本日のブログには“富岡北地区”であったり、“富岡中”、“富岡六丁目”であったり、また“富岡会館”や、“広恒商店”であったりと、地元に住んでおられる方しか分からないワードをたくさんと羅列させました。読みづらかったかもしれませんし、まどろっこしげな表現になっちゃったかもしれないのですがね。なんでわざわざとそのように連ねたかと言えば、『どこどこのだれべーさん』、丁寧に言うと『〇〇に住んでいる(活動している)〇〇さん』が地域の人と人を繋いでいくし、地域の未来に希望を繋げていくんだよねって再認識したことをご報告したかったわけです。昨今で言えば、お金や仕組み作り、また宣伝や広告戦略などが地域再生・復興の鍵となっているように思うのです。けれども、地域活動って、お金や仕組みでは動かない、宣伝や広告戦略では動かないものがあって、そこを動かせるのは人なんだと思います。そして地域活動を動かせる人ってのは、大統領や総理大臣であったり芸能人や有名人でなく“地域のための活動を続けておられる人”なんだと思うんです。このたび、仲介役を担って下さった「広恒商店」さん、誠に素敵なご縁をとりもって頂きありがとうございました。


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★「とみほ村の富岡保育園へ観光してみたい!」「私設公民館とみほ村文庫で会議をしたい!」「とみほ村でイベントをやってみたい!」などのご依頼がありましたら、まずはお電話などして頂ければと思います。(受付担当 副園長村上)

あたたかく見守って下さいました。
富岡六丁目から富岡中への帰路
2022-05-17
わが家にいいことを考えよう

「おはようございます。おやすみは楽しく過ごすことができましたか?無事に過ごすことができましたか?」

週明け、早朝に親子を迎える保育者からよく聞こえてくる言葉だろう。

おやすみの様子であったり、子どもの体調についてだったりを保護者と保育者で伝達し合うと‥

「それじゃあ、お母さん行ってくるね!先生よろしくお願いします!」

「はい。お母さんもお仕事がんばってくださいね。気をつけていってらっしゃい。」

などと、子どもを介して大人同士で今日の無事であったり意気込みなどを交わしたりするもんです。

「いってきます!」と、子どもと保育者に背を向けて足を踏み出していく保護者の背中には、どこか健気な哀愁のような、それでいて、たくましさであったり力強さも感させないわけではない。たとえ子どもが泣いてしまおうと、ぐずをくろうとも足をとめるわけにはいかない。だからこそ、共感性の強い保育者であれば心の底から応援したくもなるだろうし、その気持ちが伝わると、どこか保護者の足どりも救われたように軽くなるのかもしれません。


さて、ここのところ続いていますQ&Aシリーズ。今日も懲りずに紹介してみたいと思います。

Q.「保育園に早くから預けることに、どこか罪悪感を感じてしまうのですが‥保育園に早くから入れることは、子どもにとっても良くないことでしょうか?」

A.「お悩みを打ち明けてくださりありがとうございます。ネットなどを検索すると、メリットであったりデメリットなどがたくさん記されているかもしれませんね。よく掲載されていることと言えば、“親への愛着が減ってしまう”などが挙げられると思います。果たしてホントなのだろうか?あえて経験談ではなく、統計データと科学的エビデンスから答えてみたいと思います。」

A.「結論から言えば、保育園に早く入れることで、親への愛着が減ってしまうことも無ければ、IQなどへの影響も特に無いということをまずはお知らせしておきますね。」

Q.「すこしホッとはしましたが、具体的に教えてください。」

A.「両親が仕事をしている家庭もあれば、どちらかがフルタイムの仕事で、もう1人がパートタイムのお仕事の方もいるはずです。また専業主婦や主夫の家庭もあるはずですし、シングルマザー・ファザーの家庭もあるはずです。なにが言いたいかって、いろいろな家庭があるとして、“わが家にいいこと”を考えることを最もオススメしたいんですね。」

A.「例えば、どうしても保育園に預けることへの罪悪感が拭いきれず、3歳までは家庭で子育てをしようと仕事復帰を延ばすとしましょう。しかしもしも家計が切り詰まってしまって、お金のことで夫婦喧嘩が絶えなくなってしまったら⁉︎もしもお仕事が本当は好きで仕事復帰断念に納得がいっていなければ⁉︎いろいろなケースが考えられるのですが、親が仕事をしている・していないに関わらず子どもの成長発達にプラスかマイナスの影響を与えるたしかなエビデンスは無いということを知っておくと、選択の余地が広がるのではないでしょうか。」

A.「子どもにとって大事なのは、親が仕事をする・しないではなく、“関わりの質”だということ。また保育園へ入れるとしても、大事なのは〇〇式保育といった方法ではなく、保育者と子どもの“関わりの質”だということをお伝えしておきたいと思います。」

Q.「つまりは、家庭生活に支障が無ければ、どのような選択をしても大丈夫だということですよね?」

A.「そうですね。子どもも親も心身が健康な状態でいられる選択をしていただけたらと願います。そのうえで、家計であれば日々の短期的な視野と、長期的な視野をもったり、家庭の“幸せ”だったりの基準をどこにおくかを明らかにしておくと選択に余裕が出てくるかもしれません。ちなみに、保育園へ通わせることでのプラスの効果は年齢が上がってからでないと表れないというデータもあります。プラスの効果の例で言えば、「言語発達」であったり、「免疫力」であったりが挙げられますが、あくまでもデータですので、すべての子どもに当てはまるわけではないことも心得ておきましょうね。」

Q.「わかりました。ちなみに富岡保育園で先生たちが子どもたちと関わるうえで工夫しているところはありますか?」

A.「富岡保育園では“見守る”ことを大切にしています。こちらは放っておくという意味でないことを誤解のないようにご理解ください。ひとりひとりの子どもの健全な成長発達のためには、どのように見て・どのように守れば良いのかだろうかを考えながら関わっています。特に過保護や過干渉にならないように配慮しています。また付け添えるなら、核家族化が進んでいる家庭ではなかなかできない『子ども同士の関わり』をたくさんとれるように、保育者は子どもと関わっています。」


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2022-05-16
“手掴み”と“脳神経回路”

ひじょうに興味深くおもしろい質問にお答えしてみたいと思います。


Q.「赤ちゃんに、何度もスプーンを握らせても、“手づかみ”で食べようとばかりして、お行儀がわるいのです。そのうえ、食べこぼすばかりして、後始末に困ります。どうすれば上手にスプーンを使って食べこぼさずに食べることができますか?良い方法を教えてください。」


A.「“赤ちゃんから上手に使える食べこぼさないスプーン”を購入してみたらいかがでしょうか?」


Q.「どこで手に入るのですか?教えてください!」


A.「わかりました。その前に、ひとつお話しをさせてください。赤ちゃんが生まれてすぐにやることは、“手を伸ばす”ことですよね。そうして何かを触ったときに、硬いだとか柔らかい、温かいだとか冷たい、などのさまざまな情報が感覚とともに脳に取り込まれていくんですね。つまりは人間が意識や精神を獲得していく過程の基本の始まりとも言えます。さらに、次に赤ちゃんは、手でつかんだ物を自分のほうに引き寄せて、口に入れてしゃぶります。この一連の行為で、赤ちゃんは手指や唇、舌などによる体性感覚をさらに発達させていくんですね。」


Q.「今の話しと、わたしの質問とはどのような関係があるのですか?」


A.「もしも赤ちゃんが“手づかみ”食べをすることなく、上手にスプーンを使って食べはじめてしまったら、硬いだとか柔らかい、温かいだとか冷たい、などの情報が感覚として脳に取り込まれないということです。さらに言えば、人間が意識や精神を獲得していく過程の基本をおろそかにすることにもつながります。それでも“赤ちゃんから上手に使える食べこぼさないスプーン”を購入したいと思いますか?」


Q.「なんとなくお答えの意味がわかってきました。“手づかみ”で食べると手が汚れてしまったりお行儀が悪いとばかり思っていたのですが、赤ちゃんにとっては必要不可欠なことだということですね。」


A.「もちろん“手づかみ”で食べると、もしかすると、熱いだとか痛いだとかの経験をするかもしれません。さらに汚れてしまったり食べこぼされたりしてしまえば大人の後始末も大変なのは明白です。怪我や病気にならないように見守ることはもちろんのこと大切なのですが、極端な『過保護・過干渉』は脳神経回路を構築できなくしてしまうことにつながりかねません。」

A.「富岡保育園でも、赤ちゃんたちは“手づかみ”で食べていますよ。スプーンに興味を持つ子どもにはスプーンを握らせていますが、たいていは片手にスプーンを握ったまま、反対の手で“手づかみ”で食べています。例えば、“ひじき”などのパラパラするものだと、手で掴むことも難しいですし、なんなら口に入れても舌触りも滑らかではないだろうから、よくお口から出ています。すると机や椅子の下は、小鳥たちが駆け寄ってもいいくらいに食べこぼされています。そしてこの一連の行為について保育者仲間で『赤ちゃんたち、食べることに意欲的だったね。食べることを楽しんでいたね』ってチームで認め合うことで、より赤ちゃんたちの健全な発達を守ることができていますよ。」


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★『私設公民館とみほ村文庫』5月17日火曜日午前中は貸し切りの予約が入っております。ご了承下さい。

健全な発達を守る風景
2022-05-15
エピジェネティクスとは!?

おはようございます。「ウキウキ!春のラジオ体操」本日も20名程度の参加者の方たちと気持ち良く身体を動かすことができました。早起きをして、地域の方たちと挨拶をして、ほんのり汗をかいて‥“清々しい”って言葉を実感する時間でしたよ。

※「ウキウキ!春のラジオ体操」は5月毎週土曜日早朝7時から富岡保育園のお庭で開催しています。奮ってご参加くださいね。


さて本日は、とあるご質問にお答えしてみようと思います。

Q.「村上先生は、子どもにとって、大人と子どもとの関わりよりも、“子ども同士”の関わりに価値があると言っていますが、その理由は何なのですか?」

A.「大変鋭いご質問ありがとうございます。まず誤解のないように、子どもにとって大人と子どもとの関わりも、もちろん大事なんです。それは愛着の形成であったり、信頼関係の構築であったり。けれども、大人と子どもとの関わりでは生み出せない〇〇が、“子ども同士”の関わりにはあることから、価値があると伝えています。」

Q.「その〇〇とは何なのですか?」

A.「結論から言うと、“揺らぎ”です。そしてもう少し分かりやすく言うならば、“適度なストレス”です。」

A.「具体例を挙げてみましょう。例えば、大人と子どもであれば、たいていは大人が加減したりコントロールしますよね。かけっこで、勝つこともできますし、わざと負けることだってできる。その時、子どもが悔しくて泣いたとしても、どこかで“相手が大人だから”とあきらめているところもあると思うんですね。しかし、“子ども同士”となれば話しが変わってきますよね。本気と本気で“ぶつかり合い”ますから、“予想外”の“トラブル”が起きてしまうわけです。つまりは、予期せぬ出来事が起きてしまうことで、脳に新たな刺激を及ぼすこととなるんです。」

Q.「その刺激はどのような作用を生み出すんですか?」

A.「予期せぬ出来事から脳へ新たな刺激が加わる、つまり“揺らぎ”をもたらすことで、遺伝子に刻まれた情報がそのまま翻訳されるのではなく、動的に変化するわけです。」

Q.「もう少し分かりやすく教えてください。」

A.「例えばですね、同じ遺伝子を持っている人が10人いても、まったく同じ人間にはなりえないんです。なぜかって、環境要因が異なるからですね。そしてその環境要因を受ける、つまりは“揺らぎ”をつくる仕組みが上手く働けば、体や心の働きに良い効果を与えるわけです。重ねて言うなら、その仕組みが上手く働くために最も有効であるのが、ほど良いストレス環境であって、それが“子ども同士”の関係で生み出されやすいってことなんですね。」

A.「さらに、豆知識ていどに‥この遺伝子に働きかける“揺らぎ”をつくる仕組みのことを【エピジェネティクス】と呼ぶんだそうですよ。」

A.「注釈を入れておきますと、予期せぬ出来事から受けるストレスと言えども、大きな怪我を及ぼすものや、虐待であったり、またこのご時世であるウイルス渦や戦争渦は、まったくもって違うことだけは確認しておいて下さい。」

Q.「詳しい説明ありがとうございました。なんとなく“子ども同士”の関わりの価値については理解できたのですが、実際、どのようにして“子ども同士”の関わりを持たせれば良いのですか?」

A.「子どもが地域社会にあふれていた時代であれば近所の公園であったり、また大家族社会であれば家族のなかで、“子ども同士”の関わりを持つことができていたかと思います。けれども現代では核家族化が定着していたり、また地域社会では子育てが孤立化しがちで、公園に足を運んだとしても、“よその子どもには迷惑をかけてはいけない”とした風潮があり、なかなか“子ども同士”の関わりを持つことが難しいかもしれません。そこで、鍵を握る場所は、保育園であったり幼稚園やこども園などの乳幼児施設です。子どもが複数集まるコミュニティだからこそ、“子ども同士”の関わりを生み出すチャンスがあるわけです。」

A.「さらに言えば、乳幼児施設に携わる僕たち保育者たちは、そのチャンスを活かす実践を今後よりしていかなきゃいけないんですね。そして誤解のないように取り組まなきゃなんないのは、予期せぬ出来事から受けるストレス、つまりは“揺らぎ”が生まれる子ども同士の関わりは、大人が作為的であったり促すような関わりではないということを肝に銘じておかなきゃなんないんです。」


※参考文献「子どもが心配~人として大事な三つの力~養老孟司」第二章“日常の幸せを子どもに与えよ”対談相手 高橋孝雄(慶應義塾大学医学部小児科主任教授)


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揺らいでる。
2022-05-14
副園長ブログ1000回記念

1986年山羊座の虎年生まれである僕の記憶上、1000日間続けられていることって‥寝たり起きたり、おしっこやうんちをしたり、パンツをはいたりなどであろう。なにが言いたいかって、副園長ブログを綴ることがそれらと同列に近い程度に僕の生活に組み込まれているってことですね。

なにはともあれ、無事に1000日間綴り続けられたこと、そしてブログ愛読者の方でもしも1000日間無事に読み続けられたのであれば、お互いにねぎらい合いましょう。毎日本当にありがとうございます。


さて、記念すべき1000回記念ブログは、久しぶりに筆者である副園長、村上太志についての個人的内容をおもいきっり綴っていきたいと思います。

(※と、言うことですので、保育や幼児教育、また子育てに対するためになる情報をお望みの方には期待外れになることを前もってお断りしておきますね。申し訳ございません。)


おっぱいを飲んで、母親の後ろについてまわっていた頃だったり、三輪車を後ろにしか漕げなかったり、小学校高学年くらいまでおねしょをしていた頃から振り返っていくと綴り終えれそうにないので‥20歳にして富岡保育園に就職した当時あたりまで早送りしてみますね。当時、友人(現在岡山県岡山市南区にてフリースクールを立ち上げています。)が富岡保育園へ面接に行った際に、「もう1人面接受けさせてくれるってよ!」と伝言されたことがキッカケで、流れに乗ってそのまま就職させてもらいました。就職活動もろくにせずに、そして大した夢や目標や志しもなく、正直なところ安易な気持ちで保育者の道に足を踏み入れました。同僚になった友人とは、初給料でフルローンを組んでスポーツカーを一緒に買いに行ったり、仕事で困ったことなどを駄弁りにしょっちゅうくるくる寿司に通っていたことは今では良い思い出です。

なんの疑いもなく、「保育とは?」と考えることもなく、日々、子どもたちや仲間の先生たちと「楽しい一日になるよう」にアイデアを尽くして仕事を続けていました。単純に、子どもも楽しそうにしていましたし、仲間ともうまく人間関係を築いていましたし、自分の仕事ぶりには自己満足をしていました。ただ、今から振り返ると、深みもなければ浅はかな仕事ぶりだったなとも思いますね。

さて、転機が二度訪れました。最初の転機は新宿に出向いた29歳の頃。誤解のないようにして頂きたいのは歌舞伎町で豪遊したって話しではありませんよ。園長先生のススメで東京都新宿区にあります「新宿せいがこども園」に見学へ行かせてもらったんですね。実は少し添えなければいけない話しがありまして‥現在の富岡保育園の園長先生が園長職に就任したのは、僕が就職した1年目の時なんですね。そして僕が赤いオープンカーをフルローンで購入して乗り回していた頃に、園長先生は東京に勉強に行かれて、現在の「新宿せいがこども園」にて“見守る保育”という保育実践に出会って学ばれていたんです。園長先生から約10年周回遅れをとりながら、僕も“見守る保育”に出会うことになりました。そしてこれが最初の転機です。「新宿せいがこども園」に見学するなり衝撃が走ったんです。“先生の気配がしない”って。見学者は僕を含めて50名ほどいましたが、いっこうにかまうことなく、それでいて先生たちに指示や指導をされるわけでもなく、子どもたちがあちらこちらで遊び込んでいたんです。当時の僕は、「はい!先生が〇〇やるからよく見ておいてね!はい!じゃあ、やってみようか!できた人から教えてね!」って、誰もが想像できそうな指導方法を疑いもなく実践していたのですが、見学へ行った瞬間から、自分の保育実践や保育に対する考え方に“疑問”を持つことになりました。またそれと同時に、理論や理屈や知識や情報が当時は全くありませんでしたが、野生の勘と言いましょうか、“こんな保育がしたい”と想いを馳せながら、東京から岡山への帰路へついていたかと思います。そして、園へ戻るなり園長先生から、「どうだった?」と聞かれ、衝撃を受けたことと憧れを抱いたことを素直に伝えたんです。すると「うちもやってみる!?」と園長先生はどこか慎重ではあるけれどもワクワクした表情で質問してきたように思い出します。二つ返事で、「やってみたいです!」と答えたことも加えて記しておきましょう。また富岡保育園保育実践改革は、実のところ全職員で何度も何度も議論を重ねたうえで始まったものではなく、園長先生の10年越しの「見守る保育」への憧れと、たった数秒ほどの話し合いで決められ始まったものであることもさらに加えて記しておきましょう。

「間違いなく、絶対に、今より良い保育ができる、今より良い保育園になれる!」と確信はあったものの、当時は無知が過ぎるほどで、保育実践改革と言えども、とにかくどこから手をつけていいのだか上手くいかないことだらけでした。改革をはじめて数ヶ月、30歳にて副園長職をいただき、さらにやる気をみなぎらせていたのですが、空回りと言いましょうか、空焚きと言いましょうか、熱さに熱さを重ねていたこともあり、仲間の先生たちへ、「あーしろ、こーしろ!あれは違う、これは違う!」と叱咤ばかりを浴びせていたことも事実です。

そんな時に二度目の転機が訪れるわけです。31歳の時に癌が見つかったんですね。「このままいくと来月には死ぬかもしれません。」と宣告されたわけです。叱咤を浴びせていた仲間からは逆に激励を毎日浴びせてもらいました。「大丈夫!絶対死なんけん!はやく戻って改革の続きをしよう!」とね。

命拾いしたのか、それとも奇跡的に二度目の人生をいただけたのかはさておき、幸いなことに治療がうまく進み復帰することができました。ただ、復帰するまでの1年間で、富岡保育園は大きく変わっていました。「見守る保育とは?」「見守るって、どんなことだろう?」と、とにかく仲間たちは真摯にそして必死に向き合い続け、そして日々試行錯誤を続けておられたんですね。

復帰以降、『世界一幸せな保育園を作る』と豪語してみては、全国のほうぼうの保育園や、また大学機関などへ勉強に行かせてもらったり、またYouTubeやラジオ番組を持たせてもらったりなど、とにかく好き勝手に大きくたくさん学ばせてもらっている現在であります。

さて、そろそろブログ読者も飽きてくるころですし、なにより筆者である村上が自分の思い出を語ることに少々飽き飽きしていますので、“これから”つまりは“未来”について最後に綴りたいと思います。

志しというものは、僕で言えば、もともと全くなかったのにもかかわらず、ひょんなことから小さな志しが芽生えて、どんどんと大きく太くなっていくようであります。

村上太志の次のステージですね。現在も続いている富岡保育園の保育実践改革を通じて痛感しています、「保育園という概念そのものを変える」ための発信です。そして、岡山県の笠岡市という超少子高齢化が加速的に進んでいる地域にあって、富岡保育園という保育園を自分の軸足としながら、いま住んでおられる方の暮らしが豊かになる、そして未来につなげたいと思える町づくりをするべく、自分にできることを模索し行動していきたいと思います。


最後のまとめに重ねて、よく家族や友人から耳にタコかイカかができるほどに言われることを記しておきます。

「よく、あなたみたいな人を園長先生は雇えるよね。心が広いと言うか、懐が深いと言うか、勇気があるよね。それで仲間の先生たちも、よくついてきてくれるよね。辛抱強いと言うか、忍耐強いと言うか、優しいよね。」

園長先生あわせ、仲間の先生方、もちろん現在や過去の仲間も含め、村上太志の面倒をよくみて下さり誠に感謝しております。この御恩をしっかり奉公するために、さらに邁進すべく、より学んで、より行動していきたいと思いますので、これからも宜しくお願い致します。


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2022-05-13
なっちゃん先生の魔法の正体

ブログ読者の皆様で、新番組「コドモのホンネ」(ローカルテレビ「ゆめネット笠岡放送」)を見た方はおられますか?

さきほど早朝に登園された保護者の方々からは、「おもしろくて、今日の朝も見て来ました!(録画したもの)」と反響著しくありました。

※再放送もありますし、スマホアプリでも見ることができるそうですよ。(お問い合わせは「ゆめネット笠岡放送」様まで宜しくお願い致します。)

※今日のブログは新番組の感想になりますので、これから見ようと思っている方はご注意ください。


ちなみに、ある保護者の方から‥「村上先生、あの放送を見て、なっちゃん先生はどこかの保育園に引き抜かれたりしませんか?」とのご心配の声まであがっていました。

なぜ、このような心配の声があがったかも解説してみたいと思います。


アナウンサーの方と、そのまわりに群がっていた子どもたちとで鬼ごっこをすることになった場面。

「わたし、疲れとるけん、鬼ごっこしたくない‼︎」と、さっそく子どもの本音がポロリ。

そんな中、いざ鬼ごっこがはじまって、鬼役のアナウンサーの方が、ひとりの男の子にタッチするんですね。すると、その男の子が泣き出しちゃうんです。必死にアナウンサーの方も訳を聞こうとしたり、なだめたりするわけですが、いっこうに泣き止んでくれないんです。挙げ句の果てには、男の子はその場から立ち去り、園庭の隅っこにビールケースでバリアを張って座り込んじゃうんですね。

まわりの鬼ごっこに参加していた子どもたちからは、「〇〇君は、鬼ごっこしてなかったのに、タッチされたけん泣いたんで!」との声があがったり‥「そんな偉そうな言い方したらヤンキーになるけんよ!」と子どもの本音がポロリどころではなくガツガツと。


そこで困り果てたアナウンサーの方が、なっちゃん先生(このたびの収録のアシスタント役)に助け舟を出すわけですね。

なっちゃん先生は苦笑いを浮かべつつも、「〇〇君、大丈夫~?ちょっと、とりあえずお茶でも飲もっか。」と、背中をさすりながら、無理に訳を聞こうとせずに、場所を移動して、なだめていくんです。それがあたかも“魔法”を使っているかのごとく、男の子は泣き止んでポツリポツリと訳を話していくんです。

(たぶん、この場面を見て引き抜きの心配をされたかと思うんです。)


では、なっちゃん先生が使ったとされる“魔法”の正体について解き明かしてみたいと思います。

実は、アナウンサーの方より、なっちゃん先生の方が優しいだとか、なだめることが上手いだとかの理由ではなくて、このたびの“魔法”が一朝一夕では使いこなせないところが正体を解き明かすポイントだと考えられます。

このたびバリアを張って泣いちゃった男の子は、入園当初、まわりの環境(友だち、部屋など)に慣れにくいところがありました。そんな時に、なっちゃん先生も含む保育者たちは、よく“おんぶ”をして、男の子と環境とのマッチングに精を出していたんです。そしてその効果もあったり、また男の子の成長が進むにつれ、保育者のマッチング(働きかけ)がなくとも、気の合う友だちと遊んだり、また慣れない環境に出会ったとしても、自分のなかで上手く解釈しながら適応するようになっていきました。

つまりは、男の子となっちゃん先生を含む保育者との間に、『愛着関係』が培われていたんだと思います。もう少し詳しく言えば、「あの先生がいるから、僕は大丈夫。」と、愛着関係を培った保育者を【心の安全基地】として確立していることで、男の子はどんどん環境に自ら働きかけられる、羽ばたいていけるわけです。


そろそろ“魔法”の正体が判明してきましたね。まさに日々の暮らしの中で培ってきた『愛着関係』があったからこそ、男の子のバリアを紐解くことができたんです。そして【心の安全基地】と確立していることで、泣き止んだ後、また気をとり直して遊びに出かけて行ったことも付け添えておきましょう。


準備や計画を一切しておりませんので、次の瞬間どのような展開になるかハラハラドキドキ分かりません。なるべく大人の都合ではなく子どもの本音の世界を、そのまんま、ありのまま見ていただくことができるように、富岡保育園も収録に協力していきたいと思います。第2回も乞うご期待ください。


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2022-05-12
コドモのホンネ本日放送日‼︎

おはようございます。まずはお知らせからです。本日ゆめネット笠岡放送にて、富岡保育園を舞台にしました新番組「コドモのホンネ」が放送されます。ちなみに「私は岡山県の笠岡市や浅口市じゃないから見れないよ〜。」と嘆いている方に朗報です。ゆめネット笠岡放送が無料配信しているスマホアプリがあるそうです。(※「まちのわ ゆめネット笠岡放送」と検索してみてください。)正直どのような編集をされているか、本当にフタをあけてみないと分からないスリルがあります。ワクワクドキドキ。


さて、お知らせはこのあたりまでで‥本日は今年度より委託事業として携わさせていただいています岡山県笠岡市神島にあります社会福祉法人天神会の小規模保育園「クレヨンKIDS」での保育実践にて、トミホクルー(とみほ村の保育者)たちが園児や自分や仲間の“心の動き”を綴りましたナラティブツリーをご紹介したいと思います。


Title 少し特別な園庭

雨がたくさん降った翌日、園庭で遊ぶ子どもたち。

A君(1歳10ヶ月)の「あめ!」と声が聞こえた。

近づいてA君が見ていたものをのぞいてみると、草花に落ちていた雨。

その一粒一粒の雨の大きさや、形を不思議そうに、そして嬉しそうにじっと見つめていた。

普段から見る「雨」。

でも、毎日は見ることのできない「雨」。

その形を一つ一つ見て、形や大きさ、光の加減による色を見つけ、「違う」ということに興味を持ったようだ。

「違う」に気づいたA君の宝探しがはじまった。

園庭のフェンスについた一粒の雫(しずく)を見つけて指で触った。

雫と雫を触って大きな一粒にした。

大きな木からぽたっと時々落ちてくる雫におどろいた。

家のお風呂や水道で触る「水」。それとは一味違う、雨が降ったあとだけにいつもの園庭で出会うことのできる「少し特別な水」。

そんな素敵な不思議を見つけた子どもたちとの雨の翌日の園庭が雨による憂鬱な気分ではなく“わくわく”な一日になり、“特別”な一日となった。


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大人気のコタン君、ありがとう。
2022-05-11
誰よりも心が動いたのは私‥

※ナラティブツリー‥ミマモリスト(富岡保育園保育者)が綴る、子どもや自分、また仲間の“心の動き”を見つめた物語。


Title‥心の大地震警報発令中‼︎

A君(4歳2ヶ月)とB君(4歳2ヶ月)が、鬼ごっこをしようと、私(ミマモリスト)を誘いに来た。

3人で鬼決めをしようとしていると、「ぼくも!」「わたしも!」と何人かが集まって来た。

みんなでしようとしたが、A君は「だめ」と言った。

みんなでやろうと何度もみんなで声をかけたが、A君は頑なに「だめ」の姿勢を貫いたため、後から来た子どもたちはスーッとどこかに行ってしまい、その場にはまた私とA君とB君だけが残った。


B君があらためて鬼決めしようとすると、A君は「かくれんぼがいい!」と急に主張を変えた。

B君は「鬼ごっこがいい!」と言ったが、A君はまた「だめ」の一点張りだった。

「じゃあ、先にかくれんぼする?」「あとで鬼ごっこもしてよ?」とB君は懸命に交渉しようとしていたが、A君は応じず、ついにB君も怒り出してしまった。


一連の流れを見ていた私は、少し気分を変えようと、一緒に鯉のぼりでも出しに行く〜?と2人を誘ってみた。B君は「行く!」とついて来たが、A君は「行かん!」と言ってその場に残った。


鯉のぼりを上げながらB君は「A君と遊ばない!だって‥」とご立腹だった。A君はというと‥座り込んで大声で泣いていた。それを見たB君は、A君のところに駆け寄って、自分から話しかけ始めた。


A君の涙が止まったところで、私は“みんなA君と遊びたいけど、だめ、だめ、ばっかりじゃ遊べないよ”とだけ伝えた。A君は黙っていたが、B君は何か一生懸命話し、A君に「ごめんね。」と言っているのが聞こえた。そのあとA君に一緒に遊ぶか尋ねると、素直に「うん。」と、うなずき無事3人で鬼ごっこをすることができた。


ほんの10分〜15分くらいの出来事だが、私も含め、その場にいたみんなの心が動いた時間でした。

まずA君。最初、鬼ごっこをしようと思っていた楽しい気持ちも、ほかの子どもたちが輪に入ってきたため→3人の鬼ごっこを邪魔されたような、主役をとられたような、とにかく面白くない気持ちになってしまい→意地になってしまい、周囲を否定していたら、周りに誰もいなくなってしまい、悲しい、寂しい、悔しい、いろんな気持ちが交差し涙が出て→けれど、友だちと先生が戻って来てくれて、ほっと安心して、やっぱり友だちと遊びたいという気持ちになった。

次にB君。A君同様に、鬼ごっこを楽しみにする気持ちから→友だちが意地を張って「だめ」ばかり言っている。そして鬼ごっこじゃなくてかくれんぼがいいと意見をかえてくる。楽しみに待ってたのに!と怒ってしまう→わがままだな、もう遊ばないと思いつつも、友だちが一人で泣いていて、心配でほっとけない→やっぱりこの友だちと遊びたいと、元気づけて、謝っておこうという気持ちになった。

そして私。最近A君が先生たちや友だちに心を開いてくれて嬉しい。今日は鬼ごっこかと楽しみにする気持ちから→えっ!?他の友だちは寄せてあげないのか。ちょっと残念だな→鬼ごっこじゃなくて、かくれんぼ⁉︎そりゃあB君も怒るのも無理ないよ。B君に共感だな→でも、B君が友だちの思いを受け止めて交渉までしている‥!ビックリ!→さらに泣いている友だちに話しかけ「ごめんね」と謝ってあげている。(B君は悪くなかったと思うが)B君の成長に感動!→A君とB君、2人は良い友だちになるだろうなという気持ちになった。

※実は少し前のB君は、「ぼくは〇〇がしたいんだ!」と自分の要求を力いっぱい主張する姿が目立っていたので“相手のやりたいこと(かくれんぼ)を先にやるから、後で自分のやりたいこと(鬼ごっこ)をやろう”と交渉していたことに、すごく驚き、そしてとても嬉しかった。


上記の物語に筆者であるミマモリストは「誰よりも心が動いたのは私だったと思う。」とも、あとがきに記されていました。


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2022-05-10
ヤギのコタン君が明日くるよ

『子育ては自分で思っているより、ずっとコントロールができない』


「最新統計データ×科学的エビデンス~世界中の育児情報をデータ分析でふるいにかけた超百科!~米国最強経済学者にして2児の母が読み解く~子どもの育て方ベスト~ブラウン大学経済学部教授エミリー・オスター」

という、なんとも長々としたタイトルの著書で綴られていた一言です。~子どもの育て方ベスト~ってタイトル自体にーあやしいな~ーとの印象を受けてページをめくったのですが、意外にも意外に、統計データや科学的エビデンスのプロでもっても、『子育てはコントロールできない』と、はっきりと記されているんです。そしてそのギャップについつい惹かれて読み進めています。


せっかくなので、おもしろいキーワードを紹介しておきますね。

【制約付き最適化問題】という、まさに子育てそのものを表す言葉です。

極端な例え話をしてみますね。

例えば‥「〇〇という食べ物を食べると賢くなる」との情報をネットで検索して選択するとします。しかし、その食べ物が1万円くらいするとしましょう。そしてその食べ物の調理には3時間ほどかかるとしましょう。あなたは頑張って働いて生活を切り詰めて、なんとかそのバカ高い賢くなる食べ物を子どものためと思い購入し、長時間働いて疲れた身体を奮い立たせて仕事後に調理場に立ち3時間でやっと調理をすませるとしましょう。ただその3時間の間、子どもは待ちに待ってしまって、YouTubeを見たり、お菓子をつまみながら、時にはうたた寝をして待っています。それでもってその賢くなる食べ物を食べ終わると、時計はすでに夜9時をさしています。さてお風呂にも入れなきゃいけない。お風呂から出ると、うたた寝もしちゃったのもあり目が冴えて眠るどころではない。ついには就寝が深夜12時を超えてしまった。

とんでもなく長々とした極端な例え話をしましたが、もしもこの食べると賢くなる食べ物が本当だとしても、YouTubeやお菓子や就寝時間なども考慮しちゃうと、賢くなるための最適解ではない気がしませんか?ブログ読者の方はいかがお考えですか?


例え話が極端過ぎると言えばそうなのですが、実は子育てにはありふれた問題だと言えます。「母乳が最適なのかどうか」「布おしめが最適なのかどうか」「ミルクならば〇〇メーカーのものが最適なのかどうか」列挙すればキリがないほどに、子育てにはありとあらゆる選択肢があります。

そんな選択肢から、どのような選択をすれば(選択を組み合わせれば)“もっと幸せでもっと肩の力を抜いた子育てができるか”を紹介しているのが、この著書なわけです。意外にも“絶対”“完璧”と称されている子育てグッズや方法ほど、さほどそうでもないデータやエビデンスが存在したりするんですね。詳しい内容についても今後のブログ内で紹介してみますので乞うご期待ください。


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※ちなみに冒頭に紹介した著書以外に最近購入した本は‥

・「無印良品の教え~仕組みを武器にする経営~」松井忠三

・「オーストリア滞在記」中谷美紀

・「子どもが心配~人としての大事な力~」養老孟司

・「弔辞」ビートたけし

※ちなみに最近「私設公民館とみほ村文庫」でレンタルしている本は‥

・「峠」司馬遼太郎

・「ロシアについて」司馬遼太郎

・「監察医の涙」上野正彦

富岡北地区の方からサクランボのお裾分け
昼から夕方までサクランボを食べ続けました
2022-05-09
ミニひまわりの苗を頂いたよ

 五月富岡客中の作


富岡駅から十里の堤が延び

南へ横たわる長蛇に似ている

首下げて水飲むところ港なり

松林幾群か、間隙に海見ゆ

長短の梢の向こうに島の影

木々の間を帆柱がよぎる

山人我この海辺に遊べば

目新しき景に眼を奪われる

門前の大道県庁に通じ

馬車の官吏カツカツと過ぐ

美酒の酔に鯛料理

都ぶりの音曲に麗人の舞

銘酒佳肴に歌舞音曲

風塵滾滾たるを如何せん

半月の淹留も何の楽しむ所ぞ

衣類汚れるも洗うに川なし

独り楽しむ南海幽趣豊かなるを

漁歌もまた哀調憔歌に劣らず

北山に早速には帰らず

南海にしばし留まり釣蓑をまとう


おはようございます。日曜日の朝から驚愕の‥読もうと思っても漢字が読めない、読んでも理解に苦しむ、そんな詩をならべてみちゃいました。なぜ掲載するにいたったか‥実はとみほ村の富岡保育園が所在します富岡北地区のまちづくり協議会事務長さんから、「村上先生!この詩、見てよ!山田方谷さんが、ここ(富岡保育園)に滞在したときに読んだ詩を、栗谷川先生(山田方谷を研究されていた方※昨年お亡くなりになったそうです。)が紹介しとるんよ!」と、かなり興奮気味にお話しをいただきました。


たぶん、ブログ読者の方にとっては、「は!?山田方谷!?誰それ!?そんで何で富岡保育園が関係ある!?むしろ保育園の公式ホームページに載せること!?」と、ハテナだらけだと思いますので、落ち着いて順をおって説明していきますね。

まず、「山田方谷」という方は幕末にかけて現在岡山県高梁市、当時の備中松山藩の政治と経済を復興した立役者なんですね。藩主の板倉勝静は江戸幕府最後の将軍徳川慶喜の政権では老中にもなっているんです。(山田方谷は板倉勝静が一番信頼を寄せていた家老でもあります。板倉勝静は徳川慶喜が一番信頼を寄せていた老中でもあります。)

さらに話を進めますと、その後徳川幕府は倒され、大政奉還の後、明治維新がおこります。そして廃藩置県という大革命がなされた時に、とみほ村の富岡保育園が所在します笠岡は現在は岡山県でありますが、当時は「小田県」であり、なんなら笠岡は小田県の県庁所在地だったんですね。その当時の小田県令(現在で言う県知事です。)矢野光儀が、上京し内務省を訪れた際、大久保利通から、「山田安五郎(山田方谷)には会ったのか。小田県を治めるには、政務は山田安五郎に聴かねばならん。」と言われ‥小田県令矢野は、山田方谷を笠岡にお招きしたんですね。そんでもって、そろそろブログ読者もお察しがつくかと思いますが、山田方谷が笠岡に足を運んだ際に滞在したところが、現在富岡保育園として保育園を営んでいますところ、阪本家屋敷だということです。


冒頭に掲載した詩には、『世を出て世を忘れず、世にありて世の外に遊ぶ』という山田方谷の趣が見てとれると解説がなされていました。詩も解説も、正直に言いますと‥僕には相当に難しく理解に苦しむところにあります。けれども、幕末から明治維新にかけての歴史に残る大動乱期に読まれた詩が、とあるウイルス渦やロシアやウクライナ情勢の悪化といった現代の大動乱期にも当てはまるようでいて、生き抜く指標にもなっているとも感じました。


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★添付写真‥富岡北地区まちづくり協議会副会長さんが「ミニひまわり」の苗を24株、富岡保育園に寄付して下さいました。さっそく園庭長と子どもたちで植えたようです。副会長さん「毎日水やりとかやったりしながら大きくなっていくところを見るのも自然の勉強になってえぇじゃろ。」と声をかけて下さいました。(※笠岡市神島「クレヨンKIDS」の花壇にも植えさせていただきました。)富岡北地区まちづくり協議会の方々も含め、いつも富岡保育園のことを気にかけて下さり誠にありがとうございます。

ミニひまわりの苗をせっせと。
クレヨンKIDSの花壇にも。
2022-05-08
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おはようございます。5月の土曜日早朝と言えば‥「ウキウキ!春のラジオ体操」です。第1回の本日は約20名ほどの地域の方々が参加して下さいました。「わたしゃ、保育園の中に入ったのは20年ぶりくらいじゃわ。」と、おっしゃられる方もいたり。また小学生や中学生の学生たちも早起きしていっしょに身体を動かしてくれましたよ。

ところで、なんで“ラジオ体操”なんてイベントを副園長村上はうつのか?そろそろ種明かしをしたいと思いますので、参考にしたい方はしてみて下さい。


保育園にしろ、なんにしろ、“イベント”をしようと思うと、とあるウイルス渦のご時世も絡み合ってハードルが高いんですよね。〇〇を気をつけなきゃ、〇〇を気をつけなきゃ‥ルールがルールを呼ぶもんで、いっこうに企画がまとまらなかったりすると思います。さらに言えば、「どうせイベントをうつなら成功させたい!」と気持ちが強まれば強まるほど、企画が大きくなりがちなんです。ただ大きくなればなるほど、いよいよリスクも高まってくるんですよね。

上記の“イベントの性質”を理解した上で、“ラジオ体操”というイベントをうっているんです。

(※詳しく説明していきますのでメモをする方は鉛筆をご用意下さい。)

富岡保育園のような、田舎町(岡山県笠岡市富岡)つまりは地域に根ざしたいコミュニティーの企画しなきゃいけない“イベント”は、もちろん年に1度できるかできないかのビッグイベントも良いのかもしれませんが、間違いなく効果大であるのは、年に何度でもできるスモールイベントです。なぜかって、イベント対象者が、県外や海外からのお客さまではないからです。とにかく地域の方と『顔を合わせる機会』をたくさん作ることが目的なんです。この機会をたくさん積み重なることによって、もしもビッグイベントを企画しようと思うのならばハードルやリスクを下げることも考慮しやすくなるんですね。

そんでもって、じゃあ何で“ラジオ体操”なのか?ここはシンプルに老若男女、年齢や性別などの垣根無く誰もが馴染みである、その上で「出来る・出来ない」が気にならないものであること。さらに言えば、短い時間で終わるので心身の負担が少ない、そして何より分かりやすく“無料”で開催そして参加できること。そのくせ、無料にも関わらず「早起きをして、地域の方と少し挨拶を交わせたり、少し身体を動かしてスッキリすることにより“得”した気分になる」こと。(お土産効果)


ここまでが表向きの理由で、ここからが裏の理由になります。

(※有料コンテンツにしたいくらいですが‥無料でご紹介しますね。)

実は、早朝に開催することにより、園児や職員がほとんどいない状態で地域の方々を園内にお招しています。つまりは、参加者は人目(職員など)を気にせず、園内を眺めたり観察できるんです。ここが非常に大きなポイントなんです。『無人公開保育』と名づけてみましょう。

園児や職員がいなくとも、園内には遊びや生活の残り香が必ずあります。その香りを通じて、地域の方がもしも“富岡保育園はちゃんと保育しているな”と思って頂けたら、より地域に根ざせるはずなんです。(もっと言えば、無人であるにも関わらずお招きできる状態は園と地域との“信頼関係”が成り立っていないとできないことでもあります。)

また逆説的には、職員は「自分たちが居ない状態でも、保育について発信できているか」を、頻繁に(定期的にスモールイベントをうつことで)振り返ったり、省みることをしなければならない、つまりは保育の質について常に問える状態になれるということです。


本日早朝より早起きをして参加して下さった皆様ありがとうございました。来週も土曜日7時スタートです。宜しくお願い致します。


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サツマイモの苗を植えました。
2022-05-07
細かく分けることが正解!?

知り合いの小学生Aちゃん(低学年)から、こんな質問をされました。「B君だけ、なんで違うクラスなんか知っとる?」ーなんで?と返答をするとー「B君、バカじゃけんよ。」と答えが返ってきました。まわりの大人はーそんなこと言わないのーと言い聞かせてはいたものの、おおきなやるせない空気感が漂いました。まわりの大人も詳しい事情は分からないまでもーなんとなくだが発達障がいだからなのかなーと推測しながら言い聞かせていたように感じました。

※発達障がいという言葉の理解や知識について、居合わせていた大人はそれぞれにバラバラです。ちなみに専門家であっても定義や見解はバラバラだということも付け加えておきましょう。


たまたま「五体不満足」という著書を書かれた乙武洋匡さんのコメントを聞く機会がありました。

乙武さん「ある期間、ロンドンに滞在することがあったんだけどね。ヨーロッパだから日本よりもバリアフリーとか進んでいるのかなって思ったんだけど、ロンドンの街は車椅子ユーザーには大変なの。エレベーターだって無い駅もあるの。だけどね、日本より車椅子ユーザーの方を多く見かけるわけ。なんでだろうって思ってたら、まったく知らない人でも車椅子ユーザーを見かけたら押してあげたりするわけ。つまりはマンパワーによってエレベーターだったりの環境面の不足を補っているの。」

乙武さん「ロンドンの人たちの根底にあるのは、“迷惑をかけることは悪いことではない”ってこと。自分も他者も迷惑をかけていることを前提にしているから“お互いさま”という気持ちで、自分に余裕のあるときには車椅子押しますよってことになるのね。」

乙武さん「じゃあ、ロンドンの人より日本の人の方が薄情であったり優しくないかって言ったらそんなことはないと思うの。ただ大きく違うところは“慣れていない”ってことだと思うのね。」

乙武さん「なぜ“慣れていないのか”は、教育によるところが大きいのではと思うのね。障がいごとであったり、学力の習熟度ごとであったり、なんなら偏差値ごとであったりに、クラスを細かく分ければもちろん短期的な成果は大きく得られると思うの。ただ、教育とは人生の入り口であって、出口の社会は細かく分かれているどころか1つしかないよね。人生という長期的な期間での成果を考えれば、細かく分けるのではなく、ごちゃ混ぜにしていろいろな人と慣れることが大事なんじゃないかと思うの。」


乙武さんのコメントを聞いていると、知り合いのAちゃんのやるせない発言の根っこが見えてきたように感じました。

保育園であったり、学校であったりの場所の目的は何なのでしょうか?保育園で言えば、何かが上手にできたり作れたりすることが目的なのでしょうか?それとも、いろいろは人たちがいる社会のなかで、自分の幸せを見つけたり作ることができるようになることが目的なのでしょうか?


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2022-05-06
とみほ村で子どもがデジタル機器に触れる機会がない理由

こどもの日。地方新聞(山陽新聞)に目を通しますと‥「子ども41年連続減」であったり、「デジタル機器が子どもの人体に与える影響」であったりの記事が並んでおります。

ちなみに、子どもの数は全ての都道府県で減少したようです。(1999年以来)14歳以下の子どもの数は1954年の2989万人をピークに2022年は1465万人に減少の一途を辿っているようです。多ければ良いだとか、少ないから悪いだとか、そんな話しをするつもりはありません。現代の子どもに携わるお仕事をさせてもらっている以上、少なくなっているからこそ必要な保育・教育を提案し直すことが大切だってことです。

もう1つのちなみに、デジタル機器の使用については世界保健機関(WHO)によると2歳未満は推奨されていないそうです。なぜかと言えば、デジタル機器が人体に与える影響はまだ十分に解明できていないからだそうです。デジタル機器が良い、悪いの話しをするつもりはありませんが、ただどうなるか分からないものを乳幼児に与えることは危険なんじゃないかってことです。例えで言いますと、新型コロナウイルスのワクチンについて「打ったらどうなるんだろう?どんな副作用があるんだろう?」と躊躇った方もいるんじゃないかと思うんです。さらに言えば大人でも躊躇うワクチンを、乳幼児には積極的に接種をすすめなかったはずなんですね。


めずらしく時事ネタを扱った背景には、この2つ(子どもの数の減少・デジタル機器が与える影響)に関して、なんだかおかしな矛盾があるから、ブログ読者も一緒に考えてくださいってことなんです。

デジタル機器の乳幼児の人体に与える影響を考えるときに、まずどんなときにデジタル機器に触れているかを考えてみたいんです。新聞記事によりますと、「国の政策で小学生からデジタル機器を使うから慣れさせておきたい」「赤ちゃんがぐずった時に頼るため」などが挙げられるそうです。そして上記のニーズにいち早く目を付けては、「ベビーカーにスマートフォンをとりつける器具」たるものが売られているようなんです。赤ちゃんにとってスマートフォンが良いか悪いかの話しをするつもりはないのですが、赤ちゃんがスマートフォンを扱うことでのリスクについてはご紹介しておきたいと思うんです。赤ちゃんが泣いたとして、もしもスマートフォンを見せて放置を続けてしまえば‥まず、“どうしたの”と直接声をかけたり目を合わせたりあやしたりの生身のコミュニケーションが減ってしまうでしょう。すると発達の基礎となる信頼関係や愛着形成への影響はいなめません。また、赤ちゃんにスマートフォンを与えると、ものの見事にすぐに指で画面を動かすことを覚えます。ただ、いち早くスマートフォンで遊ぶようになってしまうと、オモチャをつかんだり、絵本をめくったりといった運動機能が育つ機会が減ってしまうでしょう。また近距離で小さな画面に集中し続けると視覚機能の発達にももちろん影響を与えてしまうでしょう。これらのリスクを知ったうえで、例えば小学生からデジタル機器を使うから早くに慣れさせておきたいと考えるでしょうか。

で、ここからが本日の本題に入るわけなのですが‥赤ちゃんがぐずった時などにスマートフォンに頼るケースがあるってことを事実として踏まえて考えていきますと‥子どもの数の減少はもちろん赤ちゃんの数の減少でもあります。総人口に占める割合ももちろん減っています。何が言いたいかって、数字だけ見れば、赤ちゃんがぐずった時に頼れる大人の数は増えているはずなんですね本来は。けれどももしかすると、赤ちゃんがぐずった時に頼れる大人が減っているからスマートフォンに頼らざるを得ないんじゃないかって矛盾のある話しなんです。もしそうならば、赤ちゃんがぐずった時に頼れる大人が減っている、つまりは『子育ての孤立』が子どもの発達に大きなリスクを与えてしまうのではないかって話しです。『子育ての孤立』という問題があるとしたら、問題の要素は多岐にわたると思うんです。家族や住居の形態、また“子育ては親だけがするもんでしょ”信仰も浸透している背景があったりするんでしょう。

富岡保育園では、園生活のなかでデジタル機器にふれる機会を一切設けていません。なぜかって、上記のリスクを考慮すると導入には踏み切れないんです。さらに言えば、赤ちゃんがぐずった時も、担当制保育であったり固定担任制を敷いておりませんので、たくさんの頼れる大人(保育者)がいることも添えておきましょう。


長々と綴りましたが、もしもブログ読者も含めて、「それでもスマートフォンに頼らざるを得ないんです」「子育ての孤立という現状の真っ只中なんです」という方がおられましたら、一度、岡山県笠岡市富岡605富岡保育園まで足を運んで下さいませんか。入園するしないに関わらず、頼れる大人(保育者)といっしょの時間を過ごしてみてください。

(※特定の開放日などを設けておりません。開園日は毎日開放されています。)


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2022-05-05
おんぶは赤ちゃんの学習の場

肌間の話しをしますね。つまりは統計などをとっていない正確な話しではないってことですのでご容赦ください。

保育園への入園について。10年くらい前で言えばたいていは年度初めである4月をねらっての入園がこぞっていたように思うのですが、近年では年度途中での入園希望の方が増えているような肌間なわけです。ー1歳の誕生日を迎えたからーなど、つまりは産休ならびに育休明けのタイミングだということです。お察しがつくかと思いますが、それだけ日本という国は、産休・育休制度が成熟してきたんだろうなとも分析できる肌間なわけです。

さて、とみほ村の富岡保育園でも、さっそく年度途中入園のお子さまを5月からお迎えしています。すこし大きな子どもたちで言えば、「あたらしい赤ちゃんがくるんじゃろ~!」と、初日の登園に期待を膨らませたりなんかもして、コミュニティの活気づくさまがまざまざと感じられたりします。


そんな新しいコミュニティの仲間に、喜びをみんなで感じている最中、喜びとは多少異なった泣き声が聞こえてくることもお伝えしておきますね。誰の泣き声かなとご想像すると、たいていは新しい仲間(赤ちゃん)かなと素直に思うかもしれません。もちろん新しい赤ちゃんも泣きます。当たり前の話しで、信頼関係を築いている母親だったりと離れ離れになるのですから当然泣きますよね。そこで保育者たちは、新しい赤ちゃんと信頼関係を築こうと必死にあやす姿はご想像の通りです。あの手この手を使ってあやしてみては、新しい赤ちゃんに安心してもらおうとするんですね。すると、新しい赤ちゃんもときどき泣き止んでみたりもするわけです。

さて、新しい赤ちゃんが泣き止んでみたものの、まだ誰かの泣き声が聞こえてくるんですね。誰なのでしょうか。泣き声の主は、新しい赤ちゃんが入園する以前に自分が新しい赤ちゃんだった赤ちゃんです。こんがらがるような表現で申し訳ないのですが、具体的に言えば、5月に入園した赤ちゃんよりも1ヶ月前に入園した赤ちゃんのことです。なぜ泣くのかって言えば、今まで保育者たちが自分に対してあの手この手を尽くしてくれていた、あの手この手の先が自分ではない新しい赤ちゃんに向かっているからですよね。「ミルクが欲しいよー、うんちが出たよー‥」などの泣き声でなくて、「こっち向いてよー!こっち、こっち!」と言った具合の泣き声なのです。(←某アニメ「ドラえもん」に登場する“翻訳コンニャク”を使った場合を想定しました。)

さて、目の前には新しい赤ちゃんが新しい信頼関係を築こうと泣いている、そして隣には「こっちも向いてよー!」と、今までは自分が新しい赤ちゃんだった赤ちゃんも泣いている。そんな時に保育者がとった手段とは、いかに!?

それは、『おんぶ』ですね。新しい赤ちゃんだった赤ちゃんとはすでに信頼関係を築いている期間があるぶん、顔を見合わせて表情などで伝える安心感などがあればこそ『おんぶ』によって、身体の温もりを通した安心感によって、「大丈夫。あなたのことも愛しているよ。」と伝えることができるんですね。

そして今日のブログでは『おんぶ』という、日本では非常にあたりまえである行動が、実は赤ちゃんにとって大いなる学習の場にもなっていることをご紹介しておきたいと思います。

赤ちゃんは『おんぶ』されながら、『おんぶ』している人(精神的に安心でき信頼のおける人)と全く同じものを見ています。つまりは、目を使った情報伝達の重要な要素であり、何かの対象への注意を他者(精神的に安心でき信頼のおける人)と共有する【共同注視】たる行動をしているんです。自分がどこを見ているのかということをはっきり周囲に伝えるという意味で、目の動きを認知する機能はとても重要なんですね。特に赤ちゃんとお母さん(精神的に安心でき信頼のおける人)の間で行われる【共同注視(ジョイント・アテンション)】から、赤ちゃんはお母さんの仕草を通じてさまざまな情報を獲得していると考えられるため、『おんぶ』は赤ちゃんにとって大いなる学習の場だと言えるんです。

付け加えますと、他者の目の動きを認知する機能を前提に社会は成り立っていることも考えておきたいところです。この機能を失ってしまうとコミュニケーションも成立しませんよね。他者の目を見て、そしてそこから何らかの情報を読み解くことは、私たちの社会的行動においてとても重要な働きだということです。

(※参考文献「保育の起源~保育を巡る今日的論考~ホモ・サピエンスの誕生から最新の発達心理学研究まで」藤森平司)


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2022-05-04
『プロの保育者であること』

とりとめてテレビを見る習慣はないのですが、木村拓哉さんがドラマに出るとなれば話は変わって連ドラ予約をしちゃうようです。たぶん木村拓哉さんが好きなのでしょう。春の新ドラマ「未来への10カウント」ももちろんのこと抜かりなくチェックしております。このたび木村拓哉さんは、訳ありでピザ屋の配達をしながら、それでもってある学校のボクシング部コーチをする役を演じておられます。

(※ドラマについては詳細を知りたい方は是非テレビを見てください。)

ストーリーが進むにつれ、ひょんなことからコーチ兼、非常勤講師として教師をすることになっていくのですが‥テレビドラマなので真実では無いにしろ、非常勤講師と正規職員との“区別”がとてもあからさまなんです。例えば、「非常勤講師は生徒の家庭の事情などの案件などには関わらないこと」「非常勤講師は職員室の生徒情報がある場所には入っていけないこと」などなど。テレビドラマなのでおもしろおかしくその“区別”を表現していますし、木村拓哉さん演じる主役は“区別”にひるむことのないようにも表現されています。

ただ、テレビドラマではなく現実問題として、この(正規職員と非常勤講師)区別に対しての問題はあるんじゃないかと思うんです。それは学校だけではなく保育園というコミュニティにもです。なぜかって、保育雑誌でも1年に1度は必ず見かけもしますし、なぜかってここ数年で富岡保育園へも似たような相談を持ち寄せてくださった保育園の先生たちが何度となく来られたからなんです。

「正規」と「非常勤」という“区別”は、大きいところで言えば雇われ方ですよね。シンプルに言えばお金のところだと思います。さらに言えば、雇われ方(雇い方)を区別することによってお金について格差をつけることで当然生まれてしまう格差は、仕事内容でしょう。内容と言えども、もちろん何らかの大きな責任問題などの案件も含まれたりしますから、そういった仕事内容の格差からコミュニティ内で、「非常勤職員より正規職員の方が偉い」といった単純な公式が出来上がってしまうんだと思います。分かりきった話をしているのですが、当然このような公式が出来上がってしまいますと、コミュニティ内には不平不満や文句などが自然と湧き立つものです。そして不平不満や文句が充満としたコミュニティはコミュニティとしての滅亡に向かう、又は不平不満や文句をタネ(もしくはオカズ)にしたコミュニティへと向かわせていくのは、これも分かりきった話だと思います。

ブログ読者も、また僕も含めて、当然どちらに向かうコミュニティも望ましくないことは承知の上で‥

「じゃあ、どうやったら正規職員と非常勤職員の格差問題を解決したらいいのだろうか?」

この問題へのひとつの答えを社会福祉法人伸成会では出しています。

(※ほかにも方法はあると思いますが、参考までに。)

伸成会では、「正規職員」と「非常勤職員」との区別を一切していません。(※ただ、もちろんお金や時間などは、それぞれの職員の能力や境遇など諸々を考慮して決めています。)区別を一切せずに、伸成会の職員は、『全員、プロの保育者であること』を念頭に対応しています。もう少し具体的に言えば、勤務時間が長かろうと短かろうと、給与が高かろうと少なかろうと、経験年数が長かろうと短かろうと‥とにかくひとりひとりの職員に対して敬意を払い、そしてひとりひとりの職員が自覚をすることです。これは、雇う・雇われる関係性だけでなく、伸成会に携わるすべての人と人との関係性を指すことを確認しておきたいと思います。

もしも木村拓哉さん演じる非常勤講師の方が、富岡保育園が舞台であれば、ピザ屋の配達をかけもちでしていようと、仲間の職員から敬意を示されさらに堂々と教師生活を送ることができるんじゃないかとも想像をはり巡らせておきたいとも思います。

社会福祉法人伸成会では、いろいろな働き方、つまりは生き方の人たちが集い合うコミュニティであればとも考えています。例えば、「わたし、80歳をこえているんだけど、週に2日、2時間ほど働けないかしら?」「ぼく、将来、保育園を作りたいと思っていて‥ノウハウを学びながら3年ほど働けないでしょうか?」などなど‥『プロの保育者であること』への自覚と仲間への敬意さえあれば、是非門戸を叩いてくださればと願っています。

(※就職を希望される方は、募集状況などは毎月更新されていきますので、まずは一度お電話でお問い合わせください。)


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2022-05-03
三宅さんの畑でイチゴ狩り

頑丈な柵はタヌキ、そしてイノシシ対策。ほうぼうを張り巡らせている網はムシ対策。あらゆる万全の対策を練って下さるには理由があるんです。

それは‥「保育園の子どもたちに安心安全な無農薬のイチゴをとって食べてもらいたい‼︎」


本日、富岡保育園が所在します岡山県笠岡市富岡北地区で各種の野菜や果物を育てておられる三宅さんのご厚意による「イチゴ狩り」に、富岡保育園の園児(虹グループ3.4.5歳児)ならびに職員、そして地域のボランティア亀川さんとで参加してきました。

万全の対策で育てられた完全無農薬のイチゴ。どれもが逞しい肉感と、三宅さんの丁寧な愛情のつまった酸味と甘味がいっしょに味わえるイチゴでした。

参加した子どものうち、イチゴ狩り初体験の子どもは、はじめおそるおそるとイチゴを摘み取る様子。ただ次第に慣れてくると摘んでは口に入れて摘んでは口に入れて、もちろん手と口のまわりは薄っすらと赤く染まっているんですよね。

また完全無農薬のイチゴ畑をご想像できる方は、「良い土なんだろうな~。」と呟いたんじゃないでしょうか。もちろんのこと、良い土には、元気な虫やカエルが遊びに来ているんですよね。するともちろんのこと、イチゴ狩りの傍ら、虫捕りに夢中になる子どもたちもいるわけです。

三宅さん「子どもが畑で遊んでくれると嬉しいよ。」と、おっしゃってくださることに本当に感謝しなきゃいけません。そして、「また来年も来てくれるかな。」ともおっしゃって下さることに、あらためて富岡保育園が社会福祉法人として地域社会へ貢献することを強く自覚し努めなきゃいけないとも思いました。


本日は、大きなご厚意を与えて下さった三宅さん、またご家族の方、またお手伝いに来てくださいました社会福祉協議会あらいさん、そして地域の方との潤滑剤として活躍してくださった亀川さん、誠にありがとうございました。


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まずは三宅さんから摘み方を習いました
摘んでは口に入れています
2022-05-02
みんなの子どもなんじゃけん

マスク生活に違和感がないと言えば嘘になります。たとえば映画館へ行ったものならば、もちろんマスクをして、そしてポップコーンなどを食べるときだけは着脱が認められるといった鑑賞の仕方になるんじゃないかと思うんですね。

ただ、マスクをして映画鑑賞することで良かったと思えることだってあったんです。それは人目も憚らず(ひとめもはばからず)泣けるってことです。涙がポロポロポロポロ出てはマスクがキャッチして吸い込んでくれるんですよ。

本日鑑賞しました映画は、瀬戸内海を舞台に、しかも富岡保育園が所在します岡山県笠岡市も含まれた地域が撮影場所になっていました「とんび」という阿部寛さん主演の映画です。

(※これから見ようと思っている方はネタバレ内容を含んでいるかもしれないのでお気をつけください。)

母親がある事故で亡くなってしまった父子と、その取り巻きたちが織りなす家族愛の物語です。と、まとめてみたものの、いかんせん登場人物たちはそれぞれに何かを抱えて生きていることが見え隠れする物語でもありました。「人生山あり谷ありの方が景色が良いのよ」とのセリフなんて、まさに‥。


さて、わざわざ保育園の公式ブログに綴るくらいですから、なにか子育てのヒントとなることがあるのでしょう。

実は、まさかの『共同養育』という視点が大きなポイントとなっていたんです。母親を亡くした小さな子どもを、もちろん父親は一生懸命育てるのですが、一人では到底抱えきれず遂には「俺が生まれてこなけりゃ‥」と思い悩んでしまうんです。そんな時に、父親の取り巻きが雪降る寒空の下、海の砂浜で父親に、「おまえが抱っこしている子どもは今おまえの体温(愛情)で半分はあたたかいじゃろう。じゃけど、背中はどうじゃ、寒いじゃろ。じゃから、背中はわしら(取り巻き)があたためてやるから安心せぇ。」と、いった具合の言葉をかけるんです。

(※正確に知りたい方は是非、映画館へ。)

この取り巻きが、子どもができない友だち夫婦であったり、幼い娘と別離して暮らしている小料理屋の女将であったりするんですね。父子がなにかとケンカすると、取り巻きたちはきまって「みんなの子どもなんじゃけん!」と言いはなつんです。


富岡保育園に限らず、日本中、いや世界中の保育園の子どもたち、いや保育園に通っていない子どもたちも含めて、子ども一人ひとりそれぞれに家庭環境、境遇は違っています。それでも一人ひとりを守るためには、父親だけでなく母親だけでなく、社会全体の大人(取り巻き)が「みんなの子どもなんじゃけん!」と胸を張って育てていくことが必要不可欠なんだと思えた、そんな映画「とんび」でした。


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2022-05-01
バラエティに富んだ人環境

おはようございます。気温の変化が激しゅーございますね。ブログ読者の方もふくめ心身ご自愛ください。そして、どんなことがあろうとなかろうと、4月も終わっちゃって5月に入っていくわけです。

本日は「とみほ村だより5月号~富岡保育園×富岡北地区まちづくり協議会×クレヨンKIDS」で好評の富岡保育園園長先生コラムをご紹介したいと思います。


【Mimamoru ~「人」環境とは~】

 5月2日(月)は富岡北地区の三宅さんのご厚意で「いちご狩り」をさせていただけるんです。6日(金)はボランティアの方の力を借りて夏野菜の苗を植えます。10日(火)には、笠岡東地区保幼小中高連携「あいさつ運動」で、笠岡工業高等学校の生徒さんが朝8時から富岡保育園前の横断歩道に立って下さいます。また同日、LIFE3091(自然生活)若月さんとヤギのコタン君が富岡保育園へ遊びに来て下さいます。さらに、5月の毎週土曜日には「ウキウキ!春のラジオ体操inとみほ村」を行います。加えてクレヨンKIDSではほぼ毎日、ご利用者の方々がふれ合いに来てくださいます。そして亀川さんが富岡保育園にもクレヨンKIDSにも笑顔を届けてくださいます。

 とみほ村ではなぜ、様々な職業の人、様々な立場の人、様々な考えを持つ人との交流を活発に進めるのでしょうか?

 私たちは「環境を通した保育・教育」を行っています。これは、保育所保育指針に謳われており、乳幼児期の関わり方の基本とされています。環境というのは、子どもを取り巻くすべてのものですが、「人」「物」「空間」を核に考えます。子どもとかかわる「人」というのは、とても大事な環境です。子どもは「人」との関わりの中で、言葉やコミュニケーションの方法、そして表現することを学び、また、規範やルールなどを学んで、次第に社会性を身に付けていきます。

 子どもと他の子ども、子どもと保育者、子どもと保護者、子どもと多様な人々‥子どもを取り巻く「人」環境が、できるだけバラエティに富んでいることが、様々な生き方や価値観に触れることにつながります。何より、とみほ村を支えてくださる「人」の温かさ、優しさが嬉しくて、いつも感謝しております。5月も楽しみですね。

 子どもたちの未来のために、いつもありがとうございます。


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生け花のある暮らし
2022-04-30
村上へのお問い合わせ大歓迎

「休日」と聞くとたいていは喜ぶものかもしれませんが、屁理屈ぽくもありへそ曲がりぽくもある僕(村上)からすれば、たいして喜ぶものでないと意識しています。なぜかって、そもそも休日という制度を作った人たちは、「いかに効率良く働かせようか」との魂胆をまる出しに産業革命を成功させていったようにも感じるからです。つまりは、雇用主と労働者との歴史的背景からなる、“なにかに操られている感”に対して、小さな小さな抵抗をこっそりしているだけに過ぎないという話しです。

※そんな僕(村上)がゴールデンウィークと称された、まるでギラギラした名前のついた本日の休日にしたことと言えば‥とみほ村にあります「私設公民館とみほ村文庫」にて、読書と昼寝を延々と繰り返すことでした。ちなみに手にとっていた一冊は司馬遼太郎さん作の「峠」です。主人公は、幕末に生きた雪深い越後長岡藩藩士である河井継之助。この男がなかなかの屁理屈と言いますかへそ曲がりと言いますか、その域を超えたように柔軟に自由に突き進んでいくんですよね。


さて、小さな小さな抵抗をこっそりしている僕(村上)から、ブログ読者の方に少しご質問したいと思います。

「いかに効率よく働かせようかと、休日制度などを設けたりしながら突き進んでいった産業革命。雇用主の言うこと、決めたことに、より効率よく取り組むことができる人材育成をするために導き出された制度とは?」

もしかすると、答えは複数あるのかもしれませんが、その答えの1つとして、同年齢での学校制度、一斉教育が挙げられるかと思います。同じ年齢の子どもたちを、ひとまとめに評価することで競争意識を持たせやすいことは多分にあるかと思います。産業革命から興った資本主義社会は競争意識なくして成功するものではないですからね。

※ちなみに、現在読み進めている司馬遼太郎さん作「峠」の主人公、河井継之助が生きた江戸時代では‥教えを請いたい先生のいる塾を学びたい者が門を叩いていたようです。ちなみに主人公の河井継之助は、30歳を超えて10代の若者と一緒に学んでいたようです。さらに付け添えると、ただ知識を得るための勉学は一切せずに、文字を記す時などは、刻むようにして気迫を込める時間としていたようです。


ここまで綴っておいてなんですが、誤解のないように僕(村上)は、休日や学校や一斉教育が嫌いではありません。(つまりは好きな面もあるということです。)ただ、歴史を振り返ったり、意識の持ちようを変えるだけで、どのようにでもなるということが言いたかったみたいです。

※屁理屈のようでへそ曲がりのような、その域を超えている河井継之助に負けず劣らずな僕(村上)と、もしも保育や教育について一緒に語りたい!という方が、もしも稀にいますれば、是非是非、岡山県笠岡市富岡605までお越し下さい。(コンサルタント的なアドバイスは一切できませんが、刻むような気迫を込めた時間になるかとは思います。)


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クレヨンKIDSに土を搬入です
クレヨンKIDSに花壇を作りました
2022-04-29
とみほ村、上半期流行語候補

“ずるい”

ここのところ、子どもたちがよく使う言葉のひとつです。

辞書などでは、「自分の利益のために悪だくみをする性質」なんて記載されている言葉です。漢字では狡猾(こうかつ)の“狡”を使って“狡い”と書くようなので、なおさら良くないイメージだと思うんです。

けれども、子どもたちの使い回しを聞いていますと‥「なぁなぁ、わたしって、“ずるい”じゃろ?」「〇〇ちゃん(わたし)だけ、〇〇して、〇〇持ってて、“ずるい”じゃろ?」と、どうも良くないイメージでは使っていないんです。

どちらかと言えば、『わたしだけ』特別であることを自覚している場合に、それを他者に自慢したり誇示したい場合に用いているようなんです。さらに言えば、特別であることに気がついて、「〇〇ちゃんだけ、ずるい!」と、言ってしまえば、それは特別であることを認められた喜びにもなるだろうし、つまるところ褒め言葉にもなりそうなんです。

正しい言葉の使い方や意味ももちろんありますが、子どもたちが言葉を進化させていくさまも、おもしろいものです。

(※似たようなケースで、“あざとい”という言葉があると思います。たいていは、抜け目がなく小賢しいといった良くないイメージで使いますよね。ただ最近“あざとかわいい”と言われる芸能人もいるそうですよ。)


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クレヨンKIDSに木製ベンチbyカサセイホームズ
2022-04-28
支配者たち

雨あがりの、とみほ村。はじめてブログをのぞいて下さった方は、まだ想像はできないでいるかもしれませんが、愛読者の方ならば、それはそれは想像がついているだろうし、ご想像どおりで概ね(おおむね)間違いありません。

お庭には大なり小なり、浅めであったり多少掘り起こされていた穴に深めであったりの、“水たまり”があるわけです。そろそろお気づきかもしれませんが、この“水たまり”が、子どもたちにとってはディズニーラ〇ドやユニバーサルスタジオジャ〇ンでワクワクやドキドキを生むであろうアトラクションに勝るとも劣らない存在になっていくわけです。

たいていはじめはおそるおそる、手を入れてみては水たまりの水や底のドロドロした感触をあじわっていくわけですが、慣れてくると今度は足でその感触をあじわっていくわけです。水たまりと馴れ合って(慣れ合い)いる最中に、もしも服や靴などが汚れちゃいますと、馴れ合い(慣れ合い)を済ませる“ふんぎり”がついちゃうんです。水たまりと馴れ合うのではなく支配していくんです。腰をしっかりと水たまりの底までつけて、パンツの中まで染み渡るほどに支配していくわけです。脱いだ靴やソックスの中に泥水をすくって入れてみたりしながら支配していくわけです。支配の仕方はそれぞれで、水たまりの中央めがけておもいっきりジャンプをして水しぶきをあげて支配する子どももいます。


ブログはじめましての方、ご想像つきましたでしょうか?もしも雨あがりにご都合つきましたら“生”(なま)でご観覧ください。(※汚れてしまう可能性もありますのでお着替えをご準備しておくことをオススメしておきます。)


ちなみに、みんながみんな水たまりを支配しているわけじゃないことを付け添えておきますね。汚れるのが嫌いな子どもだっていますよ。ちょうど通路ふきんにある水たまりで、ジャブジャブジャバジャバと支配されているところ‥ひとりの女の子がその通路を通りたかったんですね。新調されたような鮮やかなワンピースを汚したくないのでしょう。少し離れたところから、「ちょっと!やめて!」と言っているようでしたが、支配中の子どもの耳には届かない様子。さて、この女の子はどうしたと思いますか?

水たまりの中でジャンプを繰り返す子どもをよく見ていますと、ジャンプを何度か繰り返す最中に少し疲れてジャンプが少し止まる瞬間があるんです。その瞬間を見つけた女の子は、またジャンプが繰り返されジャブジャブジャバジャバ泥水が飛び散っている様子を、飛び散らないていど離れた距離から注意深く見はじめたんです。水たまりを支配する子どもがジャンプに疲れる瞬間をとらえるために。そして、その時が来たんです。「今だ!」と、みずからを決心づけるような勇気づけるような掛け声をはなって、瞬く間に水たまりの側を駆け抜けていきました。もちろん汚れることなく、そしてディズニーラ〇ドやユニバーサルスタジオジャ〇ンのアトラクションで味わえるか味えないか分からないほどの“スリル”を感じて。


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馴れ合いの関係に終止符
2022-04-27
気を遣い合っていた仲間たち

「これなら、とべるか?」

「とべるわ!どけといて!」

「よっ!‥ほらな!とべたろ!」

「そしたら、これなら、とべるか?」

「それなら、おれもとべるし!」

4人ほどの男の子たちが群がって、これだの、それだのと言いながら、跳びあいっこてしている。

ビールケースを2つほど重ねたところから、すこし離れた山あたりまで、おもいきって跳ぶような遊びに見えます。が、ただ跳躍力を競い合っているだけではなく、度胸を競い合っているようにも見えます。

ビールケースを2つ重ねた高さから、少し離れた山までを、楽々と4人が跳べることが4人ともに分かると、今度は難易度を高めようとしはじめるんです。ビールケースと山までの間に、そのあたりに転がっている玩具を置いてみるんです。障害物のようだと認識して下さると良いかもしれません。

桶(おけ)を置いてみたり‥それが楽々と跳べることが分かると、桶の上に虫かごを重ねて置いてみたり‥ 

いろいろな玩具やらを障害物として置いていくのですが、客観的に見ていると、障害物の高さはさほど変わっていってないように見えました。けれども、ある障害物を置いたときに、ひとりの男の子がおじけづきはじめたんです。それは、虫捕り網(あみ)です。横向きに置いてみているので、本当のところ、ほとんどと言っていいほどに障害物の高さは変わっていないんだと思います。ただ、ひとりの男の子にとっては、それ(虫捕り網)が威圧的に感じたのでしょう。急にビールケースの上で屁っぴり腰(へっぴりごし)になっちゃったんです。

4人でなんとなく順番に跳んでいたものですから、1人の男の子が屁っぴり腰になっちゃいますと進まないんですね。けれども他の男の子たちは“桶の上に虫かごを重ねた上に虫捕り網を重ねた障害物”にチャレンジもしたいんです。

屁っぴり腰になっちゃった男の子を脱落させてしまうのか。「はやく、とべよ!」の声も出ているようです。屁っぴり腰になっちゃった男の子の顔はどんどんと赤くなっていきますし、汗もどんどんと滴り落ちているように見えます。

すると仲間のうちの1人が、虫捕り網をどかして、そのあたりにある銀色のボウルをかわりに置いたんです。すると、屁っぴり腰からみるみるうちに腰も伸び、おもいきって跳ぶことができたんです。するとさきほどの仲間は、次の男の子の時には銀色のボウルから虫捕り網に障害物をかえてみたんですね。(高さから言いますと、虫捕り網より銀色のボウルの方が高いんです。けれども威圧感としては虫捕り網の方が上だったということでしょうか。)

もちろん仲間同士で競い合っていたと思うんです。跳躍力であったり、度胸を。ただ、仲間のみんなが“おもいっきり跳んで楽しめる”ことにも、仲間同士で気を遣い合っていたように見えました。


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とぶで!
2022-04-26
虫捕りはれっきとした運動⁉︎

「みんな!ダンゴムシおるで!」

「おい!ここにもおるで!」

あたたかくなればなるほど、むくむくとダンゴムシなどの虫たちがあらわれては、それに呼応するように子どもたちの虫捕りも活発になっているようです。


“虫”と言えば、ついつい養老孟司さん(東京大学名誉教授・医学博士・解剖学者)を思い浮かべてしまいます。

養老さんいわく、虫捕りはれっきとした「運動」なんだそうです。その言葉を頭に置きながら子どもたちの虫捕りの様子を見てみますと‥重い丸太をひっくり返したり、陶器の鉢を仲間と持ち上げたり。しゃがんでみてはジーッと目を凝らしながら獲物を見つけるや、そーっと素早く、それでいて慎重に指先で捕まえたりしています。ただチョウなどの飛ぶ虫となると、網を振り回しては追いかけ、そして逃げられれば方向転換してまた追いかけを繰り返さざるを得ません。懸命に捕まえた虫を虫かごに入れたりしながら、じっくり観察してみては、仲間や先生たちに自慢して捕まえたときのエピソード(どの場所にいたか、どのように捕まえたか)を語ってみせているようです。虫捕りと言って侮って(あなどる)はいけないことがよく分かります。個人プレイとチームプレイが融合されたサッカーや野球などと同等のれっきとした「運動」なんだと思います。


「虫とゴリラ」という養老孟司さんと山極寿一さん(京都大学総長・霊長類学者・人類学者)の語る著書によれば、虫捕りって“世界に自分をとけ込ませていく”行為のようなんです。自分の身体や心を使って、自然と遊ぶことで、「自分でコントロールできないものとの付き合い方(共鳴)」が身につくようなんです。

さらに御二方(養老孟司さん・山極寿一さん)は、虫捕りなども含めた課外授業なんかで、「それで何を学びましたか?」「どんな能力がつきましたか?」などと成果を求めることほど野暮なことはないとも記述しています。

大事なのは、『何だろう!?』って思うこと。すぐに図鑑やインターネットなんかで調べちゃうと、何か分かっちゃった気になるけど、“本物”(生の自然)を見たことにはなっていないこと。


あらためて、本日はダンゴムシを捕まえる子どもたちの姿に勉強させていただきした。

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夢中なふたり
2022-04-25
伝わらないものを大切にする

サウナでしっかりと蒸された後、外気にふれて、ひと息ついているところって、途方もないような表情になっているもんじゃないでしょうか。それは考えごとをしているようでいて、何も考えることができないようなそんな表情をさすのかもしれません。

これ以上蒸されるところがないほどにサウナをあとに、最寄りの映画館へふらりと入りますと、まさかとお思いでしょうが、近くの席にはさきほど僕と同じように途方もないような表情でひと息ついていた方たちが座っているじゃありませんか。人生とはおもしろいものですね。


「ドライブ・マイ・カー」という村上春樹さんの短編小説を原作としたアカデミー賞なども賑わせた作品を見ました。途方もないようでいて、考えごともできないほどに蒸された心身には、“なにか”がじっくりじっくり浸透するような、それでいて刺さっていくような、そんな作品でした。

その“なにか”って、言葉ではどうも上手く表現できそうにないんのですが‥例えば、ただたんに車を走らせてすすんでいく場面が続いたりするんです。ときおりタバコをふかせてみたり、カセットテープを流してみたりするのですが、それは途方もないようにただただ車を走らせてすすんでいくんですね。

また作品の中で主人公が演じる演劇には、日本語だけでなく、韓国語だったり、また手話だったりのさまざまな言語が飛び交う場面があるのですが、演劇俳優たちは、例え言語が分かり合えなくとも“なにか”を感じ合わせていくんですね。

“なにか”の正体のヒントは、作品中、主役に対して向けられた「あなたは伝わらないものを大切にしている」という言葉に凝縮してあるような気がしています。


ブログ読者の皆さまで、他者には伝わらないかもしれない“なにか”がつまった、大切にしていることはありますか?

それは途方もないようでいて、意外に考えるまでもないようなことであったりするのかもしれません。

朝起きたらお子さまに「おはよう」と声をかならずかけることであったり、パートナーが出かけたり帰宅したときには「いってらっしゃい」「おかえり」と声をかならずかけることであったりするのかもしれません。


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縁側でランチタイム
2022-04-24
副園長村上は足裏占い師!?

好評のようなので、足裏健康話を続けてみましょう。本日は、富岡保育園が「裸足」や「鼻緒の付いた(親指と人差し指で挟むことのできる)ぞうり」を推奨して、「クロッ〇ス」や「上履き(サイズ調整できない)」を推奨していない理由をお話してみたいと思います。


さきに結論から記しておきますと、「5本の足の指で地面を掴んで歩いてほしいから」なんです。

※子どもに限らず、大人の方にも参考になるお話かもしれませんので、是非最後まで読んでみて下さいね。

ブログ読者の方も、よろしければ、裸足になって自分の足を見つめてみて下さい。足の指がまっすぐすっきりとした様になっていますか?もしかして、どこかの指が浮いていたり(浮き指)しませんか?さらに、せっかくなので、足の指を使って“グー”や“パー”の動きができるかを確認してみて下さい。もしも上手く動かせない方は、もしかして足の裏にウオノメかタコだったりが出来ていないでしょうか?

※占い師みたいな話し方になってしまっていますが、もしも自分の足について詳しく知りたい方は岡山県笠岡市富岡605にあります富岡保育園内にあります保育LABO、村上のところまで足を運んでみてください。


さぁ、話を進めていきますよ。「どうして、5本の足の指を使える方が良いか?」

少し質問を変えると、「あなたが、もし手の指で“グー”や“パー”が出来なくなれば、身体の異常を考えてしまうのではないでしょうか?」

実は、足の指がしっかり使えれば使えるほどに、『足の裏のアーチ「土踏まず)が頑丈にできる』わけなんです。この足の裏のアーチは、言わば“クッション”のような役割を果たしてくれるわけです。5本の足の指がしっかり地面を掴むことにより、足の裏に弓なりのアーチができ、地面から受ける衝撃を均等に分散させてくれるわけです。するともちろん疲労も溜まりにくくなるわけです。

※膝痛や腰痛のある方、さまざまに原因がある中で、足の指を使って歩けていない可能性も疑ってもよいかもしれません。

足の指が地面を掴めていないってことは、言い換えるなら、手の指を使わないで手の平だけで逆立ちをしているようなもんですから、どう考えても、不安定ですし、怪我もしますよね。


では、【5本の足の指を使う】ことの重要性が分かったところで、「履き物」についての話を進めていきたいと思います。

クロッ〇ス、またブカブカなサンダルを履いていると、スッポ抜けないように自然に指を浮かして歩いてしまうんです。もうお分かりですよね?足の指で地面を掴むことが出来ないんです。反対に、裸足や鼻緒のついたぞうりであると、否応なく足の指で地面を掴んで歩くことになるんです。

※もちろん、コンクリートやアスファルトなどの道を裸足で歩けと言っているわけではなく、園内の安全な場所での推奨です。

※補足として、良い靴(上履き)の条件は、かかとと甲の部分がホールドされていて、マジックテープや靴ひもなどでサイズが微調整できること。また靴底が薄過ぎず、柔らか過ぎず、硬過ぎず、重過ぎないこと。また前足部に蹴り出しやすい反りがあることなどでしょうか。

そして、なぜ保育園の公式ホームページ上のブログで、こんなにも「足」について熱く語るかと言いますと、子どもの足って大人の足に比べて「適応能力」が高いんです。のぞましくない履き物に対して、のぞましくない歩き方や、足の指の使い方を適応させちゃうんです。

もしもお子さまの生涯の健康をお考えになっておられる方は、「足」について、「履き物」についてこだわってみてはいかがでしょうか。


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地面を掴んで
2022-04-23
血液の循環から整える免疫力

とあるウイルス渦に入って間もないころ、ほんの買い物やお散歩ですらの外出も危ぶまれていましたよね。ただ、ぼくたち人間は学習能力があるはずなので、この数年の経験を、とあるウイルスなどから心身を守るために使えるはずなんです。

ブログ読者の方も含めて、特に注目されているキーワードと言えば【免疫力】ではないでしょうか。とあるウイルスに触れたり侵入してきた場合でも、自らの心身の免疫力で撃退もしくは減退させることができるからですよね。

富岡保育園でも、園児への保育実践ならびに職員も公私にわたって免疫力を整えることに、ここ数年努めています。大きなポイントとして、「食事・運動・睡眠・笑顔・感謝」の5つが挙げられます。


本日のブログは「運動」について詳しく綴ってみたいと思います。(あくまでも村上の知り得る情報と、国家資格ではない足裏健康法の資格者としての知識を駆使して文章をならべていきます。)

運動とは、身体を動かすことだということはお分かりかと思います。子どもたちを観察しますと、寝てしまうまでは、ほんとうに一日中、身体を動かし続けています。富岡保育園では、日中のほとんど、年齢別やクラス別の活動を設けていませんので、さっきはあっち(お外など)で見かけたと思ったら、今度はこっち(お部屋など)で見かけるなんてざらにあることです。実は疲れ知らずに動き回れるのには理由があるんです。大人がもしも子どもと同じ運動量をこなそうとすれば疲労もさることながら、筋肉痛にだってなるはずなんですね。けれども子どもは筋肉痛にならないんです。これには“ミルキングアクション”という作用などが関係していることを記しておきましょう。

ちょこっと説明していきますね。体内にある血液は、心臓から送り出されて全身へと駆け巡っていくわけなのですが、上から下へ、つまりは心臓から足(末端)の方へは重力に従って流れやすいのですが、足(末端)から心臓へ送り返していくには、ある作用を必要とするわけです。そろそろお分かりかと思いますが、その作用が“ミルキングアクション”なのです。ふくらはぎの筋肉の働きによって、足(末端)から心臓へ血液を送り返していくわけです。ミルキングアクション、つまりはふくらはぎの筋肉の働きが活発になればなるほど、全身への血液の循環は活発になるだろうし、心身の免疫力が整っていくということは想像がつくかと思います。そして付け添えますところ、子どものふくらはぎの筋肉は細く未発達であるがゆえに、必要なエネルギー量が少なくて済むことから、疲れ知らずに動けるという寸法なのです。さらに付け添えますと、大人は筋肉が太くエネルギーを多く使うことから疲労物質が溜まっていき筋肉痛になるのです。

上記の身体の構造と言いましょうか、血液の循環、つまりは元気な源、免疫力の整え方を把握することによって保育実践にも的面に反映させることができるんです。

富岡保育園のお庭でよく見かける光景として、まだ歩けないような子どもがハイハイで築山を登ったり、立てそうで立てない、歩けそうで歩けない子どもが、何度も立てろうと歩こうとしては、土のうえで転んでみては汚れてみて起き上がってまたチャレンジしていく姿が見られます。汚れたり、または土を口の中に入れたり、転んですり傷なんかを作ってしまうことを懸念すれば、ベビーカーなんかに乗せてしまえばいいわけなんですね。ただ、ベビーカーばかりに乗せてしまっては、立ったり、歩いたり、転んだり、つまずいたり、起き上がったりの運動、もっと詳しく言えばふくらはぎの筋肉を動かすミルキングアクションの作用を引き起こすことができないんです。もっと詳しく言えば、心臓から送り出された血液を全身に駆け巡らせることができず、つまりは免疫力を整えることもままならないかもしれないわけです。

(※ベビーカーに乗せることを注意しているわけではありませんので、誤解のないようにお願いします。“保育園のお庭や公園のような安全な場所であれば”と補足させてください。)


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ミルキングアクション作動中
2022-04-22
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